OMATSURIKOZO's talk salon


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1997年 4月
連載120回

「通信」でモバイル環境
今年は花開いてしまう?

Libretto50の拡張は
思いの外(?)金がかかる

 桜の季節になってきました。会社まで通う道ばたの草木や土手の草もすっかり色づいてきました。新入学、進級、新社会人と、フレッシュな気分にあふれる時期ですが、皆さんお元気ですか。最近新しい大物を買い込んでいない私は、フレッシュな気分とはなかなか行きませんが、Librettoのモパイル環境を少しずつ楽しんでいます。

ウルトラ兄弟はどこへに行く
モバイルパソコン、疾る!!


 Librettoのモパイル環境で話を始めたわけですから、今月の話題はモパイルの現状について話してみましょう。私の近くの友人たち、最近の話題はモパイル環境一色といった感じです。あのウルトラ兄弟、一人は「チャンドラー」を購入し、一人は周辺機器を買いあさり、私はLibrettoに走り、と色々変遷をしていますが、「いつでもどこでもパソコン」という遊び心で共にモパイル環境の構築に勤しんでいます。私が初代ダイナブックを購入したとき、「持ち運べるパソコンが出来た」と感動したものでしたが、あれからもう何年が経ってしまったことでしょう。その後ノートパソコンの性能は飛躍的に発達してきましたが、その方向性は大きく変わってきました。当初、ノートパソコンは「持ち運べるパソコン」というコンセプトが前面に押し出されていましたが、そのうちに「デスクトップに代わる省スペースパソコン」というコンセプトが生まれ、この2方向に分化し、発達してきたと言えるでしょう。近年のノートパソコンの主流は重装備の「デスクトップに代わる省スペースパソコン」となってきています。しかし、TP220で火がついた「いつでもどこでもパソコン」というコンセプトは、好き者たちの間で密かに受け継がれ、LX100、ウルトラマン、Pilot、Libretto、チャンドラー等々に脈々と息づいてきています。こうしたモパイルパソコンの環境は、それぞれの先駆者たちの努力のおかげで少しずつ一般化されてきていましたが、どうも今年はこのモパイル状況が一気に花開くのではないかと思っています。
 NECは98HAの失敗からこのモパイルパソコンに消極的でしたが、DOS汎用を隠し持ったモバイルギアのヒットで、Libretto対抗の98を画策しているとか、WindowsCEパソコンの動きがどうなるのかと言った、ハード面の「小さなパソコン」が話題をさらってきています。当然この分野では「小さいパソコン」より圧倒的シェアを獲得しているシャープザウルスのようなPDA(Personal Digital Assistant)が控えています。PDAとミニノート、あるいはサブノートはどこに違いがあるかと言えば、それ自体で完結しているシステムをPDA、パソコン環境の縮小版を実現しているのがノートと言うことになるのでしょうかね。そこで、パソコンマニアには「小さいパソコン」に魅力的なのです。この小さなパソコンにPCMCIAのPCカードをいろいろ付けて拡張するのが楽しみなのです。

いつでもどこでもサルでも通信
PHS高速通信(32Kbps,PIAFS)


