OMATSURIKOZO's talk salon


ランダムアクセス 1996年11月 連載115回

リンゴマークのないMACなんて欲しい?
ISDN取り付けて完了したら
58.0モデムが発売になった


 西の空に沈む夕日が特に美しく感じる今日この頃ですが、みなさんお元気ですか。本当に爽やかで気持ちのいい季節ですが、もう少しすれば木枯らしが吹き始めるのでしょうかね。
 私の家にも「一太郎7」のアップバージョンがやってきましたが、最近のワープロは本当に重いですね。私はOSをWIN95に代えた時、ロータスの32ビット版「ワードプロ」を使おうとしたのですが、機能的には「アミプロ」と大差を感じることもない代わり、起動、スクロール、なにをとっても重いだけの32ビットアプリケーションにあきれ果て、今も「アミプロ」を使い続けています。いくら普及版CPUに成り下がったとはいえ、ペンティアム90で快適に動かないワープロなんて、馬鹿じゃないかと思ってしまいます。でも、ATOK10は、なかなか調子がよいようで満足しています。バージョンアップ料8000円は、このATOK10の代金だと思えば十分満足です。普及版のアプリケーションは本当に安くなりましたね。

CHRPマシンが動き出すか?

 さて、今月の最初の話題は「リンゴマークの付かないマッキントッシュ」です。MAC−OSのライセンス供給が始まって1年以上になりますが、パイオニアが脱落、他のメーカーも停滞状況のまま、このままMAC−OSのライセンス戦略は破綻するのかなと思っていたら、ここにきて新しい動きが始まってきました。ひとつには、IBMとモトローラに対するMAC−OSのライセンス供与で、このライセンスはサブライセンスを認めるものであったところが鍵です。現在、IBM、インテル、モトローラといった大手は、単にパソコンメーカーあるいはチップメーカーというだけでなく、マザーボードの大手出荷元になっています。つまり、IBMとモトローラはMAC−OSを載せたパソコンを発売することができるだけでなく、マザーボードや本体をOEM供給することができるのです。昨年ノートパソコンで急激に台頭してきたアキアは、IBMのOEMでMAC互換機(ノートMAC)をこの秋投入するそうです。モトローラもこの秋発売を決定しています。台湾ではスキャナで有名なUMAXが力を入れてきています。では、こうしたライセンス供与契約だけでMAC互換機市場が簡単に立ち上がるかといえば、私もNOといいます。娘に「リンゴマークのないMACが欲しいか」と聞くと、「ATはショップブランドでもいいけど、MACはやっぱりリンゴマークよ」とあっさり蹴られてしまいました。そうなんです、MACユーザーは98ユーザーよりもプライドが高く(ATユーザーっていうやつは安くって速くさえあればいいっていうやつが多いですね)、ブランド意識が強いので、性能・価格だけでは互換機市場は立ち上がらないのです。

WindowsNT4.0が追い風

 では、なぜMAC互換機の話を私が取り上げたかというと、もうひとつの動きが立ち上がってきたからです。それはCHRP仕様のPowerPCマシンの確立です。多くのOSが載る仕様としてのCHRPはこの数年注目を集めながらも鳴かず飛ばずといった状態でしたが、どうも新しいファクターが生まれてきました。WindowsNT4.0の登場がそれです。WIN95と同じインターフェースを持ち、セキュリティ・ネットワーク関係が強化されているWindowsNT4.0の評価はなかなか高く、我々仲間内でもWIN95によってネットワーク関係に目覚めたメンバーがNTの導入を睨んでいるわけですが、これがCHRPマシンに搭載され、MAC−OSのSystem7.5も同時に走るというわけです。PowerPC搭載のNTと、X86系のチップ搭載のNTでは微妙に違うそうですが、マイクロソフトはPowerPCで走るNTにWin32エミュレーターを開発しているというニュースも聞こえてきました。これがまともに走るのなら、CHRPマシンでWindowsアプリケーションまで走るわけですから、今度のCHRPマシンの行方はおもしろくなりそうです。しかも、このCHRPマシンは今ATマシンでも注目のATX仕様になるというではありませんか。AT資産を受け継ぎながら、NT4.0とSystem7.5が動き出すマシン、少し動きが出始めるのではないでしょうか。

