OMATSURIKOZO's talk salon


ランダムアクセス 1995年12月 連載104回

お祭り小僧のホームページ開設
持っているだけで楽しいパソコンPT110


 毎年毎年12月号の原稿に取りかかるたびに、「あっと言う間に1年が経っしまっ た」と感慨深い思いを感じるのですが、10年近く連載を続けてきた今年はなおさらで す。急に寒さが身にしみる季節になってきましたが、みなさんお元気ですか。お体に気 を付けて、せわしない年末を乗り切って下さい


WIN95、情報過多に食傷気味か

 数年前までは、12月には「お祭り小僧の独断と偏見のパソコンニュース」が定番で したが、この数年のパソコン界の動きの速さはめまぐるしく、11月の時点では決めら れるものではなくなってきました。今年は特にWindows95の発売が11月23 日で、私が原稿を書いている時点では発売になっていないのです。この雑誌が皆さんの 手元に着く頃は、95フィーバーは収まっているのでしょうか。発売もされない前から 騒がれ続け、英語バージョンの発売でひと浮かれ、日本語βバージョンの配布でひと浮 かれ、だめ押しの日本語正式バージョンの発売となっては、もはや食傷気味といった感 じですが、やっぱり今年最大の話題は95の名の通り、Windows95だったので しょうね。もう私などは正式バージョンをインストールする前に疲れ切っています。話 題が先行しすぎて、おいしい盛りの旬は一体いつだったのだろうと分からなくなってし まいました。そこで、今月は95の話題はパスして、もう一つのフィーバーであるイン ターネットについて少しだけ話しておきましょう。


お祭り小僧のホームページ開設

 新聞・雑誌に95と共に毎日紙面を賑わせているのがインターネットで、内容もなに も分からなくてもとりあえずインターネットという言葉を知らなくては世情に疎いと言 われかねない時代となってきました。話題先行で実状はどこまで普及しているのかどう かは差し置いても、私のお袋までインターネットという単語を発するのですから驚いて しまいます。沙門さんは、あまりの先走りでこんなものとても役に立つもんじゃあない とタカをくくっていたようでしたが、この1年の普及のスピードに驚いたようですね。 私のインターネットがどれだけ役に立つのかどうかは実際掴みきってはいないのですが 、新しもの好きの好奇心がインターネットに吸い付けられ、hills君の全面的協力 の下に「お祭り小僧のホームページ」を開設しました。なかなかの力作だと思っていま すので、是非下記のところにアクセスしてみてください。
  http;//www.harenet.or.jp/
 どんなハプニングが起こるのか楽しみに待っているところです。


買っちゃったよ PT110

 さて、今月の最初に話題はなんと言っても「Palm Top PC110」です。 発売予定は10月25日と言っていたのですが、なかなか発売されず少々腹が立ってい るところ、11月の10日に届きました。この間、何度パソコンショップに電話を入れ たことでしょう。届いた宅急便にわくわくする思いで荷をほどき、中身を取り上げて 「軽い!」とおもわず叫んでしまいました。バッテリーを本体に取り付け、充電もそこ そこに起動をしたところ、東京や大阪で店頭でよく見かけたPIMソフトが出てきまし た。この画面は何度も触ったことがあるので、そんなに興味を抱いていなかったのです が、店頭でプラスチックケースに固められたパソコンに触るのと、直にハードに触るの とでは断然感覚が違います。大きさの感覚が違うのです。ファミコンキーパットのよう に抱えると、ボタン式のキーボードも、文字入力もあまり苦痛ではないし、慣れてしま えばなかなかのものと言った感じなのです。問題は、左指親指で操作するマウス代わり のポインタです。これを動かす感覚がなかなか掴めないのです。よし、このポインタの 訓練のためにもWindowsのマインスイーパーだとばかり、260MBのカード ハードディスクを装着します。このハードディスクがまたかわいらしいのです。マッチ 箱程度の大きさなんですよ。こんなちっさな中に260MBなんですから、まったく信 じられない。ハードディスクを装着して再起動すると、今度はハードディスクがCドラ イブとして認識され、内蔵のフラッシュメモリ(この中にPIMソフトが入っている) はDドライブとなってしまいました。
 「シャラーン」という起動のWAVEファイルがなると、横にいた女房が驚いてしま いました。画面を見せてやると「パソコンのWindows(なんだ、そりゃあ?)と 一緒で、本当にきれい!」と、びっくりしたようです。私がこれを欲しがっていた意味 が彼女にも理解できたほどの素晴らしさです。Windows画面のあちこちをクリッ クして、感触を楽しんだ後マインスイーパーです。ただでさえコントロールしにくいポ インタで数mm角程度のひと升ひと升を合わせてクリックしなければならないため、肩 が凝ってしまいましたが、だんだんポインタの要領が分かり始めました。ただ、こうし たパソコンではWindowsもキーボード入力の方がよっぽど早くなります。今では 娘に取られてしまったモノクロのサブノートもトラックボールがうまく動かなかったた め、キーボード入力をしていたのですが、そのときの経験が役に立つようです。


