Librettoのモパイル環境で話を始めたわけですから、今月の話題はモパイルの現状について話してみましょう。私の近くの友人たち、最近の話題はモパイル環境一色といった感じです。あのウルトラ兄弟、一人は「チャンドラー」を購入し、一人は周辺機器を買いあさり、私はLibrettoに走り、と色々変遷をしていますが、「いつでもどこでもパソコン」という遊び心で共にモパイル環境の構築に勤しんでいます。私が初代ダイナブックを購入したとき、「持ち運べるパソコンが出来た」と感動したものでしたが、あれからもう何年が経ってしまったことでしょう。その後ノートパソコンの性能は飛躍的に発達してきましたが、その方向性は大きく変わってきました。当初、ノートパソコンは「持ち運べるパソコン」というコンセプトが前面に押し出されていましたが、そのうちに「デスクトップに代わる省スペースパソコン」というコンセプトが生まれ、この2方向に分化し、発達してきたと言えるでしょう。近年のノートパソコンの主流は重装備の「デスクトップに代わる省スペースパソコン」となってきています。しかし、TP220で火がついた「いつでもどこでもパソコン」というコンセプトは、好き者たちの間で密かに受け継がれ、LX100、ウルトラマン、Pilot、Libretto、チャンドラー等々に脈々と息づいてきています。こうしたモパイルパソコンの環境は、それぞれの先駆者たちの努力のおかげで少しずつ一般化されてきていましたが、どうも今年はこのモパイル状況が一気に花開くのではないかと思っています。
NECは98HAの失敗からこのモパイルパソコンに消極的でしたが、DOS汎用を隠し持ったモバイルギアのヒットで、Libretto対抗の98を画策しているとか、WindowsCEパソコンの動きがどうなるのかと言った、ハード面の「小さなパソコン」が話題をさらってきています。当然この分野では「小さいパソコン」より圧倒的シェアを獲得しているシャープザウルスのようなPDA(Personal Digital Assistant)が控えています。PDAとミニノート、あるいはサブノートはどこに違いがあるかと言えば、それ自体で完結しているシステムをPDA、パソコン環境の縮小版を実現しているのがノートと言うことになるのでしょうかね。そこで、パソコンマニアには「小さいパソコン」に魅力的なのです。この小さなパソコンにPCMCIAのPCカードをいろいろ付けて拡張するのが楽しみなのです。