ダイエーのパソコンショップが誕生

 パソコン市場の拡大は爆発的でありながら、日本インコム、ICMが倒産、続いてとうとうあの「5つのNO」のステップまで倒産してしまいました。DOS/Vマシンが日本に登場してからのパソコン価格の下落は凄まじいもので、足腰の弱かった企業は軒並みアップアップの状態だそうです。上記のCHRPマシンにしても、競争がまだ始まっていない新しい世界ということで、新たな模索をしようとしている企業が参入してきているのではと思います。ハード・ソフトの会社も四苦八苦なら、流通関係の会社も青色吐息らしいです。その流通関係に、ダイエーがなぐり込みをかけてきました。秋葉原に大型パソコンショップを成功させたラオックスのメンバーを、昨年来低価格パソコンを家電のように販売し始めたダイエーが引き抜き、国内最大のパソコン販売店を作るということです。ショップブランドでDOS/Vのシェアに貢献してきた数多くのDOS/Vショップたちもどうなるのでしょうか。パソコン流通の寡占化が、私たちユーザーにとってどのようなメリットやデメリットを与えてくるのでしょう。幼い頃、家の近くで細々とおじさん・おばさんで切り盛りされていた小さな商店はだんだん無くなり、大きなスーパーマーケットばかりになってしまった現象は、パソコン世界にも普及してくるのでしょうね。それでも、我が家のあたりで、小型トラックに新鮮な魚を積んで毎日やってくるおじさんの店はけっこう流行っていたりするところを見れば、きめ細かいサービスをすることで小さな店の生き残りもあり得る、市場全体が大きくさえなりさえすれば、独自なサービスを行う店は隙間の中でけっこう活躍できるのかもしれません。店を開いたばかりのエレクパさん、頑張ってくださいよ。

56.0kbpsモデム登場

 先月号で書きましたが、我が家にもISDNが入りました。簡単接続キットを購入していたので、NTTがデジタル回線に代える日までにDSUとTAをセットしておいたところ、2000円ですみました。早速インターネットの接続をデジタル回線にしました。「速いぞー」と自慢したいところなのですが、私が接続しているHARENETもISDNブームになったようで、回線がなかなか繋がらなかったり、繋いでも快適な速度とはいえない状況になってきています。時間が込み合ってないときには本当に速いです。でも、夜にかけるとそれほどではないのです。通信インフラの整備が望まれますね。デジタル回線が混雑しているとき、元の28.8kbpsで繋ぐとこちらの方が快適なこともあったりするから、世の中なかなかのものです。  アナログ回線の速さは28.8kbpsで限界だ(これ以上の速さではエラー訂正が利かない)と半年前までは言われていたのに、このところ立て続けに高速モデムが発表されました。33.6kbpsのモデムの登場には、「うんうん、モデムもまだ進化の余地があったのか」と余裕で構えていたら、ロックウェルは28.8kbpsの倍、全二重56.0kbpsのモデムを発表してきました。ISDNでも64.0kbpsですよ。おいおい、せっかく私の家の回線を代えたばかりだというのに、これじゃロックウェルのモデムを待てばよかったのか、と呟いてしまいました。パソコンの常識というやつは、一年もたたないうちに変わってしまうのですよ。モデムにしろ、インターネットにしろ。新しい技術を取り込むとき、いつ導入するのかという問題はますます難しくなってきました。待てばそれなりに安く導入できるでしょうが、旬の楽しみが味わえない、この矛盾の中で、私はやっぱり「お先走り」に徹しようと思います。

ページスキャナ注文しました

 さて、今月もひとつ新しいハードを注文したのですが、まだ我が家にやってきません。ロジクールの「ページスキャンカラー」です。スキャナはフラットタイプのものも安くなり、今や旬の周辺機器ですが、少しへそ曲がりな私はフラットタイプでない、ページスキャンタイプのものを求めました。このタイプのスキャナはほとんどモノクロタイプで、付属ソフトに妙があります。デスクスペースが極端に少なくなるような形をしていて、FAX、コピー、OCRなどの機能をつんだもので、フラットタイプのフルカラースキャナを目指したものではないのです。写真をデジタル化するためと言うより、テキストや自分が書いた手書きの紙を簡単にスキャナして、FAXしたり、コピーしたりすると言う機能を重視したスキャナなのです。Page Wizやその他数種類、こうしたコンセプトのモノクロスキャナは発売されています。このスキャナにカラー機能を加えたのが、ロジクールの「ページスキャンカラー」です。このコンセプトに近い多機能なものにアルプス電気のスキャナプリンターがあり、私もこのMD−4000SJに心惹かれたのですが、スキャン速度が極端に遅いと言うことで購入を断念しました。私の場合、カラーでなくてもいいからさっと読めるものが欲しかったのです(実はどんなものかはっきりとは確かめていないのです)。先月の末に注文したのですが、これがまだ入荷しないのです。私が注文するものはいつもこうなので、マイナーすぎるものを注文しているのか、売れすぎるものを注文しているかのどちらかなのでしょうね。これが我が家にやってきたら、また使用感を書いてみましょう。

