OMATSURIKOZO HOMEPAGE RANDOM ACCSESS 1998-04
OMATSURIKOZO's talk salon


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1998年  4月
連載132回

いつでもどこでもモバイルって
素敵じゃないか

メガピクセルカメラもモバイルだ
インテルの新製品群はどこまで行くの


 美しい季節がやってきました。新入学、新社会人、新たな希望に燃えた出発の季節です。今年になってから急激に冷え込んだ冬も、緩やかな暖かさに包まれ、今年の桜前線は少し早くやってきそうだと言うことです。冬季オリンピックの後に開催されたパラリンピック、素晴らしかったですね。人間という存在の可能性を感じさせてくれました。だんだん人生というものに投げやりになり始めていた私を、少し勇気づけてくれるものでした。

「ザウルス」と「パームパイロット」


 さて、先月号では「ザウルスポケット」のお話に終始してしまいましたが、今月号もその続きからはじめましょう。パソコンオタクにとって、ザウルス話なんて興味も無いという人もいるでしょうが、まあしばらく耳を貸して下さい。
 私の周辺ではモバイルというジャンルはなかなか興味ある対象で、昔からいろいろ話題が盛り上がっていました。今、その周辺で話題の中心は「ザウルスポケット」と「パームパイロット」です。雑誌の記事においては、「パームパイロット」は話題の中心とも言えます。アメリカにおいても手のひらに載る情報ツールというジャンルは、古くアップルの「ニュートン」があり、潜在的には求められていたものだったのでしょう、そのジャンルの新星が3Comの「パームパイロット」です。発売以来圧倒的な人気で、あっという間にそのジャンルを独占してしまい、老舗の「ニュートン」を製造中止にまで押しやってしまったというものです。アメリカと日本において、同じインテル・マイクロソフト文化(MAC文化もあるけれど)にありながら、決定的に違う成長過程を取っているものがあります。これは昨年決着が付きましたが、漢字という文字文化の違いによって生じたNEC98文化、またひとつは大型外部記憶装置で、アメリカではリムーバブルハードディスクからZIPが主流となりましたが、日本ではMOが主流です。サブノートについてもアメリカでは人気のないものでした(外国人は指が大きく、体格も良いのでA4サイズ以下入らないと思われていた)が、昨年アメリカで発表されたLibrettoは好評だそうで、これも近づいてきているのかもしれません。もうひとつに「手のひらツール」があります。このジャンルに現在売り出そうとしている日米共通のものといえば、「Windows CE」であり、Ver2ではとうとうカラー化を実現しましたが、今ひとつの普及率です。それは日本では「ザウルス」、アメリカでは「パームパイロット」があるからです。1時代前にはこのジャンルでHPの「200LX」が静かな人気を呼んでいて、英語版しか発売されていなかったにもかかわらず、多くのマニア達によって日本語化が実現されました。この文化はDOS/Vの日本語表示文化がもたらしたものだったのですが、「パームパイロット」はこの流れを汲んだ日本語化が実現されたため、アメリカでの人気ばかりでなく(IBMからOEM製品まで発売されるそうです)日本でもマニア御用達領域に突入したようです。

やっぱり「ポケット」だ!!


 それに対して日本では「ザウルス」というひとつの文化が生まれていて、この世界になぐり込みをかけてきたマイクロソフトの「Windows CE」に対抗するために、シャープは昨年から新しい戦略を次々に押し出してきています。モノクロからカラー化といったハード的なものだけでなく、今までいっさい外部に公開しなかった内部情報をオープンにすることによってソフト的にも対抗しようとしてきています。この点については先月号でも書きましたが、まだまだ開発ツールの価格が高すぎるとか、ハードルは高いのですが、それでも「オープンこそが必要である」という姿勢を明らかにしたことによって、「ザウルス」の周辺も新しい風が起こってきているようです。今度カラーの新製品が発売になりましたが、私の周辺ではその機種は少しも話題にはなっていません。私たちが求めていたのはその「軽さ」「大きさ」「機能」で「ザウルスポケット」がぴったりだったわけで、それ以上の大きさのものは必要ないのです。そういえばモバイル関係のパソコン雑誌でも「ザウルス」はほとんど話題にあがっていませんね。「パームパイロット」に関して言えば、その日本語化OSがVer2に上がったためたくさんの特集が組まれていましたが、「ザウルス」はパソコンユーザーにとってはマイナーな存在なのかもしれません。私もついこの間までは馬鹿にしていたものですから、何とも言えないところなのですが、インターネットやNifttyでは裏技的な使い方もかなり公開されてきています。もっと雑誌などでも内部情報が出てくると面白くなるのですがね。3月号の「モバイルプレス」では4ページほどでしたが、ザウルスユーザーには貴重な情報が掲載されていました。裏蓋の「初期化ボタン」を押しながら「機能」や「順送り」「逆送り」等を押すと新しい設定が隠されていると言ったようなことですが、こんな数ページにも満たない情報を必死で漁っている自分を見ていると、88時代のコピープロテクト情報だとか裏技情報をみんなで廻し合っていた頃を思い出してしまいました。

