OMATSURIKOZO HOMEPAGE RANDOM ACCSESS 1998-02
OMATSURIKOZO's talk salon


ランダムアクセス
1998年  2月
連載130回

98パソコントレンドの行方
どこまで着いていけるやら..

Socket7で遊ぼう
自作派の真骨頂、ここにあり


 暖かい、暖かいと思っていたら、関東地方では急な大雪に見舞われると言うこともあり、やっぱり冬は冬なんですね。2月は一番寒さの厳しい月でもありますから、香港性インフルエンザなどにかからないよう、気を付けて暮らしましょう。春はすぐそこまでやって来ています。しかし、日本経済やアジア経済の春はいつ来るのでしょう。

98パソコントレンドの行方


 さて、今月はどんな話題にするかなと思っていたら、局長から賀状に「97の総括、98の展望」を書くようにと言う指令を頂きました。うーん、10年ほど昔なら1年ごとのくくり方もあっただろうけど、今のパソコン世界、数ヶ月単位で変遷しているので1年という単位にはもはやなじめないものを感じてしまうのです。まあ、その辺のところを含めながら、今月は「98のパソコントレンド」と言ったところで書き進めていきましょう。

ベースクロック100MHz時代


 まずはパソコン本体についてから。昨年の年末あたりではCPU戦争についての話題をよく書きましたが、今年もこの戦争の更なる拡大が予想されます。一番の話題は、マザーボードのベースクロック100MHz時代が新しいCPU戦争の土台となるでしょう。新技術の展開について書く前に、現在のパソコンハードの現状をおさらいしておきましょう。
 マザーボードを構成している大きな要素に、CPUソケットの形状とPCIチップセットがあります。現在一番普及しているCPUソケットはSocket 7と言われている形状で、MMX Pentiumから最新互換CPUまでほとんどこのソケットに対応しています。新しいソケットとしてはPentiumII対応のSlot 1があります。このSlot 1にはインテルがガチガチの特許で固めているため互換CPUメーカー達はSlot 1対応のCPUが作れません。そこで、Socket 7で高性能を発揮できるCPUが開発されてきています。最近低価格パソコンと話題になっている1000ドルPCや富士通・日本IBMの20万円を切るパソコンのCPUは、サイリックスやAMDのMMX Pentium互換のCPUが採用されていて、低価格でしかも高性能という評価を受けています。インテルはこうした互換チップメーカーの追撃をかわそうと、Socket 7切り捨て・Pentium切り捨て路線を押し進めています。98年中にはSlot 1を必要とするPentiumIIを普及価格帯のパソコンにまで押し広げようと考えているようです。
 インテルはこの戦略を推し進めるために、新しいグラフィックカード規格であるAGPバスをSlot 1だけに対応するようにPCIチップ440LXを開発しました。互換チップメーカーも負けてはいません。Socket 7でもAGPのみならず、最新の機能であるSDRAM・UltraDMA等をサポートするPCIチップを登場させ、この延命をはかってきています。サイリックス、AMDの2社以外にもWinChip C6という新しい互換CPUが登場してきました。
 かって、IBMが互換機メーカーを追い落とすために特許で固めた32ビットバスであるマイクロチャンネルを登場させたとき、互換機メーカーは結束してEISAを対抗させましたが、結論はどちらのバスも標準となることなくVL・PCIへと移行してきました。

