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OMATSURIKOZO's talk salon


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1998年  6月
連載134回

だれでも出来る錬金術教えます
偽札づくりも簡単な時代

Windows98発売直前のどたばた劇
マイクロソフト社の分社前夜か


 天候不順な日が続きますが、いかが、ゴールデンウィークを過ごされましたか。今年の連休は飛び飛びになったため、まとめて取れた人は少なかったのではないでしようか。かくゆう私は、4月の終わりに出張でオランダに出向いたわけですが、そのまま連休をヨーロッパで過ごすというプランを魅力的に思いながらも、5月1日には帰国し、3・4・5日の通常の連休を甘受しただけでした。しかもそのうちの一日はちょっとした出来事のために仕事に出ることになったりで、何となく忙しいゴールデンウィークを過ごしてしまいました。中小企業に生きる企業戦士の休日というのはこんなものかもしれません。

パソコンでやる錬金術


 さて、こんな悲哀を託つサラリーマン達に「誰でもできる錬金術」を披露した人物が逮捕されました。昔、カラーコピー機で1万円札をコピーして偽札を作った強者がいて、コピー機には札のコピープロテクトが施されているという話があったような気がします。今度の事件では、パソコンを始めて半年にもならないフリーターが、自分が持っていたところの1枚の1万円札をスキャナーで取り込み、カラープリンターで出力して、40枚ばかり使ったあげく逮捕されたというもので、つい先日我が地方で起こりました。私としては事件の詳細に注意を傾けていたのですが、地方紙でも続報もなく、そのままニュースとしては立ち消えてしまいました。パソコンユーザーとしては使った機種を知りたいものだとも思ったわけです。
 よく考えてみれば、たとえば私がコンビニエンスストアの店番をしていて、客が1万円札を出したとしたら、その1万円札をじっくりと確認するでしょうか。聖徳太子の顔の上に髭が書かれていてもあまり気にしないかもしれません。精巧な「すかし」があるといっても、その「すかし」を確認して1万円札を受け取るとは思えないわけで、相手の挙動とか、紙の感触といったものの方が強く印象に残ると言ったものかもしれません。最近のスキャナやカラープリンターの性能というのは、写真顔負けとまではいかないまでも、仲間内では冗談で「簡単にお札も印刷できるかも」と言った話はしていましたが、本当にする奴が出てくるとは思っていませんでした。しかも、その犯人というのが、パソコンを購入して半年も経ってないと言う記事を読んだとき、驚いてしまいました。こういう素人の方がよっぽど大胆なのかもしれませんが、パソコンキャリアの犯罪ではなく、パソコン素人の事件であることによけい興味深いものを感じてしまいました。

こんな偽札でも使えたのか?


 40枚もの札を使ったにも拘わらず現行犯逮捕でなかったという事実にも驚かされました。彼の逮捕の決め手は、いくつもの店で偽札を使ったとき店がビデオ撮影していて、色んな店で同じ人物が写っていたと言うことだそうです。つまり、偽札を使用したときには誰もすぐには気がつかなかったと言うことなのです。スキャナやカラープリンターの能力の高さは認めるとして、紙の質というか触ったときの触感というのはどんなものだったのだろうかと気になる私は、「明日の錬金術師」なのでしょうか。いやはや、こんな幼稚な手段が通用するという事実に唖然としたわけです。彼のように1枚の1万円札を用いて同じ番号ばかりのものを作り、それを40枚も使えばアシも出るでしょうが、冗談のように1枚1枚を作り、ビデオカメラがついてないような店を選んで、長いターンと広域な場所で用いたとすれば、この犯罪はかなりの確率として迷宮入りとなってしまう可能性があると思ってしまいました。
 うーん、パソコンはかなり危険な領域に突入してしまったのかもしれませんね。今度はどんなプロテクトをパソコン業界は要求されるのでしょうかね。

