OMATSURIKOZO HOMEPAGE RANDOM ACCSESS 1999-02
OMATSURIKOZO's talk salon


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1999年 2月
連載142回

私たちの周りで確かに
新しい息吹は始まっている...

「見栄え」と「実用」の中で
悪趣味なほどBuilder4500の爽やかさ


 一年のうちで一番寒い季節ですが、皆さんお元気ですか。正月まではそんなに寒くなかったので今年は暖冬かなと思っていたら、急激な寒波に襲われてしまいました。私も風邪をひきました。皆さんもご自愛を。

Celeron400MHz


 さて、新年度早々にCeleron400MHzが発表されました。インテルもやるもんです。安くて性能のいいCPUをどんどん出してきますね。このCeleronは、従来から販売されているSlot1用のSEPP版に加えて、今度はSoket7と同じ形状のPPGA版が新たに追加されています。でも、形状は同じでも電気信号が違うので従来のSoketには入りません。マザーボードメーカーにとってはSlot1用従来型はPentiumUと兼用できるので重宝していたのですが、今回のタイプは新たなマザーを作らなければなりません。こんな中途半端なものが何故発表されたのでしょう。どうもインテルの戦略が分かりませんが、ノートパソコン用にしたのかな。もっとも現在Soket7のマザーボードといっても、様々な種類の互換CPUが出てきているため、形状が同じでも電圧などの違いがあって全てのCPUが載るわけではありませんから、これはこれでパソコン界の混沌をますます深めるのに好都合なのかもしれません。私ならSlot版を購入します。
 この発表を受けて、DELLとGatewayは早速新製品を発表しました。15万円程度で本体とディスプレィが付いてくると言うものです。インターネットですぐに見ましたが、全く魅力的なコストパァフォーマンスです。私の部下にパソコンに優柔不断な男が居たのですが、この仕様を見てとうとう腰を上げることを決意したようです。私のように昔からパソコンを購入し続けてきた者にとっては、このような仕様でこのような価格のパソコンというのは「ダダじゃないか」と叫んでしまいそうなものですが、新規にパソコンを購入しようとする者にとってはやはり高い買い物のようです。数ヶ月サイクルで新製品が、しかも価格がこなれて発売される時代においては、あまり雑誌などで情報を仕入れると自分のパソコンの陳腐化に苛立たしい想いを抱くので、適当なパソコンを詳しい人間に選んでもらい、自分はいつまでも自分のマシンに満足していることの方がいいのかもしれませんね。やっと腰を上げてきた彼にはあまりパソコン情報を教えないで、多少のアプリケーションの操作だけを習熟させた方がいいのかもしれないと思っています。

必要な性能と人並みの性能


 2年ほど前、3万円で購入したGatewayの486マシンを譲ってやった甥っ子が、とうとう新しいマシンが欲しいと言ってきました。横型のデスクトップだったマシンでしたが、I/Oが壊れたときにミニタワーに改造してやったもので、今でもWindows3.1を走らせているマシンです。彼は音楽に興味があって自分で楽器も使うのですが、やはり今風の影響を受けてデジタル音に興味を抱いているわけです。3.1でもMIDIを接続していろいろやっていたようですが、USBが使えるWindows98の走るハードが欲しくなったわけです。彼も東京に出かけていろんな友人に出会ったようで、パソコンに詳しいという友人から多くの情報を集めていました。しかし、まだ学生の身ですからそんなに小遣いも持っていません。そこで私は彼に「何をしたいのかと言うことをもう一度明確にしよう」とアドバイスしました。だって、この2年間Windows3.1でやりくりできていたわけですから、本当にしたいことは絞られるはずだと教えたわけです。問題はUSBデジタルとCD-Rだということが分かってきたので、予算をそちらに分配するように助言しました。その時、我が家にはカノーブスのDA-Port USBがあったのですが、目聡い彼は早速それに目を付け、これをしっかりと握りしめて帰っていきました。