Socket7はどこまで頑張れるのか


 さて、この2つのCPUソケットには同様のネックがあります。それが、ベースクロック66MHzです。CPUとメモリのやり取り、CPUとバスに接続されるものとのやり取りは全てベースクロックに制限されます。確かにCPU速度は非常に高速になってきていますが(386時代の最高クロックは33MHzですよ)、これはCPU倍速技術が486時代に確立され、現在の200MHzPentiumはベースクロック66MHz*3というCPU内部の演算速度だけを高めたもので、ベースクロックは未だに66MHzが基本となっています。特殊なマザーボードでは75や83MHzが設定できますが、これはメーカー保証外です(多くの自作高速マシンというのは、このベースクロックの高速設定とCPUの規格外倍速設定で行っているのです。私の若い友人もMMX Pentium200をベース75MHz*3=266MHzで動かせたと喜んでいました)。このベースクロックさえ高速化できればSocket 7もまだ延命する事が出来ます。インテルもこのあたりは十分承知していて、Slot 1あるいはこれをもう少し機能アップさせたSlot 2で100MHz化を設定しようとしています。AMDは、互換メーカー達に呼びかけてSocket 7の100MHz化と新たなMMX命令をもってインテルの牙城に対抗しようとしています。この1月にはALi AladdinVというSocket 7の100MHzチップセットが登場しました。噂に寄れば、このチップセットを搭載したマザーボードでは、MMX Pentium 166MHz(SL27Hロット)を使ったテストで、100MHz×2=200MHz、100MHz×2.5=250MHzが問題なく作動したと言うことです。
 インテルと互換CPUメーカーとの戦いは、単なる互換CPUというだけでなく、マザーボードまでを巻き込んだものとなってきました。パソコンを自作しようとしている人たちにとっては、この宗教戦争化し始めたCPU戦争でどちらに着くのでしょうかね。私としては、ここ当面Socket 7派に声援を送りたいと思っています(私のDELL266はSlot 1です)。
 でも、私の個人的な考えではWindows95を走らせるのにはMMX Pentium 166MHzで充分だとは思うんですけどね..。

USBはパソコントレンドだ


 もうひとつ、パソコン本体について言えば、新しいシリアルバスであるUSBの存在があります。まだこの規格に準ずる周辺機器も少なく、これをサポートするOSもWindows98を待たなくてはならないのですが(Windows95のOSR2以降ならOK)、今年は本格的に普及してきそうです。USBに接続できる周辺機器は数珠繋ぎに繋ぐことが出来、電源を入れたままで脱着できるホットプラグ機能はセットアップを非常に簡単にしてくれます。私の友人達の間で、98NXはISAを切り捨てたが、ISAはまだまだ貴重なバスであるという説を唱える人がいます。私も16ビットバスであるISAを性急に切り捨てる必要はないとは思いますが、USBの普及はISAの生命力を限りなく減退させていくのではないかと思っています。ノートパソコンにおいてPCMCIAカードが電源を入れたまま脱着できると言うことで非常に普及してきましたが、USBについても同じことが言えるのではないでしょうか。このポートはデスクトップマシンのみならず、ノートパソコンにも有効なポートで、今話題のソニーのVAIOにも装備されている。今後いろんな周辺機器が登場してくることを期待しているのですが、ひとつ不安になっているのは、こうした「初心者にも簡単」という機器の普及がISAの怪しいアイテムを潰していくのではないかという点です。これも時代の流れなのかもしれませんね。

3Dビデオカードの本格化


 ビデオカードで言えば、PCIのちょっとした2MBアクセラレーターボードが1万円を切るようになって久しいですが、今年は本格的な3D時代となりそうです。2年以上前、3D時代の幕開けといわれたビデオカードを5万円近く出して購入したものの、結局本格的な3Dソフトが登場しない前に新チップに幕を下ろされてしまいました。昨年末から脚光を浴びている新しい3Dチップ群(RIVA128等)はPCIばかりではなく、AGPカードとしても登場し、Direct5XからDirect6XへとWindows仕様が固まることによって花開いていくのではないでしょうか。しかし、ビデオカードは本当に安くなりましたね。嬉しくなってきます。

モバイルが導く新ノートパソコン時代


 昨年は久しぶりにパソコンの出荷台数が前年を下回ったと言うことですが、その中でノートパソコンは健闘しているそうです。ノートパソコンは、机の狭い日本のオフィスにぴったりと言うこともあるのでしょうが、現在のノートパソコンの動向はオールインワンを目指したデスクトップに変わるものとしての方が多く注目を集めていました。ところが昨年あたりから「モバイル」という新しい流れの中に携帯に特化して製品が生まれ始めました。私が昨年の初めに購入したLibrettoもそうですが、各社が独自のユニークな魅力を感じさせる製品を生みだしてきました。年末にはソニーからもVAIOというスタイルも決め卯も魅力的な商品が発表されました。デスクトップマシンもブラックスタイルとか、ホームパソコンというユニークなものが発表されましたが、どうもまだ奇をてらっているだけという感がありました。しかし、ノートパソコンというジャンルは各社のパソコンに対する姿勢というものと技術力を見せてくれるように思います。
 「ゲーセン信ちゃん」も「モバイル信ちゃん」に名前替えするほどにモバイル環境というのはパソコンの新しい活用形態を実感させてくれるものです。各社変わり映えのしないオールインタイプのビジネスノートパソコンはさておき、きっと今年もユーザーがあっと言うコンセプトを持った形態パソコンが登場してくるだろうと思います。しかし、未だに特売商品としてTP110が店頭に並んでいるのはどうしてなんでしょうね。生産中止になってからもう数年経ってるのではないでしょうか?不思議です。

