OMATSURIKOZO HOMEPAGE RANDOM ACCSESS 1998-08
OMATSURIKOZO's talk salon


ランダムアクセス
1998年  8月
連載136回

ウインテル独禁法提訴の
裏事情を掴んでおこう

MPMAN 買いました。そんなもんです。
最近、パソコン英会話頑張ってます。


 今年の梅雨は、いつになく少雨で暑い日が続いています.みなさん、お元気ですか。おかげで、不況のなかでも電気屋さんはクーラーの売れゆきが好調らしく、少し明るいニュースです。やっぱり日本の夏は暑くなくてはいけませんね。暑い季節は暑く、寒い季節は寒く、これが原則でしょう,そう云えば、とうとう橋本首相も退陣してしまいました。打つ手打つ手のまずさが日本の景気(今やアジアや世界の経済にも影響を与えているわけですから)をここまで悪くしたのですから、国民からソッポをむかれたとしても仕方ないでしょうね。

どうも最近”パソコン元気”が出ない


 さて、私は最近仕事が大変忙しくてなかなかパソコンをゆっくり愉しむ時間がとれません.同世代の人達も同様のようで、5年位前まではTOSHI先生と週に1回は一緒に酒を飲んで、パソコン談議や日頃のウサを晴らしていたりしていたのですが、最近はなかなか時間がとれず、ストレスが溜まる一方の生活が続いています。仕事が忙しいうちはまだいいよ、と云う事なのでしょうが、自分の生活がどんどん圧迫されてきている様でたまりませんね.
 そういう事情で最近の「ランダム・アクセス」は少し元気が無くなってきているなと思って反省はしています。ここで一発景気のよい話でもぶち上げたいところですが、あいにくそうした調子のよい話題もありません。少しシコシコとした話から始めていきましょう。

独禁法提訴を考えてみる


 先月号の終わりに少し書きましたが、マイクロソフトとインテルを巡る独禁法問題について少し書いてみます。私はアプリケーションソフトではマイクロソフト社のものは使っていません。しかし.OSはほぼずっとマイクロソフトのものですし、CPUについてもほぼインテル社のものを使っています。この2社は勃興したパソコン業界のなかにおいて極めて順調よく足場を固め、現在ウインテル連合なる尊称(蔑称)を受け、業界内では「敵意」と「追従」の対象となってきています。その勢いは非成功者達のやっかみの対象となっていると云っても過言ではないと私は思っています.マイクロソフトに対する独禁法提訴は今更のことではなく、もう5年近く鳴りもの入りで報道され続けてきました.昨年末のアップルヘの投資も独禁法逃れと云われています.同じようにパソコン世界ではほぼ独占的な地位を固めていたインテルは、今度の提訴まであまり噂されることもありませんでした。ところがここに来て、急にウインテル連合へ的が絞られてきたかのような提訴です.
 たしかにWindowsが圧倒的な商業的成功を納めているとは云え、性能的に圧倒的かと云えば疑問符が残るところがありますし、インテルのCPUも同様でしょう。多くの評論家は、一方では彼らのお先棒を担ぎながら、辛口のコーザーにウケを狙っての枇判記事もあげています.こうした論調の多くは、表面的には論理性を唱えながらも、その底には力を持ったもの達への反感が滲み出ている事が多いようです,つまり、私達庶民にとって、20年に満たない年月のうちに世界の富をかき集めたとしか思えないビルゲイツとその仲間達は、もはや羨望を通り越してある意味での憎悪の対象となってきていると云ってよいでしょう.特に、パソコンの黎明期からユーザーとしてパソコンに関わってきていた人達にとっては、その思いは尚更のものがあることでしょう。しかし、問題はそうした事ではなく、ウインテルが本当に独禁法に抵触する程の揺るぎなき大会社と云えるのか、あるいは彼等の持つ技術と金のカの延長線にしかパソコン世界が展開できないのだろうか.という点です.

パソコン世界はまだ未熟な産業だ


 私に云わせれば、パソコン世界はまだまだ未熟な産業界であって、ウインテルと云えども新技術やユーザーのきままな嗜好によって一瞬のうちにその牙城が崩壊する危険性を秘めていると思っています.あのNEC・98が!.あのニンテンドウ・ファミコンが!、あの管理工学・松が!、あのジヤストシステム・一太郎が!、あの自民党が!、山一がと、こんなに不安定な時代に、たまたま現在成功しているといっただけの事としか思えないのです.こんな事を書くと、「お前は認識が甘い、マイクロソフトやインテルがやってきた企業体質は弱者の枝術をだまし取り、うまく商業的に成功させてきただけの悪徳企業だぞ」という声が聞こえてくるようです。確かにそういうー面があった事も認めます。しかしそんな事は、今ではマイクロソフトの独禁法提訴に同調している会社達も、大なり小なりやってきた事ではないですか.企業がしたたかに生き残って行くというのは大変な労力の産物です.自分達が押しつぶしてきた敵対企業のことを忘れ、目分が窮地に陥った時に政府に頼もうなんて奴は、ヤクザが泥棒にあって警察にかけこむようなものではないですか.