米司法省とマイクロソフトの戦い、本番突入


 同じく司法関係の話題といえば、Windows 98発売の土壇場にきてのマイクロソフトの独禁法違反での騒ぎです。アメリカでは6月の半ば、日本では7月の半ばに組まれていたWindows 98の発売予定でしたが、ここにきて交渉決裂のままに発売が強行されるようです。問題点は、Windows 95の時と同じく、Windows 98に組み込まれているインターネット閲覧機能であるインターネットエクスプローラです。Windows 95について言えば、IEの抱き合わせ販売として違反を取り上げたわけですが、Windows 98について言えばもっと本質的なところまでを問題にしている模様です。つまり、マイクロソフトがIEをOSに組み込んでしまうことによって、他社の閲覧ソフトが駆逐されてしまい、OSの開発会社であるマイクロソフトがアプリケーションソフトの世界まで独占してしまうのではないかという危機感を表に出してきたところにあります。表面上はインターネット閲覧ソフトの問題として出てきていますが、本質はもっと深いところにあるようで、アメリカの現在の景気動向とも切り離せない社会・経済分析の上での提訴のような気がします。現在、アメリカの経済は非常に好況で、この好況を牽引してきたところの産業はコンピューター関係であり、この業界が独占化によって停滞したとすれば景気の動向にもいずれ響いてくるのではと言う政府関係の思惑が働いているように思います。過去に何度も独禁法違反に問われながらも、ソフトウェア業界に政府の干渉だけは招きたくないと言う暗黙の了解が成立していたところのソフトウェア業界も土壇場のところにまでやってきたようです。マイクロソフト以外の会社は、政府に干渉されてもいいから、とりあえずマイクロソフトの独走だけは食い止めたいと言ったところが正直なところと踏んだのは私の邪推でしょうか。

あえて、ビルゲイツ頑張れ


 日本のパソコンユーザーの中にも、これ以上マイクロソフトが強くなって欲しくないと思っている人たちは多くいますが、アメリカでもその空気は相当強く、パソコン雑誌のコラム欄などはマイクロソフトの悪口が多いと言われています。マイクロソフトにも言い分があり、「政府が求めていることは、技術革新 を通じて市場競争することを阻害し、過去23年間にわたって当社が努力し築き 上げてきたものを脅かすことになります。当社が行っていることは市場競争を肯定するものであり、消費者にとって最大の利益となると確信しています。」という声明をビルゲイツは述べています。ディフェクトスタンダードを巡って争われてきたところのパソコン業界においては、彼の主張も当然であるわけですが、現在のマイクロソフトの力関係を考えると、彼が言うところの横一線の市場競争が行われているという説も怪しいものがあります。どうも、がむしゃらに突き進んできたところのビルゲイツのやんちゃ路線も大幅な修正を強いられる事態となったようです。政府の干渉がない世界で自由に市場競争ができると信じていたビルゲイツは、自分の置かれている位置がもはや政治的に扱われるところにまでやってきたのだという事実を突きつけられ、今ではもっと昔からうまくロビイストなどを通じて政界に影響力を持っていたならと後悔していることでしょうね。しかし、私はそんな「寝技のビルゲイツ」よりも「やんちゃなビルゲイツ」の方が好きです。玉砕をしてもいいから、自分の進む道を押し進めて貰いたいものだと思っているところです。

USB対応機器発売が遅いぞ


 さて、Windows 98といえば、私が一番期待をしているのがUSB対応がサポートされることです。パソコン周辺機器を接続するためには、カードの増設だとか、IRQだとか、色んな煩わしい問題があるわけですが、USBインターフェースを用いれば非常に簡単になることは分かっているのです。にもかかわらず、周辺機器メーカーの対応はまだまだです。「明日のパソコン」を打ち出したNECだけが、キーボード、モニター、プリンタ、スキャナとUSB対応の機種を発表してきていますが、他社からはなかなか出てきません。ソニーのバイオノートにはUSBがついていますが、まだこの機能はほとんど有効には使われていません。ノートパソコンにUSBを付けると、デスクトップ用のキーボード、モニター、マウス等々が一緒に接続でき、ドッキングステーションなどといった煩わしい機器を接続する必要が少なくなってきます。また、パラレルで接続されているプリンタとスキャナなどは相互に干渉しあって、同じパラレルでは使えないと言ったトラブルに対しても有効です。早くUSBサポートの周辺機器が普及することを期待しますね。私の正直な気持ちとしては、何でもっと早く・もっと多くのUSB対応機種が出てこないのかと不思議がっているところです。元来なら、こうした新しい規格というものには懐疑的で、あまり出てこないと言うものには何かしらの胡散臭いものを感じ取ってしまう私なのですが、この規格について言えば、裏を読むよりも普及がうまくいくことを単純に望んでいます。

mp3ファイルって知ってる?


