OMATSURIKOZO's talk salon


ランダムアクセス 1996年 9月 連載113回

家庭内LANは娘のパソコンにまで棲み込んだ
メルコのMTCブランドに期待
もうメニューソフトは止めてくれ!


   毎年のこととはいえ、暑い夏にはぐったりしたのではないでしょうか。夏休みはいかがお過ごしだったですか。猛暑の中、O157の大流行のおかげで、焼き肉も今一つ楽しめない、焼き肉と共に喉ごしに快感を覚えるビールも少し興ざめたのではないでしょうか。若い頃にはあの夏のまぶしいばかりの明るさが大好きだったのですが、だんだんクーラーの中に逃げ込み始めています。いかんいかん、「お祭り小僧」の名のとおり、ついまでも好奇心丸だし、ミーハー、ワイワイガヤガヤ大好きで行きたいものです。

家庭内ネットワークを完成

 娘にパソコンを購入してやった話を先月書きましたが、やっとLANと通信も接続し、家庭内ネットワークが構築されました。WIN3.1時代にメルコの簡単LANを導入して以来、私の部屋の中ではネットワークが構築されていたわけですが、自分一人でネットワークを使って何の意味があるのじゃというつっこみに、「LANで繋がってこそパソコン、パソコンは見栄だ」と開き直っていただけでした。TOSHI先生は天井裏で格闘したあげく、2階の自室と1階の居間でLANを構築したと言うことですが、私も自室と娘の部屋との間の配線には苦労しました。築20年も経った我が家ですから、壁に穴をあけることにしたのですが、壁の厚みがなかなか厚く、しかも10BASE−Tのケーブルコネクターが案外大きい(親指くらい)ものですから、この穴あけ作業が汗まみれの大作業になってしまいました。ドリルで壁に穴を開けたわけですが、思った以上に難作業で、辺り一帯壁土と木屑だらけになるだけでなく、こちらから目指した相手の位置に当たらないのです。とうとう思った以上に大きな穴となってしまいました。後で補修しておかなくては。このインサーネットケーブルと一緒に電話線も這わしておきました。娘のパソコンから直接パソコン通信が出来るようにという配慮と、今年の後半にはISDNを導入する予定ですから、それも予定に入れた形で配線をしておきました。  娘のパソコンには、私がWIN95導入当時に購入して、私のパソコンで設定にさんざん苦労した3800円のイーサネットカードを差し込みました。当時はまだLANカードの知識が足らなかったため放棄していたのですが、今は多少知識が増えてきたので大丈夫だろうと導入しました。DOSベースでIRQとI/Oアドレスを設定し、WIN95で添付ドライバをインストールすると、カード自体は認識されるのですが、通信が出来ないのです。hills氏に相談すると、「添付ドライバが悪いのかもしれないから、NE2000コンパチでドライバを登録したらどうか」とアドバイスを貰い、やってみるとうまくネットワークコンピューターが出てきました。ほんのちょっとしたことが躓きになるものですね。ついでに、少し転送レートが遅いかもしれないとは思いつつ、ソニーのSCSI4倍速外付けCD−ROMを購入したときに付いてきたアダブティックの1510相当品を取り付けました。これは案外簡単にWIN95が自動認識してくれました。やっぱりメジャー品は簡単でいいですね。

ポップアップメールでお遊び

 あれやこれやでテンヤワンヤしましたが、とりあえずこれで一人だけのネットワークから複数人のネットワークになったわけです。今はファイルとプリンタの共用しかしていませんが、どこかでメールソフトを探してきて、メールのやりとりが出来るようにしようと企んでいます。しかし、WIN95にはサーバ機能はありませんから、本格的なメールのやり取りは不可能でしょう。そこで簡単なメールのやり取りとして、Windowsディレクトリにあるwinpopup.exeというアプリがあります。これを起動ファイルに指定しておくと、Windowsが立ち上がったとき、タスクバーに登録されます。互いにこれを起動しておいて、簡単なメッセージを送るとWindows画面にポップアップされて、メッセージが送れます。少し長い文章は、サーバになるパソコンを決めておいて、そのなかにメールディレクトリを作っておいて、テキストファイルでやり取りすればいいのです。これだったら、WIN95だけでメールのシステムができてしまいます。「お父さん、こんな遊びがしたいから私にパソコンを買ってくれたの」と娘が笑っています。