「お上」が登場する理由


 では何故、今、コンピューター産業に政府が乗り出してきたのかという事に注目する必要があるでしょう。本当にコンピューター産業においてウインテルは脅威なのでしょうか?ウインテル提訴者達は、アメリカの高成長を支えてきたところのパソコン産業がこの2大企業によって活力を失ないかけていると云います.マイクロソフトはOSを握ってその内部情報を自社のアプリケーション部だけに流している、無料ソフトを配りライバル社を潰そうとしている、インテルは互換チップメーカ一を潰すためにパソコンメーカーに圧力をかけている、彼らは他社を潰した後に価格を吊り上げるはずだ、様々な批判が吹き出ています。アメリカという国は、自由競争世界を前提としているが故に独占禁止という概念に非常に敏感な国民と言うこともできるでしょうが、世界がこれだけグローバル化したとき、かっての社会が考えていたところの「独占」という概念は異なったものへと変わってきています。
 私は独禁法そのものには賛成です。しかし、その使われ方が問題です。かっての社会におけるところの「独占」には必ず「お上」が荷担していたものでしたが、アメリカパソコン世界の勃興は「お上」が取り残されたままあっという間に成長してしまった産業であり、その自由競争性は非常に高いものでした。その中でウインテルは勝ち残ってきたという認識を私は持っています。そこで、取り残されたところの「お上」の反撃が始まった、つまりこれだけ成長してきた産業界からの献金率(上納率)を高めたくなったわけです。マイクロソフトというのはガキ大将グループだったので、こうした政治がらみの戦略を持たなかったため、標的にされているのではないかと邪推してしまいます。大きな問題は、ウインテルが本当にパソコン世界の競争性を阻害しているのか、あるいは政治がパソコン世界の中で幅を利かせはじめるのかという問題だと思っています。私は今「お上」に荷担しないことの方が大切だと思っています。
 そのマイクロソフトですが、インターネットエクスプローラのバンドル問題を残したまま、6月にはアメリカで、7月25日には日本でも「Windows 98」が発売されます。Windows 95のIEバンドルでは今回の独禁法違反提訴の前哨戦が行われましたが、7月初めにはマイクロソフト側が辛勝しました。かってなら、彼らは大々的な勝利宣言をあげたでしょうが、ガキ大将から厭らしいオトナになり始めた彼らは、その成果をじっくりと次の戦いのためにうまく利用する方法を模索しているようです。だれがマイクロソフトをこんな厭らしいオトナにしてしまったのだ。

MPMAN、買ってはみたけれど...