 ひとつ面白いアイテムの記事を読みました。携帯型mp3プレーヤー「mpman」というものです。MDなら知っているけれど、mp3なんて知らないよと言う人の方が多いでしょう。mp3について少し説明をすると、音楽データを動画データでおなじみのMPEG圧縮で記録するもので、CD並みの音質を保ちつつデータサイズを小さくでき、単純に言うと1分の音を1MB程度のデータファイルに圧縮することができると言う優れもののフォーマットなのです。Windows標準のWAVE形式で記録した場合にはそのデータ量は10倍以上となり、従ってその展開にも相当な時間がかかるわけですが、この方式では非常にコンパクトなサイズに圧縮できるわけです。好き者達の間では、mp3エンコーダーのソフトを入手して自分で好きな曲をmp3化し、好みの曲順に並べてHDDやCD-Rに記録、再生することがよく行われていました。そして、そのmp3化したデータファィルを携帯ラジオサイズの本体で気軽に持ち歩き、再生してしまおうというのが、この「mpman」というのです。mp3化したデータをパソコンを使って再生することはできるが、持ち歩きはできないと言う欠点を克服したmp3ウォーキングというわけです。内蔵のフラッシュメモリは16/32/64MBの3タイプがあり、オプションで増設メモリも用意されているということですが、このメモリにmp3データを転送して持ち歩くと、MDと一緒というわけです。問題は同じフラッシュメモリであるにもかかわらず、外部のフラッシュメモリであるFlash ATAやコンパクトフラッシュなどの差し替え可能なメモリが利用できないのが少し残念なところです。デジカメなどに用いられているコンパクトフラッシュの使い道がまた増えたかと喜んだのですが、これはまだのようです。メモリの価格がこんなに下がってきている現在、面白い規格であり、面白い機器だと思ってしまいました。64MBメモリにはアルバムを丸ごと入れてしまうことも可能だし、自分の好きな曲データをパソコン上でデータとして転送できるというメリットがあるため、テープレコーダーやMDのようにデッキでシコシコとコピーしなくてもいいなんて、パソコンユーザーの見栄にはもってこいのアイテムでしょう。このmpmanを扱っているのは、秋葉原の「あきばお〜」というところで、価格は32MBタイプが39,800円、64MBタイプが59,800円ということです。
 インターネット上ではmp3データがアンダーグラウンドで出回り始めているようです。WAVEデータをインターネット上からダウンロードしようとすれば相当な時間がかかるため、今ひとつめんどくさがられたかもしれませんが、mp3データではダウンロード時間も短くてすむため、アンダーグラウンド世界は活発になるのかもしれません。またこれで音楽関係者達の「著作権擁護」対策が難しくなってきたようですね。
 □あきばお〜http://www2.tky.3web.ne.jp/~akibaoo/

インターネットって、以外に普及してんだな

 実は、私が高校を卒業してから今年で30年経つのです。正月に同級生達と飲んでいて、その話になったわけです。しかし、全国に散らばってしまっている同級生が集まれる機会などというものはなかなかできないため、あまり大きな同窓会などはしていませんでした。でも、30周年ということもあり、盛大な集まりをやろうではないかと言うことに話が盛り上がり、とうとう私が呼びかけ人になるということになってしまいました。多くの人たちが帰省する盆か正月にするとしても、急な同窓会案内を貰っても都合がつかない人もいるだろうということで、1年計画というプランを考えました。同窓会をするぞと言う案内状を春先には出し、そのときに連絡先に通常の電話・FAXだけでなく、同窓会ホームページも設けることにしたのです。我々の世代のこと、どれだけの人たちがインターネットに接続しているかとは思ったのですが、これもなかなか現代的で面白い企画だと打ち出してみました。予想に反して、なかなかの反響がありました。葉書でも多少の反響が返ってきたのですが、ホームページには20人近い人たちが返事を寄こしてきました。みんな遠く離れた人たちばかりでしたが、「ああ、インターネットというのは案外普及してきているのだな」としみじみ実感してしまいました。来年の同窓会に向けて、ネット上で企画会議なんてものをしてもいいかなと思っているところです。


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