 PDAにしろ、ノートにしろ、スタンドアロンで使っていたモパイル環境は、どうも「通信」がキーワードとなってブレークしていきそうです。まだまだNTT通信費が高いので、貧乏性の私などは通信時間を気にしてしまうわけですが、街角にはグレー電話機がどんどん増えてきて、至る所からパソコン通信、インターネットに繋ぐことが出来るようになってきました(あのグレ電、なかなか面白い機能が付いているのですね。フリー電話なんかはコインやカードを入れなくても通じるし、受話器を置かなくてもリセットして次のところにかけられるとか、機械好きの人には楽しいおもちゃですよ)。また、世はPHSと携帯電話の普及でそれこそ「いつでもどこでもサルでも電話」という、ハチャメチャな時代になってきたものですから、こいつを使って「いつでもどこでもインターネット」がうたい文句の時代になってきたようです。ザウルスやモパイルパソコンからもグレ電やPHSを使って通信が出来るのですが、そんな面倒な接続なんかしないでPHSそのものにPDAを付けてしまえとばかりの商品が松下、東芝から発売されてきました。通常のPHSよりは倍ほどの大きさとなっていますが、接続不要でそのまま「通信」が出来る気軽さは興味深いものがあります。京セラからはカードタイプのPHSが発売されています。これもIBMのチップカード並みの大きさで、液晶では簡単なPDA機能もサポートされています。NTT中央パーソナルも「PIAFS」対応のPHSと、PCMCIA TYPE2の通信用カードを発売します。もはや出先から電話と言うだけではなく、出先から通信でもFAXでも常識と言うことになりかねません。これらが登場してきた背景には、PHS高速通信(32kbpsPIAFS)がこの4月からサポートされることになったからでしょう。もともとPHSはデジタルでやりとりするわけですから高速通信に向いていたのですが、今まではその性能が発揮されなかったわけです。こうした通信インフラは、企業側がサービスを提供するというものの、ユーザーである我々のニーズが反映されているわけで、このサービスがまたまた新しい広がりを見せるかもしれません。PHSや携帯電話の普及は、便利な時代になったものだと思う反面、あまりに急激な普及によって様々な軋轢も呼んでいます。社会的なルールが確立できないままに氾濫する技術というのは、その反動が必ず出てくるでしょうが、もはや駕籠や馬や足で移動する社会に戻れないように、その技術進歩に見合った社会的なルールが作られていくことでしょう。たった数年前には女子高校生までが携帯電話(PHS)をもって、街角で電話する風景を想像した人が何人いたことでしょう。今や試験場の注意に「携帯とたまごっちの電源を切ること」というほどまでに氾濫した通信環境は、通信事業会社の再編成までを引き起こし、数年先の通信インフラの姿はどこまで行っていることでしょう。普及型のテレビ電話もリアリティのあるものになっていることでしょうね。

CMOS高画素数デジタルカメラ


 最近の周辺機器といえば、デジタルカメラの発売ラッシュには唖然とさせられてしまいます。今年のはじめまでは各製品のざっとしたスペックや特徴を把握していたのですが、今ではなにがなんだか分からなくなってしまいました。ところが最近元気いっぱいの東芝から、デジカメの心臓であるCCDに代わるイメージセンサーが発表されました。130画素のCMOS型イメージセンサで、3.3Vの単一電源で動作しSXGA対応の1,318×1,030画素が非常に廉価に提供できるそうです。CMOS型イメージセンサーは、初期のビデオカメラの目としても使われたそうですが、画質が悪いと言うことでCCDに取って代わられていたそうです。しかし、通常デジカメに使われているCCDと比べて消費電力が1/10と小さいという特徴があり、一般にCCDより劣るといわれていた画質が東芝製では相当改善されたと言うことです。このCMOSは、LSIメモリーなど普通のCMOSと同じ工程で作成できるので大量生産ができるというメリットがあるため、高画素数の普及型デジカメが発売される日も近いかもしれません。

大容量メディアは当分CD−Rだ


 昨年の暮れの発売されたDVDで少し影が薄くなるかと思われたCD−ROMですが、ここにきてまたまた面白くなってきました。先日、仕事先の若い人が「大容量メディアが欲しいのですが、何がいいでしょう」と聞いてきました。「どんな目的で使うのかによって異なるが、640MBクラス以上というのなら、PDやMOではなくて断然CD−Rである」と答えました。その要点は最近のどんなパソコンにもCD−ROMは付いていて、どこでも再生ができると言うことにあります。この話は数ヶ月前にも書きましたが、普及型のCD−R(追記型サポート、2倍速書き込み)が実売価格が6〜7万円となり、その上噂のCD−RW(1000回まで書き換えができるCD−ROM)も7万円位で発売されるそうです。このCD−RWのメディアは現在のCD−Rメディアとは別のもので、このメディアは従来のCD−ROMでは読むことはできませんが、CD−RWでは従来のCD−Rの書き込みもできるため、将来を見越してこれを購入するのもいいかもしれないと思います。とはいえ、実売価格がだんだん接近してくる大容量メディアはどれを選ぶのか迷っている人もいるでしょうが、私は断然CD−R(何ならCD−RW)を推薦します。

