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野山はすっかり新録に包まれ、すがすがしい季節になりました。外を見ると新しい活力が生まれてきそうですが、元々躁鬱の気があった私は最近とみにその周期が長くなり、鬱からの脱出に悩んでいます。TOSHl先生に云わせれば「それが普通の人ですよ」と云う事ですから、私のテンションの持ち方は少しHlGHを求めすぎているのかも知れません。そこで頭のクロックアップのために夜、パソコンに向ってちびちびと飲むアルコールの量は確実に上昇し、熱暴走転じてアルコール暴走を起こしている次第です。無理なクロックアップはマシンだけでなく、人間の頭の方にも暴走を引き起こすようで、少々熱対策を進めなくては(と、書いていたら、後ろから女房が「元を絶てば簡単でしょうが!!」と叫んでる)。
ソケット7のパソコン製作
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2ヶ月ポケザウの記事で、しかもたくさんの仲間達がポケザウに転んでしまったので、「PC通信」はあたかも「ザウルス通信」になってしまったのかと思いながら、今月は他のネタから始めましょう。
先日、大学生の長男が「父さん、僕の友達がパソコンが欲しいらしいのだけど、相談に乗ってやってくれ」と言ってきました。今時のことだから、安いパソコンも一杯あるし、ソフトを使うつもりなら富士通でもNECでもハードディスクにじゃまになるほどの満載のソフトを付けてくれているしで、若い連中の世話というのも面倒くさかったのですが、長男の見栄もあるのだろうと会うことにしました。会ってみて驚いたことに、このパソコン情報が溢れ返っている時代にもかかわらず、彼は何にも知らないのです。CPUやハードディスク、メモリ、全て言葉は聞きかじっているようですが、何のことやらさっぱり分かっていないようです。こういうメンバーには量販店に行かせて富士通かNECの普及型のパソコンを見繕っておく方がいいと思ったのですが、彼の大学の専門を聞くと「電子工学」だというではないですか。大学ではE-mailアドレスも貰っているし、ホームページの領域も貰っていると言うことです。C言語も習っているというのですが、全体像をまったく了解しないまま専門的なことは学んでいるようです。こりゃいかん、この先のことを考えたらパソコンを自作させ、ハードウェアの知識も持たせなくてはと思い直しました。予算的なものもあるだろうから、自作の方が高いものにつくことも了解させ、標準的なソケット7にAMD200程度のマシンを作らせることにしました。「えっ、パソコンって自分で作れるのですか?」という彼の初心者らしい感想に、「友達に自分で作ったマシンだと自慢するのも楽しいだろう」と答えると、目を輝かせてきました。「そうだな、見栄を張りついでにフルタワーのケースに入れる方がいいかな」というと、是非そうしたいということで、私の友人に指導を頼みました。私が付き合ってパーツの購入と組立を指導してやればいいのかもしれませんが、時間がなかったもので友人に頼んでしまったわけです。友人が付き合って組み立てたわけですが、彼はその組立からWindows95のインストールまでいちいち質問が多いため、友人はかなり大変だったそうです。やっと組みたい終わったマシンを持って我が家にやってきた後、自分が組立に参加したマシンが動いて機能していることにかなり興奮していた様子でした。5年も昔なら私もこんな無謀なことは指導しなかったのですが、これだけパーツショップが生まれてくると、不良品の変換もできるし、上位のパーツに組み替えることも簡単であるので、もはや無謀でも何でもなくなってしまいました。彼ら若い連中は、そこそこのきっかけさえ与えておけば1年も経てば私なんかよりもずっと知識が豊富になっていることでしょう。
子供達のパソコンまで
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彼にパソコンを組立させたとき、長女と下の息子も一緒に参加したので(その友人を連れてきた長男はパソコンは使わないのです)、彼らまでが自分に与えられているマシンに不満を持ち始め、パソコンの改造に取りかかってしまいました。おかげで、そのパーツ代と組立後の再起動までの設定にかなり時間を取られてしまった私は、一体になんだったのでしょう。マザーボードを代えてパーツを流用するのは良いのですが、古い機器を利用してWindows95を再認識させるのはなかなか骨が折れる作業でした。いっそのこと、全て新品で組み立て直した方が簡単だと再認識したわけです。
