OMATSURIKOZO's talk salon


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1997年 2月
連載118回

MMX機能Pentium登場
新時代をつくることが出来るのか

最近の東芝、頑張るじゃないの
Libretto50にクラクラしてしまった

 今年の冬は寒くなるのかなと思っていたら、案外雪の少ない年になっています。2月に入れば雪が降るのかもしれませんが、ヨーロッパやアメリカのような大寒波にはなって欲しくないものです(hillsさん夫婦は昨年末ドイツに旅行したのですが、マイナス10度位を体験したそうです。彼らが帰国した後、ドイツはそれ以上の大寒波の大雪に見舞われたそうで、その前に帰国できてよかったよかったと話していました)。まあ、春までは部屋を暖かくしてパソコン遊びにいそしみ、暖かい季節を待ちましょう。

最近のゲームは重いんだね

 長い間パソコンゲームをするということがなかったので、この正月にはひとつゲーム三昧を味わってやれと、アードディンクの「ブリッツシュトラーセ」という中世の攻城国盗りゲームをやってみました。このゲームの推奨ハード環境というのがまた贅沢で、P5−133、メモリ24MB、4倍速CD−ROMなんて言うものですから、驚いてしまいます。おいおい、「一太郎7」を笑えないじゃないかと思っていたら、そうだ、ゲームこそハードの限界に挑戦していたんだっけと思い返すことになりました。アニメーションをふんだん使い、なかなか見せるのですが、私のハード環境では少し重いゲームでした。本当にゲームというやつは贅沢な環境を要求するものです。「シムシティ」「ロードモナーク」にはまって肩を凝らし、夜を徹したことは記憶にあるのですが、最近のゲームというやつも設定がかなり複雑で、ゲームの概要を覚えるまでに時間がかかり、やっぱり夜を徹してしまいました。一番優しいレベルでゲームをしたにもかかわらず、3日間ほどをゲームにまるっきり費やす羽目になってしまいました。ゲーム三昧の日々というのは、非生産的なのか、達成感なのか、頭は非日常から簡単に抜け出せない日が続いてしまいました。まあ、日常感からの逸脱こそがゲームの神髄と思い、正月休みを過ごしたわけです。

MMXテクノロジPentiumプロセッサ登場

 さて、インテルから1月にマルチメディアデータ処理を高速化するMMX機能が付いた新しいペンティアムプロセッサが発表されました。この「MMXテクノロジPentiumプロセッサ」は、80386の命令数を増やして新たに57個のMMX命令セットと8本のMMXレジスタを追加する拡張80386で、ビデオやオーディオの再生などのマルチメディアデータ処理速度を向上させるというものです。また、内部キャッシュの32KBへの増量、Pentium Proプロセッサと同様の分岐予測技術の採用などで基本性能も向上したということで、同社の資料によれば、同一クロックの従来のPentiumプロセッサと比較して、従来アプリケーションで10〜20%、MMXテクノロジ対応アプリケーションであれば60%以上の性能向上が可能ということです。昨年末には秋葉原にβ品が流れたという話もありましたが、とりあえず今年はこのMMX付きのペンティアムがパソコンの主流となってくることでしょう。大手のパソコン会社からはこのCPUを積んだパソコンの発表が目白押しとなっています。また、ローランドは、MMXテクノロジに対応したソフトウェア・シンセサイザー「VSC-88M」を発売するそうです。「VSC-88M」は、MMXテクノロジの採用で同社のDTM音源「SC-88」と同等の546音源、TVF搭載をソフトウェアで実現したシンセサイザーで、専用MIDI音源を用意しなくても、パソコンでMIDIデータの再生ができるそうですし、普通のPentiumでも166MHz以上であれば、サンプリング周波数を22.05KHzに切り替えることでMIDIデータ再生ができるということですが、対応ソフトが出てきていることが興味深いことです。セガもMMX対応のゲームを早々と投入してきました。一部ではこの拡張命令が浮動小数点命令とラップしているためあまりパフォーマンスがあがらない、よって普及はしないなどと言っていますが、このチップの普及は案外早いかもしれません。