高速CD−ROMの新規格SDX


 このCD−ROM、ハードディスクのウエスタン・デジタルから新しい規格が提唱されました。SDXという規格で、エンハンストIDEインターフェースに「SDX対応ハードディスク」をつなぎ、その下に「SDX対応CD−ROM」を接続する方式で、速度の遅いCD−ROMのキャッシュ領域をハードディスク内に設け、CD−ROMの読み込みを早くするというものです。同様の原理を利用して「超速95」といったソフトが発売されていますが、SDX対応のHDDとCD−ROMを付ければ特殊ソフトがなくても低倍速CD−ROMが高速化できるというものです。問題は、この規格がウエスタン・デジタルという1会社が提唱したもので、他のHDDメーカーが賛同していないという点です。コスト的には高くならないというこの規格ですが、従来製品の延長上の規格ではなく、エンハンストIDEインターフェース以外は別製品となるという欠点があります。ウエスタン・デジタルが高速で従来製品と変わらない低価格のHDDを量産して、これが普及すればCD−ROM製造会社は付いてくるでしょうし、他のHDDも引きずられるようになだれ込むことでしょう。大容量化したE−IDE規格のHDDと同様、案外急速に普及してくるかもしれません。私の次のパソコンには採用してみようかなと考えています。

SCSI対応LS−120、少しガックリ


 フロッピーディスクの大容量版であるLS−120(アイオーデータ、SCSI)、購入しました。従来のメディアである2DD、2HDともに読み書きできて、120MBの新しいメディアにアクセスできました。1.44MBばかりでなく、1.25MBさえも機種によってはアクセスできると言うことですが、私は試していません。機能としては満足したのですが、問題は「重い」のです。この装置をLibretto 50のモバイル用にと思っていた私は当てが外れてしまいました。この重さでは持ち運びはかないません。同じ装置でカード付きの松下製の重さがどうなっているのか興味があるのですが、これでは家の中で使うしかないようです。もう一つの誤算は、Libretto 50に取り付けてもAドライブとしては認識してくれないのです。これはSCSI対応ですから当然だったのでしょうが、Aドライブとして認識してくれないのなら、バックアップファイルは作れません。うーん、何10枚ものFDDをバックアップなんてかったるいし、どうしようかと思っていたら、ゲーセン信ちゃんが自分が購入していたFDDを安く譲ってくれました。でも、やっぱりバックアップは面倒なので、必要なら1万円のバックアップCD−ROMを購入すればいいと開き直っています。

懲りない私


 ここまでなんだかんだと接続し始めたら弾みがついてしまいます。LS−120で懲りればいいのでしょうが、逆に火がついてしまいました。先般、休みの日に女房と二人でテレビを見ていたら、テレビショッピングのコーナーがあり、いや、いろんなツールがあるものです、ついあれも欲しいこれも欲しいと叫んでいたら、一つだけ注文しても言いといわれ、注文してしまいました。届いた商品をテレビでやっていたとおりに使おうと思ったら、これがなかなかうまくいかないのです。「だから、私の言ったとおりでしょ」と女房に言われてしまいましたが、テレビショッピングのジェスチャーは秋葉原駅前の寅さんたち(ここの一人はテレビ出演で非常に人気者になったそうです)と同じでうまいんです。実演というやつに私は弱いんですね。ということでそれに懲りたかというと、その商品はそのままにして、やっぱり夢を感じさせるジェスチャー付きの商品に見入っているのです。
 Libretto 50には16MBがついていますし、一応拡張用のアダプターもあるのですが、火がついて勢いで、I/O拡張ボードと16MBメモリーも注文してしまいました。17.5万円で買ったときには、発売直後でこの価格で購入できたと自慢していた私ですが、どうもドツボにはまったようで、本体がもう一台買えるのではという金をつぎ込もうとしているようです。そういえば、昔から周辺機器には金がかかったなぁ。
 ニフティの携帯用ツールのフォーラムではLibretto 50の改造話が出ていました。75MHzで作動しているCPUを133MHz位にクロックアップするというものです。どうももともとLibretto 50に入っているCPUはその位のクロックには対応可能なものだそうですが、バッテリー時間だとか、発熱とかで問題がないクロックで留めているようです。この危険な遊びに挑戦しようとすぐに思い立ったものの、よく考えたらどこに今のLibretto 50、不満があるかと考え直してしまいました。一番の問題はそれこそバッテリーの時間であり、レジュームの問題であって、クロックアップではないと気づき、少し頭を冷静にしようと思っているところです。でも、市販品に手を加えて自分だけの仕様にする誘惑は捨てがたいものです。

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