デジタルカメラ、私も買うぞ

 さて、今月はどんな話題にしようかと考えているのですが、インターネットネタもあまり新鮮ではなくなり(とはいうものの、友人たちとのメールのやり取りにはなかなか重宝しているのですよ。画像ファイルやプログラムが簡単にやり取りできるので、面白い存在です)、どうも最近マンネリ気味です。hillsさんは最近デジタルカメラに凝り始め、インターネットのホームページが写真館の様になってきたと思ったら、メールもgifファイルで届くようになってきました。うん、こりゃあ、デジタルカメラかなと思い始め、購入することにしました。  購入の対象品としては、デジタルカメラだけではなく、このところ安くなってきたカラースキャナーや、パソコンの側に置いてリアルタイムに写真化するQCAMのカラーバージョンもあります。三角の上に目玉の親方のようなQCAMは、それをパソコン取り付けるとシリコングラフィックス社のカメラ付きコンピューター、インディーみたいでかっこがいいのですが、用途が限られてくる。スキャナも欲しいとは思いながら、10年ほど昔購入したシャープのA6カラースキャナは結局あまり使わないまま埃をかぶったままだし、ということで今が旬のデジタルカメラにしたわけです。  友人たちの何人かはカシオのQV10を購入し、昇華型熱転写プリンターまで導入しています。これでプリントすると、1枚あたりの単価は高いものの、かなり写真に近い再現性があります。女房に友人のデジタルカメラを見せたら、「これはどうやって”写真”にするの」というのが最初に返ってきた質問でした。「これをプリントアウトするのはカラープリンターがあるけれど、写真のような質感は出ない」と説明すると、「じゃ、いらない」とあっさり振られてしまいました。つまり、パソコンに親しんでない素人には、写真という概念とプリントは付いて回るもので、デジタルでパソコンデータとして扱うという概念はなかなか理解されません。そんなところをうまく突いた製品として、カシオがQV10専用のプリンタを発売してきました。フィルム状になった専用の用紙を使い、ベタ焼きのような印刷から、普通のカメラのプリントのようなものまでサポートしているらしく、しかも、値段がそこそこ。うーん、さすがは普及型デジタルカメラの開発社、良いところを突いています。データをたくさんセーブするための外部記憶装置として、フロッピードライブを作ってみたり、交換レンズを出してみたり、基本性能としては他社の新しい製品から見劣りしますが、なかなかやるもんです。

リコーのDC−2L、注文しました

 では、私もカシオを買ったでしょうか。いいえ、カシオはパスすることにしました。hillsさんは富士フィルム社製を購入したことだし、みんながみんな同じものというのは芸がありません。私が選んだのはリコーのDC−2Lです。少々値段が張るのですが、TFTモニターとフラッシュメモリ、38万画素と言うところに惹かれてしまいました。まだ本体は届いてないので、来月にはその使用感も書いてみましょう。私がどんな使い方をしようと思っているかというと、当然インターネットでの利用もありますが、仕事のメモ帳のような使用法にもなるのではと思っています。つまり、時刻表や黒板の文字など、いちいち書き写すのがめんどくさいちょっとしたデータを、写真にして写してしまえば手っ取り早いと思い始めたからです。38万画素あれば何とかなるのではと思っているのですが、さてどうなることでしょう。カシオのプリンタも、いずれは各社のデジタルカメラをサポートするか、そのアイデアを誰かが汎用品として出すか、時間の問題でしょう。楽しみにしています。お祭り小僧のホームページのhillsさんの写真館にも覗きに来て下さい。

メルコのMTCブランドって?