SCSIカードにZIPドライブに..

 サブノート時代に購入していたSCSIカードを取り出し、設定をしたらMOも簡単 に認識したのですが、問題はカードスロットです。ハードディスクカードはTYPE3 で、TYPE2のSCSIカードを入れると入らなくなり、ハードディスクとMOが同 居できないのです。これじゃあ、大きなファイルは移動できないではないかと思案して いたところ、先月購入したばかりのZIPドライブがあるではないですか。やっぱりパ ラレルにして良かった、とつくづく感じ入ってしまいました。
 CD−ROMで配布したちょっとHな映画を、デスクトップマシンのCD−ROMか らZIPに転送し、PT110にZIPを繋いでハードディスクに導入するという手順 を踏んだわけですが、これがなかなかにくいのです。残像は残るものの、画面いっぱい に映画が展開します。仲間内に見せたところ、感動してしまいました。やっぱりマシン の性能を見せるのは、ベンチマークテストでも、能書きでもなく、ちょっとしたソフト (?)ということでしょうか。


FAXモデムまで内蔵

 この小さい筐体の中に、FAXモデム(2400ボーと少し遅いモデムですが)も入 っているのです。早速「秀TERM」でパソコン通信もやってみました。当然Nift yにも繋がりますし、まだやってはないのですがインターネットにも繋がるでしょう。 楽しいのは、電話機能です。モデムとマイクとスピーカーの組み合わせは電話機です。 通信ソフトで電話をかけて、電話機能に切り替えると、TPで通話ができるのです。そ の姿を見た娘は、「父さん、家ではいいけど外でその格好だけは止めて」と言い出しま した。トレンディと言っても、少々間が抜けた格好なのかも知れませんが、なにしろこ のパソコンは面白い。毎日鞄に詰め込んで仕事に通っていますが、飽きることがありま せん。
 パソコンごっこに燃えている日本IBMの竹村氏を中心としたメンバーの傑作だと感 心しています。頑張れ、日本IBM。


CPU戦争の現状 インテル強し

 さて、このところ、私的なパソコン生活の話や95やインターネットの話題ばかり取 り上げてきていましたが、パソコンハードの新しい動きについて少しふれておきましょ う。
 まずはCPU。Windows95の影響と言うこともありますが、486CPU時 代はあっと言う間に過ぎ去ってしまいましたね。今年の夏あたりまでは486DX/1 00のCPUが普及機の主流だったのですが、ここにきて普及機の標準CPUは75を 通り越して90MHzのペンティアムになってしまいました。昨年の秋に私がペンティ アム90を購入した時点では、ハイレベルのマシンだったのですが、たった1年でロー レベルとは言わないまでも、ミドルレンジのマシンに成り下がってしまいました。これ は、インテルのCPU戦略(ペンティアムチップの急激な価低格化による市場支配戦 略)によるものなのですが、新しいCPUとそれを搭載したマシンの開発サイクルがま すます短くなってきていることも関係があるでしょう。
 数年前にはRISC型のCPUがこれから先のCPUの主流になるのではないか、C ISC型のインテル80X86CPUの将来性に不安があると言われていたものでした が、ここにきて俄然インテルの強さを見せつけられた感じです。RISC型の代表チッ プにPowerPCがあるのですが、MACに搭載されてそこそこには健闘しているも のの、インテル系X86CPUを圧倒する勢いを獲得するには至っていません。MAC −OSとWindowsNT、OS/2が載る規格のPowerPCマシンは発表され ましたが、Windows95が載らない限りは主流になることはないでしょうし、R ISCチップの優位性をアピールすることができないまま、80686であるペンティ アムプロの牙城の前に破れ去るのでしょうか。
 80786の開発はHP(ヒューレットパッカード社)のRISC技術と提携して押 し進めると語っていたインテルも、ここにきて自社開発に方針転換し始めるほどに自信 を取り戻しているようです。
 当時、インテルを脅かしていたのはRISCと共に、X86互換チップメーカーだっ たわけですが、どこの会社も486CPU時代がもう少し続くと読んでいたのに対し、 インテルは486を早々に切り上げ、586であるペンティアムの低価格化による普及 を促進させてしまいました。新しいCPUの開発に取り残されたAMDはネクスジェン 社を吸収合併し「K5」から「Nx686」を、サイリックス社は「M1」を登場させ るようですが、これらのチップの性能が数10%程度の高性能化なら、インテルの戦略 の前に埋没してしまうことでしょう。現在のところ、このインテルの戦略はパソコン ユーザーの利害と一致しているわけですが、このままインテルが突っ走ってしまった後 の世界は、我々ユーザーの利害といつまでも一緒と言うわけにはいかない可能性の方が 強いですね。
 頑張れ、AMD。頑張れ、サイリックスと叫んでおきましょう。