「Zaaurus-PC Exchange」とピコフラ


 現在の私の「ザウルス」環境について少し。当初、付属で付いてきたパソコンとの連携ソフトやMOREソフトをパソコンにどうやって取り込むのかが問題でしたが、局長から借りてきたRS232ケーブルで試そうとしたものの、そのままにして日が過ぎました。ザウルスとパソコンに通信というのは、いろいろサポートされているために返って分かりにくいものになっていますが、自分が必要だと思う機能に絞って勉強すればいいのだと言うことが分かりました。大別すると、1.IrDA/ASK を使った光転送 2.オプションポート16を使ったケーブル転送 3.コンパクトフラッシュカードを使った転送ですが、どれを選択するかが問題でした。また、転送形式も 1.単機能別転送 2.パソコンリンク転送があり、パソコンのデータとザウルスの最新データをやり取りするシンクロ機能もあるのですが、DOSの時代からファイル名を選んでコピーすることになれている私にはなかなか馴染めないものでした。そこで躊躇したままに放置していたら、ROMROM君がやってきてくれ(彼は私より後で購入したにも拘わらず、至る所の情報を集めまくり、あっという間に達人の領域に突入してしまいました。仲間達にポケットを薦めて、勉強熱心なROMROM君が加わったとき、「しめた!」と思わず呟いた私の思惑は見事に的中しました)、「ピコフラッシュカードさえあれば簡単にコピーできるよ」と、自分のカードを抜き出し、私のザウルスに必要なツールを次々にコピーしてくれました。その中で優れものだったのが、MOREソフトである「Zaurus-PC Exchange」でした。このソフトをザウルスで走らせると、本体にあるデータとカードにあるデータを見ることが出来るばかりでなく、ドラッグするとコピーすることが出来るのです。ところがデータの内容は移動可能なのですが、MOREソフトは基本ソフトの中に収納されるため、この「Zaurus-PC Exchange」でも操作できません。「Zaurus-PC Exchange」ではシステムファイルには入ることが許されてないのです。これでは服の上から痒いところを掻いているような気持ちで、今ひとつしっくりこなかったのですが、先ほどにも書いた裏技があり、全てのファイルを確認移動させることが出来るモードも持っていたのです。「Zaurus-PC Exchange」を走らせているところで、裏蓋の「初期化ボタン」を押しながら「順送り」を押すと見えるファイルの数が多くなり、2度で全部のファイルを見ることが出来るようになります。同じく「逆送り」で元の状態に戻ります。このカードをアダプターにつけてLibretto 50で読むとカードの中を全て見ることが出来ます。これでザウルスをパソコンのように使うことが出来るようになってきました。後はこれらのファイル群の解析を誰かがしてくれて、公開してくれるのを待つという他力本願主義で待っているところです。

大きいことも問題だ


 カードといえば、15MBのカードは昔から持っていたのですが、このカードはウルトラマンやデジタルカメラと共用だったので、もう一枚購入しようとパソコンショップに電話したところ、32MBで23千円と言うから思わず購入してしまいました。ルンルンでザウルスに装着したところ、「お待ち下さい」のメッセージのままで長い時間認識してくれません。これはカードの種類が違ったのかと思っていたら、正常に起動しました。うんうんと喜んではいたのですが、どうもカードにアクセスする度に時間がかかるようです。15MBのカードに取り替えてみるとやはりアクセス時間が早いのです。デジタルカメラにも装着したところ、電源を入れてから使用可能になるまでやはり時間がかかります。これではシャッターチャンスを完全に外してしまいかねません。フラッシュメモリというのはアクセスが遅いとは聞いていましたが、15MB程度ではそう不自由を感じていなかったのが、32MBにした途端もろにその仕様が見えてきました。「大きいことは良いことだ」と思った私が馬鹿でした。必要な大きさということも大切だと分かりました。15MB程度のものを再度購入しようっと。