とうとう21インチ時代

 先月号の「PC通信」を読んでいたら、やたら21インチモニターの購入の話が目に付きました。3年ほど前、14か15インチモニターが全盛の頃、Windowsが主流になる時代には17インチモニターが当たり前になるだろうと書くと、日本の小さな家に17インチモニターは収まりきらないと言う反論を受けたものでしたが、時代は変わるものですね。大きな画面になれてしまった者は、もう小さな画面には戻れません。私の車は5年間ジェミニという小さなディーゼル車だったのですが、娘が車庫でぶつけてしまい買い換えることにしました。私はこのスニーカーのような車が好きだったのですが、子供たちも大きくなり、家族全員で乗ると狭苦しくてたまらなくなり、今度の買い換えでは少し大きな車を求めました。中古でディーゼル車で乗用車という条件ではなかなか掘り出し物が見つかりにくかったのですが、150万円で13000Kのチェイサーを見つけました。まだ新しいし、走行距離も少なく気に入ったのですが、3ナンバーのチェイサーはジェミニに比べたら倍ほどに大きく感じられました。実際、車庫に入れようとすると収まりきれません。うーん、こりゃ困った。女房は大きすぎるからやめようと言い出しましたが、いったんこれが欲しいと思いこんだ私はあきらめられません。とうとう、大きな車庫を探してきて、これに入れることにしてチェイサーを購入しました。家族で車に乗ると、「うちの車じゃないみたい」と子供たちもはしゃぎ、小さかった車もよかったけれど、大きな車は快適だと思わずにはいられません。21インチモニターってこういうものなのでしょうね。  私のモニターの1台はパソコンショップのジャンクで購入した21インチモニターなのですが、机の上にモニターとキーボードのふたつは置けないため、机の前に補助机を用意し、その上でキーボードを叩いています。でも、慣れてしまえば大きなモニターは快適です。実売15万円ほどになった飯山のモニターなど、もう一台欲しくなってきました。

マイナス票を認めさそう

 最後の話題は、パソコンの話ではなくて、選挙の話です。10月には衆議院の総選挙がありましたが、みなさん選挙に出かけましたか。この記事がでた頃には結果がでていることでしょうが、この記事を書いている時点では開票結果は分かりません。新聞などでは、無党派層の話がよくでていますが、誰を選んでも一緒だとか、誰も入れる人がいないと言った理由で選挙に消極的な人が増えてきています。私自身も、似たような主張ばかりの今回の選挙ではどうしたものかと考え込んでしまったのですが、どうしても当選してもらいたくない人というのだけはあるのですね。現在の選挙制度では、その人を落とすためには他の人が当選して、その人の席を無くすことしかできないわけです。まして、今回の小選挙区と比例区共存制度では、その地方で落とした議員が比例区で当選してしまうケースもあるわけです。どうもこの辺はおもしろくないわけですが、地方選でもいやなやつだけはいるのではないでしょうか。汚職をしていても、ある程度の数を確保できる(利権を代表していたりする)議員は当選できるわけですから、どうしても納得いきません。いや、もっと言えば、そういう選挙制度に嫌気がさして、投票率はますます低くなり、彼らは当選してしまうわけです。こうした現象に対し、良識人たちは「君たちの1票が政治を変える」というわけですが、どうも私たちの皮膚感覚の1票と投票結果の中の1票は結びついてこないのです。  そこで、私は自分の1票をもっと皮膚感覚に近いものに出来ないかと考えたのです。入れたいと思う人間がいなくても、どうしても当選させたくない人間に待ったをかけれないか。1票をある人の積極的な支援のための1票としてもいいし(現在の選挙制度はこれだけ)、どうしても当選させたくない人へのマイナス1票にも使えたらどうだろうと思いついたのです。10票のプラスに対し、5票のマイナスがあれば、5票しか入らなかったことにすると同時に、プラスとマイナスを公表させるのです。1票をプラスに使ってもいいし、マイナスに使ってもいいと決めることによって、組織票に対抗できない個人の皮膚感覚が満足できるのではないでしょうか。  選挙をもっと面白くするため、あるいは個人の1票の皮膚感覚をもっと感じられるようにするために、ちょっと思いついたことを書きました。

リンゴマークの付かないマッキントッシュなんて
メモリの値段が少し上がるよ
21インチ時代に入ったのかな

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