デスクトップも液晶時代


 ノートパソコンでは液晶、しかも現在では全てのパソコンがカラー液晶となってしまった時代。とうとうデスクトップも液晶が並び出しました。ノートパソコンに搭載される大きさとしては最大14インチでしょうが、デスクトップのブラウン管に変わるサイズとしてはますます大型化してくるでしょう。しかし、私はどうもこの液晶というのが好きになれないのです。値段がブラウン管よりも高いと言うことより、明るいところでは見にくいという点が嫌いなのです。雑誌等では数年先にはブラウン管の出荷台数を上回るのではと予測されています。確かにノートパソコンの数を入れればそうなるのでしょうが、本当にブラウン管が液晶にとって代わられるのでしょうか。高度の問題もかなり克服されてきていますから、数年後にはブラウン管以上の見やすさが確保されるのかもしれません。そうなったときには私も自宅のパソコンにカラー液晶を考えるかもしれませんが、この件に関しては私は保守的なのでしょう。

どんどんカラー化が進んでくる


 昨年は「カラー化」が吹き荒れました。デジカメとカラープリンタがそれです。10年ほど昔には「色」が着いたと言うことだけでうれしがっていたのが、現在のレベルは「写真」と同質のクオリティと言うことが求められるようになり、しかもそれが「ほんのちょっとした金額」で購入できるようになったのです。全く驚きとしか言いようがありません。現在、カラープリンタはまだまだ出力に時間がかかりますが、カラーコピーの価格がどんどん下がってきている現在、カラーレーザープリンターも射程圏内に入り始めているように思います。私の家では普通に出力するのはモノクロのレーザープリンタ、デジカメの出力にはカラープリンタと2台のプリンタがあります。でも、カラープリンタの出力時間は速くはなったとはいえまだまだ遅いので、あまり活用することがありません。出きると言うことと活用すると言うことの乖離を感じてしまいます。

ありゃ、私も年取ったか?


 そういえば、このところ「衝動買い」をしなくなったのは、この出来ると活用するの乖離を頭の中で計算し始めたからなのでしょう。たとえば先日店頭でISDNカードが9800円で売られていました。私のモデムカードは今だ28800ボーですから、モバイル環境でのインターネット接続にはぴったり、しかも「見栄」がはれると手にしたわけです。ところが、現在まで公衆電話からインターネットにどのくらい接続したことがあるのかと考えたとき、通算で数えても数時間止まりです。この位の接続時間が多少短くなったとしても電話料金はどのくらい変わることだろうと考え始め、とうとう購入を見合わせました。しかも、それを後になっても悔やんでいないのです。こんな考え方は昔はしませんでした。面白いアイテムを見つけると、自分が購入できる価格かどうか、その機能と値段を秤に掛けることはあって、自分がそれを活用するかどうかなどと言うことは思慮外で購入したものです。最近は、それを自分がどのくらい活用するだろうという点を思慮の中に入れ、「面白そうなもの」「見栄が張れるもの」という評価だけで購入できなくなっている「自分」を発見してしまいました。うーん、こりゃ弱ったぞ。私の中の「好奇心」が年取り始めたようです。これじゃ、パソコントレンドなんて語れなくなるぞ!!

DVDもそろそろ始まるよ


 DVDもそうです。確かに書き込み媒体としてのDVDは足並みが揃わないので、現在の購入は問題もあるでしょう。しかし、DVD−ROMが読めて、CD−ROMが読めて、PDまで読めて、しかも一定の大容量の書き込みもできるDVD−RAMが10万を切る価格で登場してきています。昔なら迷わず購入したことでしょうが、今では「まだDVD−RAMの規格が決まってないから」という日和見な言い訳でお茶を濁しています。先日ある店でDVDのソフトがかなり並んでいました。ミーハーな精神を持ち続けようとしたら、やっぱり今年はDVD位から始めなくちゃいけないかな。


returnreturn

ご覧いただき誠にありがとうございました

All Rights Reserved (C) Copyright 1995, ClubOH, PC-CLUB.