東芝、頑張る

 東芝がまたまた超小型ノートパソコンLibrettoシリーズの新機種「Libretto 50」を発売してきました。やるじゃないですか。今回の仕様は凄い。Pentium 75MHzを搭載し、6.1インチTFTカラー液晶ディスプレイ(640×480ドット、1677万色表示)、810MBのHDD、そのうえサウンド出力機能まで装備して、実売価格が20万円を切っています。あの小さい筐体の中には発熱量の大きいPentiumは載せられないと思っていたら、 基板全体を放熱板として使う新しい放熱方式を開発したそうですから、東芝のノートパソコンの技術力は日本IBMを抜いたのかもしれません。Libretto20の発売から矢継ぎ早に投入される新機種に、いち早く買い込んだユーザーはガッカリ来ているのかもしれませんが、これだけ魅力のある機種を次々に発表してくる東芝にエールを送っておこう。Pentium 75MHzを搭載したということは、もう上位機種の計画が着々と進んでいると言うことで、夏までにはPentium 100MH搭載の機種が発表されるのではないでしょうか。ウルトラマンPCの改造を行って、WIN95化を押し進めたわけですが、20万円を切るこの「Libretto 50」の魅力にくらくらして、女房より若い女に目がいってしまう中年男のサガが分かったような気がします。
 今年の春あたりには発売される日本語版「Windows CE」マシンと「ザウルス」の一騎打ちに、価格帯は異なるもののこの「Libretto 50」が割り込んでくる可能性は高いことでしょう。198000円「Dyna Book」の再来よ、今度こそ飛びたて!

もうバージョンアップ?「一太郎」

 遅れに遅れて発売された「一太郎7」だったわけですが、この新バージョン「一太郎8」が2月には発売されるそうです。ほんとかいなと一瞬思ったのは私だけではないでしょう。「ATOK11」も搭載しているそうで、マイクロソフトの攻撃に対する迎撃バージョンと言うことになるのでしょうが、その完成度はいかがなものでしょうか。「一太郎7」で約束されたことは、将来技術はコンポーネントで提供されると言うことであったのですが、問題は「一太郎7」との互換性がかなり損なわれているそうです。鳴り物入りで登場したコンポーネント技術は互換性に嘘があったとも言えるでしょう。まあ、これだけマイクロソフトにコケにされている日本のソフト会社の中にあって、唯一頑張っているジャストシステムの頑張りに敬意を表して、新製品の完成度を期待しておきましょう。

ガリバー時代の終焉

 ソフトの話と言えば、「ドラクエ」の新作はプレイステーションで出されることになったそうです。昨年「ファイナルファンタジー」もプレイステーションになるという発表があったわけですが、任天堂にとってみれば「エニックス、おまえもか!!」と叫んだに違いありません。パソコンガリバーNEC、ゲーム機ガリバー任天堂、この両者が圧倒的であった時代、現在の状況は想像できたでしょうか。やっぱり矢継ぎ早に新機軸を投入し続けなければ王者の位置から放逐されると言う現実、平家物語の栄枯盛衰を感じさせてくれます。Nintendo64のハードもなかなかのものなのでしょうが、いかんせんハードの発売台数がプレイステーションの1/4程度なので、ゲーム開発会社はそこに移っていくという循環が始まったようです。ファミコン、スーファミで作り上げた任天堂の好循環がここに来てソニーに移ってきたようです。これは、ソフト会社を自社の枠組みに封じ込み利益を自社に一手に取り込んできた任天堂の方針が、ハードに影が差してきたとき一気に表れたようです。パソコン世界だけでなく、ゲーム世界も1強多弱という時代から、戦国時代になったようです。ウインテルWintelの強運もどこまで続くのでしょうかね。

ジョブズ、ふるさとに

 混乱が続いていたアップルですが、あのジョブスがNEXTSTEPをひっさげて古巣に帰ってきました。彼のアップルユーザーにおけるカリスマ性はまだまだ衰えてなく、MACWORLD Expoにおいてのスピーチでは盛大な拍手で迎えられたそうです。しかし、問題は彼がいたアップル時代とは訳が違うのです。パソコン世界の広がりは当時の100倍に至り、彼のカリスマ性がどこまで通じることやらというのが私の感想です。確かに彼が持つ先見性というか、直感力というのは素晴らしいものがあるでしょうが、ここまでシェアが限定されてしまったMACはもはや一般的にパソコンとしてのシェアは限定されたものとなってしまうでしょう。Wintelに支配されてしまっているパソコン世界の中で、まだまだアップルの存在価値は高いのです。ただ、これがパソコンユーザーのためばかりではなく、商売敵のマイクロソフトさえ独禁法違反に問われないためにMAC用のソフトを書くプロジェクトチームを充実させたりしているところをみれば、現在のアップルの状況は中立地帯のような気がしてなりません。帰ってきたジョブスは開発途中で挫折したMacOS8.0の新作としてRhapsodyを作ると言明していますが、どんなものになるのでしょうか。先般紹介したBeBOXのBeOSも新しいMacOS8.0という噂もありましたが、MACから新しい技術が登場することは嬉しいことです。がんばれ、ジョブス!!