100MHZ時代のソケット7
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さて、その若い友人にはソケット7という現在最もコストパァフォーマンスの高いシステムを提案したわけですが、インテルの攻勢はこのソケット7のコストパァフォーマンスを凌いできているのかもしれません。この数ヶ月、ポケザウで遊びながらもパソコン雑誌を眺めていたら、インテルの「ムーアの法則」はまだまだ続くのだと思い知らされます。64ビットのCPU開発の話はちょっと前に書きましたが、Pentium IIの高速バージョンはどんどんクロックアップし、ビジネスショーでは700MHzで作動させるデモを行ったと言うではありませんか。私の友人は、インテル440BXという新しいチップセットを載せたマザーボードにPentium II400MHzのパソコンを20万円代前半で手に入れたという話を聞きました。これって、発売前のフライング販売のものじゃないのかという声もありますが、ショップは現在売れ筋のマシンをいかに早く発売できるのかと言うことが勝負らしくて、秋葉原あたりではフライング商品がゲリラ的にあちこちで販売されているそうです。こんな話を聞くと、「どうせ数ヶ月もしたら半値近くにはなるのに」という冷ややかな目と同時に、「うっ、その最速のマシンを人より先に体験してみたい」というスケベ根性がムクムクと起こってきたりするわけです。でも、440BXが登場した以上ベースクロックが今年中には全て100MHzにはなるでしょうし、そのベースクロックの4〜5倍の倍速CPUは当然のこととなってくるから、ソケット7で頑張っている互換CPUメーカー達も焦っていることでしょうね。本当はそこまで高速なCPUをどんな風に利用するのだというひねくれ根性も起こるわけですが、「隣の芝生は青く」見える我ら日本人はこの不景気な時代においても「趣味のためなら女房も泣かす」とばかり、なけなしの金を「道楽」のためにつぎ込んでしまうのでしょうか。話は変わるんですが、「オタク」相手の商売は景気に作用なんかされないと言う話を聞いたのですが、何となく了解してしまう私はやっぱり「おたく」=「道楽者」ということになるのでしょうか。でも、Pentium II400MHzのパソコンが20万円代前半というような話を聞くと、やっぱり腰の方がムズムズとなるのは当然だと思うのですが・・。
このPentium IICPUは、どんどんバージョンが広くなり、ベースクロック100MHz対応バージョン、その高倍速バージョン、ノート用省電力バージョン、キャッシュを少なくした廉価版バージョンと矢継ぎ早に発表されるものですから、名前を覚えるのが苦手な私には混乱の極みです。名前が分からなくても、インテルが画策している方向は、昨年の正月に発表したMMX Pentiumはもはや卒業して、ソケット7なんてものは古いんですよ、インテルの高速なCPUは全てスロットタイプに移行していきますよ、とアナウンスしているってことですよね。インテルがこれだけ値段も落とし、生産ラインもPentium IIに完全移行してしまったら、ソケット7の命運も本当に怪しくなってきます。やっぱりここでは互換CPUメーカー、頑張れと声を大にして叫んでおこう。
いや、マジな話、互換CPUメーカーが壊滅状態かというとそうばかりではないと思っています。彼らは彼らなりの戦略のもと、自分たちの道を切り開こうとはしているのですよ。最新式のパソコンでなければパソコンでは無いという迷信に捕らわれてしまう我々の反省さえあれば、彼らのCPUはそれなりのひとつの市場が確立できるはずですから。サイリックスを買収したナショナルセミコンダクターは、99年中頃までにサイリックスののCPUコアを使い、グラフィックスや、オーディオなどのアナログ部分も含めてPCシステムを1チップ化すると発表してきました。その製造技術は将来的には0.18ミクロンルールとするというのですから、凄いものです。要は、我々がどんなパソコンを求めているかと言うことで、本当に自分に必要だというパソコンをコストパァフォーマンスにおいて選ぶことができるようならば、彼らの棲み分けは可能だと思うのです。今度のWindows98は、現在のWindows95よりももっと軽快に走ることが出来るというのですから、彼らのCPUの可能性はもっともっと高くなっても良いのかもしれないと思っています。
どんどん発表されるメガピクセルデジカメ
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数ヶ月前に、メガピクセルのデジカメ時代があっという間に展開すると言っていたら、来ました、来ました。富士フィルムが、ニコンが、等々。どうしたら良いんでしょうね。困ってしまいます。