 最近、子供だましだとばかりパスしてきた「TECWIN」を購入するようになりました。WIN95用の新しいドライバ集だとか、フリーソフト・シェアウェアなどをたくさん入れたCD−ROMが付いているからです。久しぶりに記事を読むと、少しギャク化した調子が、4月馬鹿アスキー(10年ほど昔、エイプリルフール号という増刊をアスキーは出していた)のノリで結構楽しめました。その中の新製品情報にメルコのMTCブランドというものを見つけました。早速http://www.melcoinc.co.jp/を覗いてみると、インターネット上だけで情報を流す先進ユーザーのためのブランドと書かれていました。  『MTCは、株式会社メルコの先進的パソコンユーザの為の新しいブランドです。常に上を目指すアップグレード志向の高いユーザにその環境や素材を提供することを目的としています。従ってこのブランドの製品群は、多分に実験的な性格を持つ物を含んでおり、製品の機能、仕様を良く理解した上でお使い頂くことを前提としております。』  現在の製品は、DOS/Vでは常識的となっているマザーボード上でCPUのクロック設定や互換チップの設定ができない98シリーズでの変換ソケットだけですが、『常に上を目指すアップグレード志向の高いユーザ』向けという甘い言葉につい引き寄せられてしまいました。私のような中途半端な見栄ユーザーには、こうした甘言は聞くんですよ。「ちょっとした裏技」「ちょっとしたハード改造」、目を皿のようにして雑誌を読んでいるのは、こうした記事を見つけるためなんですね。三才ブックスの雑誌というのは、まさしくこうしたものだけを扱っているのですが、高1になった例の末っ子が最近少ない小遣いの中から「ゲームラボ」(ゲーム機のソフトとハードの改造記事やコピーマシンの話題が満載。私の愛読書のひとつでもありましたが、最近はあまり購入していなかった)を購入しているのを見つけました。「おい、こんな本、不良が読むものだぞ」と私が言うと「父がこんな危ない情報を教えたのじゃないか」と言い返してきました。彼はどうやら私の本質を見抜いているようです。だとしたら、もう少しコンピューターの本質に迫るような問いかけをしてきてくれると嬉しいのですが、現在の彼は表面的な裏情報で満足しているみたいなので少し残念です。とはいえ、メルコなどがユーザーサポートは一定以上はしない、自分で考えて使うツールと銘打って「おもちゃ」を発売してきた蛮勇に拍手を送りたくなってきました。

WIN95にメニューがいるの?

 それと反対に弱っているのは、最近の大手メーカーパソコンにインストールされている「メニューソフト」です。そりゃあ、自分のところのハードは使いやすいよ、というひとつの差別化なんでしょうが、こいつはなかなかやっかいなものなんですね。WIN95ってやつは、万人に使いやすいインターフェイスってことで売り出されたOSだったはずですが、大手パソコンメーカーにとってはこれでも難しすぎると思ったのでしょうか、それとも自分のところへの囲い込み戦略だったのでしょうか。とにかく初めてパソコンに触った友人たちが「オレのパソコンは説明書とは違う」と訊ねてくるのです。初心者向けパソコン雑誌も、新機種のパソコン評価の中に、ハード性能、添付アプリケーションと同時に「メニューソフト」まで入れています。おいおい、そんなもの評価の対象にすると素人はますます混乱してしまうんだ。

へたな節介、混乱のもと

 こんなメニューソフトは、DOS時代、アプリケーションをハードディスク上で再起動なくして有効に活用するために生み出された方便だったものが、いつの間にか市民権をとって、複数のアプリケーションを有効に活用するOSの時代になってもゾンビのように生き残っているものなのだよ。現在、本当にまだメニューソフトは必要なものなのだろうかと言えば、私は「否」と考えていますし、逆に「弊害が生じてきている」と思っています。コンベンショナルメモリーの逼迫の問題で、アプリ起動のたびに再起動しなくてはならなかったDOS時代には必須だったものとはいえ、その問題点解決のために生み出されたWindows時代においても生き残っているなんて、実際ゾンビですよ。電話で「どこそこをクリックして」なんて言っても、彼の画面はWIN95ではなく独自仕様のメニューソフトであったなら、教えようがないばかりか、混乱の度が増してきます。WIN95時代になったのだから、「スタートボタン」から素直に起動させる方が「共通のインターフェース」で話ができるのではないでしょうか。MACもそうですが、今のWIN95のインターフェースなら、ある程度使ってきたら「どこを押したらどうなる」と言った直感的な操作が可能になり、英語版のソフトでもそんなに違和感なく使え始めるはずです。それこそがWIN95が目指したものではなかったのでしょうか。それに、私に言わせたら、メニューソフト、そ使い勝手が良いものじゃありませんよ。パソコンを初めて使い始める人たちに変な誤解を生み出させない前に、大手パソコンメーカーさん、メニューソフトは廃止しましょう。

ポップ出て 娘のジョークに 頬ゆるむ 
デジカメは デバガメに似たり 妻が言う
裏ものを 好む父に 息子似る     

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