 さて、先月号でMPMANを韓国で入手できなかったことを書きましたが、国内で入手しました。ほぼたばこケースほどの大きさで、胸のポケットに仕舞っていても重さは気が付かないほど軽いものです。チュウインガムを縦割りに半分に割ったようなニッカドのバッテリーが2本内蔵されています。バッテリーの充電とパソコンとのやりとりのためのシリアルポートを備えた母艦が一緒に付いてきます。接続ソフトはCD−ROMに入っていて、ハングル版と英語版があり、その中にはサンプルのデータもあります。
 これをパソコンと繋いでデータ転送をしようとしたときから、厄介な問題が出てきたのです。私のパソコンにはロジクールのスキャナが接続してあるのですが、このハードは紙が差し込まれると自動的にそれを認識するようになっているため、これがパラレルの機種に対して悪さをしてしまうのです。ハードを外しても、Windowsにパラレルの監視をするものが常駐しているので、Systemファイルのどこかを見つけて書き直す必要があるのです。仕方がないので、Libretto 50を取り出し、これをLANで繋いで本体のCD−ROMからインストールしようとしたら、エラーばかりが生じるのです。どうもLANからのインストールにはプロテクトのようなものがあると考え、Libretto 50にSCSIカードとCD−ROMを繋いでインストールをしました。Libretto 50とMPMANをパラレルと繋いだところ、やっとの事でMPMANを認識してくれました。うーん、パラレル接続ってヤツは、ケーブルを繋ぐだけだけだから簡単と言われていますが、色んな機器を繋ごうとすると厄介な問題が出てきます。
 私が購入したMPMANを見つけた息子は、「あっ、またこんなものを買って!父さんだって分かっていると思うけど、これが流行るのならどうせSCSI接続やフラッシュメモリが取り外せるものがすぐ出てくるのに!」とチャチャを入れてきました。「馬鹿やろ、パソコンはな、見栄なんだ。ウォークマンでもなく、MDでもなくて音が出る小さな機械、しかもほとんどの人の概念にないものを所有していることが大切なんだ」と言い返してしまいました。しかし、彼が言っていることが本当なんでしょうね。面白い発想で構成されたものですが、大きさと軽さの上で確かにMDよりは優れていますが、その差というのがどれ位と言われれば困りますし、その利便性で言えば圧倒的にMDの方が有利です。なにしろ、MPMANはパソコンがないとデータの受け渡しもできないものですから、まあ趣味人のものでしょうね。今は知り合い達の間で「これ、なんだか分かる?」と見せびらかしているのですが、ウルトラマンやLibretto 50を見せびらかしたときほどの効果はないようです。
 私はこれを今英会話の練習道具に使っています。確かにデジタルですから、今のフレーズを頭の中で反復しようとストップをかけることには問題ないのですが、パソコンと違ってちょっと戻して同じフレームを何度か繰り返すと言ったことはできません。つまり、一般のMDやウォークマンと同じです。もう少しボタンが増えても良いから、デジタルデータの自在性を確保して貰いたいものだと、少々がっかりしています。

私のハチャメチャ英会話入門


 英会話と言えば、パソコンという道具は英会話の練習にはもってこいのものだと、現在ドイツに赴任している友人がよく語っていました。ところが、実際問題必要がないのにそんな勉強をする人はいません。私もそうでした。素養としてはあったにして良いことなのかもしれませんが、日本国内に暮らしているものにとって、一生のうちどのくらいの日を海外旅行するかと言えばせいぜい1月間くらいのものと考えれば、そのための勉強の時間を考えると馬鹿馬鹿しい思いに捕らわれ、結局聞き流すことにしていました。
 ところがこの目論見が大幅に狂ってしまったのです。昨年、今年とオランダに行く機会がありました。そのときは通訳してくれる人がいたため、私は結局表に出て喋ると言うことをしなかったわけですし、会食の時、少々肩身の狭い思いをするだけで良かったのです(このときにも実は本格的に英会話を勉強しなくちゃあと言う思いには一瞬捕らわれたのですが...)。ところが今回、オランダのメンバー達は6名来日し、その世話を私がしなくてはならなくなったのです。前回通訳をしてくれた人は、今回海外出張中と言うことなので、私だけで相手をしなくてはならない日が数日出来てしまったのです。覚悟を決めた私はそれから猛勉強したかって、とんでもない、女房の友人で英語が喋れると聞いていた人をお助けウーマンとして雇うことにしました。彼らがやってくる前の日には彼女の方が緊張していました。
 最初の数日は1名だけがやってきたのですが、これはまだ完全にビジネスの話に入らなくても良いというリラックス感を僕に与えてくれたのと、女房の友人はあくまでサポーターだと心に決めていたので、片言の英語でやり始めました。会社を案内し、仕事の内容を説明し、難しくなったら彼女の応援を頼むというスタイルをとり続けたところ、だんだん頭の中は英語モードに替わってきていました。30年位英語とは遠ざかっていたため、単語は足らない、文法は曖昧、それで喋るのは単語の羅列、現在形オンリーという有様でしたが、相手の発音する単語に触発された単語で返すというやり方で、単語がどんどん増えて来るではないですか。頼んだ女性というのがとても素晴らしく、私の主体性を立ててくれ、補助的に語ったり、先方の内容の概略だけを素早く囁いてくれるのです。彼女の助けを借りることによって、私の英語モードは完全に離陸したようです。それからの1週間をオランダのメンバーと過ごしたのですが、だんだんとリラックスして付き合えるようになり、最後の頃の会食では私のハチャメチャ英語が話題の中心にまでなってしまいました。彼らを案内して廻ったところの工事現場では、若手が案内役を指名されていたようで、彼らはどうしようかと弱っていたところ、私の酷い英語でみんなとコミュニケートしている事実を見て、「アレで通じているのなら、自分の方がマシだ」と自信を持って話せるようになったと喜んでくれました。
 今、私は英会話の勉強を少しずつ本気でやっています。自分流で良い、要はコミュニケートしたいという気持ちが必要だという結論に達しました。


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