充電乾電池


 周辺機器といえば、もうひとつ大切なのが電池です。ザウスルポケットは単4アルカリ乾電池2本で30時間の稼働が言われています。これはおおむね当たっていますが、通信などをすると電気を食ってしまい稼働時間は短くなります。電池はどこにでも売っていますから問題はないとはいえ、使い捨ての電池では処分にも困ってしまいます。そこでデジタルカメラで利用している充電式の電池を利用することにしました。幸い私が購入していた充電器は単3、単4兼用だったので、あとは電池さえ購入すればOKです。アルカリ乾電池は1.5Vで、充電式のニッカド電池は1.2Vなので、場合によっては問題もあるという人もいますが、使用して今のところ問題がないようなので、これからもこれを使っていこうと思っています。当初、私は充電式の乾電池はニッカドしかないと思っていたら、最近はニッケル水素乾電池というものも出ていたのですね。ニッカド電池では単4で1.2V250mAなのですが、ニッケル水素乾電池は1.2V550mAです。2倍持つと言うことなので購入しましたが、まだ持続時間を確認していません。また報告することにしましょう。

メガピクセル時代のデジタルカメラ


 今月もモバイル話に花が咲いてしまいましたが、小銭でいろいろ遊べるものといえば、今はやはりモバイル製品でしょう。もっともデスクトップマシンでさえ10万円程度となっている今日、ザウルスポケットにしても5万円も出してあの大きさのものなんてといわれると何とも言葉はありません。しかし、毎日持ち歩いて遊べるツールは楽しいものです。少しあいた時間、たとえばバスや電車の待合い時間などでもすっと取りだし、軽いゲームなんてのも良いものです。同じく持ち運んで楽しむモバイルツールにデジタルカメラがあります。今時の若い人たちは「プリント倶楽部」に刺激されたのか、あるいは彼らの写真嗜好が「プリント倶楽部」に影響したのか分かりませんが、気軽にパチパチとやっています。数ヶ月前、コダックが10万円でメガピクセルという製品を出した時点で、今年はメガピクセル時代になるぞと書きましたが、続々と登場してきますね。私の持っているデジタルカメラはリコーのDC-2Lで、当時としては42万画素数はかなりの解像度だったわけですが、新時代のデジカメからみれば1世代前のものとなってきました。富士フィルムから登場したFinePix700などは80*101*33という大きさで250g、しかも150万画素数というから参ってしまいますね。富士フィルムが推進しているデジタルデータを銀塩写真へという「F-DIサービス」に持っていけば本当に銀塩写真のように出力してくれる可能性は高いと思います。ここはひとつ新しくメガピクセルカメラでもとは思っているのですが、ザウルスポケットに画像を取り込むとき、一度パソコンで加工しなくてはならないと言う問題の前に、横着者の私は躊躇したままなのです。

インテルの新製品発表がもたらす混乱


 パソコン関係の最大の話題といえば、インテルの怒濤のような新製品群の発表でしょう。ベースクロック100MHz時代に向けたPentium IIとチップセット440BXの発表、1000ドルPC時代に向けた2次キャッシュを省いたPentium IIである「Celeron」の発表、3次元アクセラレーター用のチップである「Intel740」の発表と、矢継ぎ早に登場させる製品群はユーザーに期待をもたらすと同時に困惑も感じさせてしまいます。パソコンの主力がベースクロック100MHz時代に突入すると言うことは分かっているし、その製品が今年中に互換チップメーカーまでも巻き込んでいくだろうことは予想したとおりなのですが、とうとう3次元アクセラレーターチップにまで手を伸ばしてくると、マイクロソフトの独占よりも 激しいのではないかと思ってしまいます。また業界地図は大きく塗り変わりはじめるのかもしれませんね。


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