マルチメディアカード

 さて、これもWindows95時代の産物なのでしょうが、ビデオカードに新しい 波が訪れたようです。VGAカードが、Windows時代でビデオアクセラレータ戦 争に突入し、ベンチマークテストが花盛りだったことがありました(S3だ、Vipe rだと騒いでいた時代がもはや懐かしく感じられるほどのスピードでパソコンハードは 吹っ飛んできているのですね)。この1年、スピード競争がひと段落がついたかと思っ ていたら、DCIという2Dアクセラレーター(動画ファイルのスムース再生機能)時 代に入り、動画時代が始まったわけですが、この2Dアクセラレーター時代はそのまま 3Dアクセラレーター時代の幕開けだったようです。今年の年末から来年の始めにかけ て登場してくる第3世代のビデオカードは、もはやビデオカードとは呼ばれず、マルチ メディアカードということになるのでしょうか。単なる3Dのアクセラレーションを付 けたというのではなく、1枚のボードに2D、ビデオ再生、3D、音源を詰め込んだ、 遊び心をくすぐるボードなのです。最初にクリエィティブの「3D BLASTER」 とダイヤモンドの「Edge3D」が登場します。どちらのボードも、Windows 95が提供する各種の3DのAPIをサポートしているのですが、ゲーム市場では独自 の3Dポリゴン処理を行うソフトも出てきそうなので、主流がどうなるかは少し様子見 と言うところでしょうか。それでも、これらのボードのコストパフォーマンスには驚か されます。ぜひ私のマシンにも搭載しようと思っています。


1.3GB3.5インチ光ディスク

 さて、大容量記憶装置については、様々な規格が乱立してどうなるのかが雑誌などで も話題になっていますが、自分だけのところでバックアップメディアとして使うのなら 、低価格で大容量のものでありさえすれば、どれが普及しようとおかまいないわけです が、他人とデータのやり取りをするのなら普及型のものに限るわけです。できれば、自 分の選んだ機種が普及型の機械であってくれれば幸いと言ったところでしょうか。私個 人としては、日本でのMOの普及具合を見ると、富士通の230MB互換640MBの MOディスクというのが順当な流れなのかなと思っているのですが、面白いハードが発 売されているのを見かけたのです。3.5インチで両面で1.3GBの相変化型光ディ スクで、ドライブの価格が定価118000円(PC−TECHの「DYNADRIV E」)です。この相変化型光ディスクの方式は、松下のPDと同じだそうですが、容量 、サイズのどちらをとってもこちらの方が上です。このディスクは、現在までの光ディ スクの流れから言うと傍系になってしまうものですからリムーバルディスクの主流とは ならない可能性が強いのですが、個人使用のバックアップメディアとしては非常に面白 いと思ったわけです。メディアの金額が実売で5000円くらいになれば買いたいと思 っています。


色つきの時代

 年賀状の季節になると、年賀状管理ソフトが脚光を浴びますが、今年の主流はカラー 印刷と言うことになるでしょう。この間、カラープリンターの価格は急激に下がってき て、キャノンはとうとう標準価格で3万円を切るカラープリンターを発売しましたが、 昇華型のハガキサイズカラープリンターも6万円台で登場しました。カラースキャナの 定価もそれにつられてか、低価格化が進んできています。色つきの時代が始まったよう です。


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