私のお話には細かい技術情報とか、商品情報は展開しないので、それらの製品に興味を持った人は雑誌等を探してくれればいいのですが、メガピクセルのデジカメが実売価格で5〜8万円で手にはいるとなれば、腰が動くのは私だけではないでしょう。商品の種類も豊富で、アナログ式のカメラに憧れている人には外海にはアナログ式としか見えないキャノンのデジカメ、安くてそこそこのスタイルのコダック、コンパクトでとてもメガピクセルとは思えない富士フィルム製、アナログの王者ニコンまでが登場してきました。先駆者のカシオだって負けてはいないといった、かの昔の電卓戦争時代を想起させてしまうのですが、たったの数年で技術開発というのはここまで進んでくるのだと思うと、感動を通り越してある種の「恐怖」に襲われてしまいます。こうした技術は、各社それぞれにある程度の開発はなされていて、それが花開くというか、ある会社が突破口を切り開いたと思った瞬間にその技術戦争が互いの命を絶つところまで行くのでしょうかね。いつも書いているように、私は飯の種のフィールドがこの世界でなくて良かったと実感するのはこんな時です。それぞれの製品にそれぞれの個性があり、どの機種でなければといったものはないのですが、これだけたくさんの機種が登場するとユーザーも混乱してくるでしょうね。今、私が欲しいなと思っているのは、富士フィルムのFinePixですが、これだってどの位の商品寿命か分からないと言えるでしょう。
こうした「カラー化」の時代、商品寿命が長いのはエプソンのカラープリンターです。PM700CからPM750C、そしてPM600Cという低価格商品路線と、カラーレーザープリンターという商品群まで幅広く展開しているエプソンのプリンター部隊は凄いものです。LP8000Cというカラーレーザープリンターの評判がなかなか良いのですが、その出力したものを友人が見せてくれました。本当に銀塩写真そのものと言っていいくらいの出来映えで、これがそこそこに売れたらきっとA4タイプのものを出してくるのではと、私は密かに期待しているところです。a4サイズで実売価格10万円くらいになったら、好き者達の間で話題沸騰となるでしょうし、今話題のSOHO市場では爆発的な売れ行きとなるでしょうね。まあ、後1年経った後の市場ではLP2000C=18万円なんて定価で発売される可能性が大でしょう。そうしたら、現在エプソンが押し進めているスキャナ+パソコン+プリンタでカラーコピーというのが、SOHOの中で常識となってくるでしょう。キャノンはしっかりと儲かっているので、ここではパソコンで致命傷を受けたエプソン、プリンタ市場で大きく汚名挽回して再びパソコン市場でも活躍して欲しいものです。
今、「ルータ」がホットだ
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今、注目を浴びているキーワードは、今月話題にあげた「モバイル」「100MHz」「デジカメ」「カラー」といったところでしょうが、その他には「通信」しかもそれは「LAN」と「インターネット」が合流した「ルータ」があります。「モバイル信ちゃん」はその融合点にPHSを子機として登録すると家庭内のモバイルパソコンを無線接続してLANとインターネットを作り上げるNECのTAを購入したそうです。実は私も彼に刺激されて、タダで手に入れることが出来るPHSと通信カードがモニタープレゼントとして手に入るPHSを注文してしまいました。TOSHI先生はルータ機能を持つTAを購入したと言うことです。時代に敏感な人たちは只の一瞬でも良いから、他人より早くその世界を見てみたいと欲望しているのでしょうね。まあ、他人の悪口を言ったら自分に唾をしていると言われかねない私も、この通信世界は非常に興味惹かれるところです。しばらくWINGATEというソフトウェアでルータを代用させていたのですが、ここまでルータが安くなってくるとソフト設定が難しいソフトウェアよりもハードウェアの方に傾いてしまうのかもしれません。TAの種類も豊富になり、DSUを付けていることが標準で、値段設定が3万円代後半という時代、2台目のルータTAということで安い機種も登場してきました。
本当に選択肢が多くなると言うことは嬉しい反面、その選択が情報に左右されると言うことに苛立たしい思いを持つような時代になったようです。みなさん、常にしっかりとした商品知識を養っておきましょう。
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