CD−Rは今注目のハード

 CD−Rの値段が急激に落ちてきました。ランドコンピュータ社のLCDR-200JBなんてキャンペーン期間中の価格として5.9万円ですよ。CD−Rの黎明期に発売されていたものは、1枚を丸ごと焼き付けるタイプのハード・ソフトでしたが、現在では追記型パケットライトが主流を占めるようになり、ある種にPDと同じような用途に用いられ始めています。このCD−Rの新技術としてCD−RW(CD−RAM、書き込みが出来るCD−ROMという感じかな)という規格も登場し、CD−Rの世界はオタクたちのものから一般ユーザーのものへと広がってきています。各種の外部記憶装置はそれぞれのメディア機器を互いに共有していないと相互互換がないという欠点を持っていましたが、CD−ROMは現在のほとんどのパソコンにはフロッピーディスクと共に装備されています。つまり、CD−Rで作ったメディアはどんなパソコンでも読めるというのは凄いことで、他の大容量メディアでは考えられないことで、汎用性・記録保持性という点ではピカイチです。ところがここに来て、DVD−ROM、DVD−RAMの登場です。このDVD規格は、CD−ROMの640MB容量の比ではなく、4.5GBの容量を持つこともでき、将来は絶対これが主流となることは自明です。そうしたときにも関わらず、現在やっぱりCD−Rが注目なのは、DVD普及までの過渡期とは言えここまで大容量のメディアが扱えて、汎用性があるという点なのです。ただ、これらすべてのメディアとメディア機器の間に、レーザーの違いがあって互換性が失われてしまうかもしれないと言う情報があったわけですが、その混乱はどうも解消するらしいです。CD−Rで書かれたメディアはCD−ROMでは読めるがDVD−ROMでは読めなかったのですが、ソニーから読めるハードが登場しました。CD−RW機器では、CD−ROMメディアとCD−RWメディアが扱え、このCD−RWメディアは現在普及しているCD−ROMでは読めないが今後の新タイプCD−ROMでは読むことが出来る(CD−ROMメディアに書き込めば現在のCD−ROMで読むことが出来る)。ソニーから登場したDVD−ROMは、CD−ROM、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAMすべてのメディアを読むことが出来る。レーザー光線の種類で互換性が保たれなくなるかもしれないといった危惧に対し、メーカーは普及する前に解決の道を提示してきました。DVD−ROM時代になったら、OPCが提供するスケベCD−ROM(CD−R書き込み)は読めなくなってしまうかもしれないと言う不安はもうなくなりました。いや、安心、安心。CD−Rはお買い得な外部記憶装置になってきましたよ。

うん、最近は何か物足りない

 最近私の周りでは新しいパソコンを購入したという話を聞かない。もちろん私の友人たちの多くは自作派であるので、シコシコとしたバージョンアップは重ねているようですが、大幅な改造とかグレードアップとかというものには縁がないようです。パソコンを持っていなかった一般的な友人は、パソコンを買うにはどんなのがいいという話を持ってくるけれど、パソコン先進派のメンバーではパソコン購入の話題は停滞したままなのです。私のメインマシンは、例のマハーポーシャ製バグ付きPentiumマシンで、改造も十分施されてP5-90 64MBRAM 2GBHDD 4*CD-ROMですが、現在のところ使用に差し支えない状態です。これはWIN95のパフォーマンスがこうしたマシンでもそこそこに実用的であると言うことを証明している訳なのですが、どうも手持ちぶさたのような感覚にさいなまされています。そこで昨年から今年にかけて小物買いに勤しんでいます。どうも小物時代(周辺機器時代)時代に停滞といった感じです。西川和久氏がインプレスのホームページの「西川和久、後藤弘茂の新春放談」で語っていた「結局、いま売ってるパソコンって、ハードもそこそこの性能を持っていて、特に拡張の必要もないし、ソフトもテンコ盛りで使いこなせないほど載ってくるわけでしょう。メモリさえ追加してしまえば、ビギナーだけじゃなくて、ヘビーな用途でもよほどのことがない限り拡張の必要がなくなっちゃってるわけですよ。使える人にとっては、そのまま使えるツールになっちゃったんで、もう凝る必要がないんですね。だから、デジカメとか、プリンタとか周辺機器の話題と、ソフトウェアも大きい製品のバージョンアップしか話題にならなくなってきちゃってるし、今年もその傾向は変わらないとおもう」というのがパソコン世界の現状を端的に言い表していると思います。新しいハードに手を出したいという熱望がありながら、なぜか踏み切れないというのは、結局新機軸が登場してきていないからなのでしょうね。パソコン世界の指向性が拡散してしまい、なにを追いかけたらいいのか分からなくなっているこのごろ、98の新機種さえ追っかけていれば最先端と言えた時代が懐かしく思えています。

小物買いが高じて、「Libretto 50」を注文してしまい
ました。175000円でした。来月にはまたそのお話を。

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