DA-Port USB


 DA-Port USBは、音楽CD-ROMをダイレクトにmp3に変換できると言うことで購入したのですが、実は出入力は全て光学式の端子となっていて、私が持っているCD-ROMにはひとつも接続できなかったのです(アナログの端子とデジタルの端子が違うってことと、アナログとデジタルの端子は繋がらないなんてことは購入まで知らなかったのです、お恥ずかしい)。我が家で唯一接続できたのは息子の持っているMDだけでした。そういうわけで買っては見たけれどさてどうしようと思っていたものだったのです。ただ、音楽というかデジタルの音に興味を持っている人には非常に興味深い製品で、例えば出入力それぞれに2ポートの端子が付いていて、パソコン、CD-ROM、MD、DATなどのデジタル音響機器を繋いでデータを相互に受け渡してくれるわけですから、こんなに面白い製品はありません。私がもう少し音楽に熱を入れているようだったら、決して彼に持ち去られることなどはなかったでしょうにね。

今さら98DOS


 私の身の回りにいる人たちのパソコンへの関わりを書いてきたわけですが、もうひとつ。実はWindows95がインストールされている98DOSの走るノートパソコンを持っている友人たちが居ます。彼らは今ハードディスクの容量が足らなくなって困っているわけですが、新しいハードディスクを購入しても今の環境をそのまま移行することができないので迷っているわけです。一人の友人は「エイや」と新しいハードディスクを購入してきましたが、うまく接続できなくて弱っていました。彼は、LANで接続されているPDにエクスプローラでバックアップを取って、新しいハードディスクを繋いで移行しようとしたのですが、新しいハードディスクには当然Windows95は入っていませんから起動もしません。フロッピーで起動してもハードディスクは当然認識してくれません。頭を抱えて私に相談してきたのですが、これは大変な作業です。単純にハードディスクを認識させて新しくアプリケーションをインストールさせさえすればいいのなら簡単ですが、今までの環境を丸ごと大きなハードディスクに引っ越しさせようと言うのですから大変です。つまり、98DOSでもPDが認識できるようなconfigを作ってやらなければいけないし、ロングファイルネームの問題もあるし、IPLの問題もあるしで、私も弱ってしまいました。とりあえず我が家でNiftyに行ってYUPDATEというDOSでロングファイルネームを扱えるソフトを落としてきたのですが、一番の大きな問題は98DOSでPDを認識させる作業です。当人はWindows95で当たり前のように認識されるPDが何故DOSで認識されないのかと言うことが分かりません。私の作業は呪文のようなものです。あるいは話をややこしくしている詐欺のようなものかとも疑ったかもしれません。私自身もDOSのconfigなんて忘れてしまっています。EMSの割り当てなんて覚えているわけない。最後に詰まったのはSCSIカードのデバイスドライバです。98DOSのシステムにあるものを使うようにかかれているのですが、現場を見渡してももはや98DOSシステムが走っているマシンなんて無いんですよ。よくよく観察したら、みんなDOS/Vマシンのノートになっているではないですか。とうとうその日の作業は諦めて、またの機会と言うことですごすごと退散してしまいました。くたばれ、98DOSマシンめ!!。

同窓会とホームページ


 古いマシンについての話はさておき、実は今年の正月に私の高校時代の同窓会を開きました。長い間同窓会を開いていなかったので、誰かが主催しなくてはいけません。そこでお調子者の私が旗を揚げたわけですが、このとき同窓会ホームページというのも作りました。昨年の年頭に仲間を集め、春と秋に葉書で同窓会の案内を出すと共に、同窓会ホームページを設けたわけです。作ったときには私の年代の人間でどの位このページにアクセスして来るものかは疑問だったのですが、案外多くの人たちがアクセスしてきてくれました。書き込み欄を設けて、そこに氏名とE-mailアドレスと書き込み内容を上げていったところ、そのアドレスに公表によって互いにE-mailのやりとりが始まっていたと言うことが同窓会の当日分かりました。その中の一人が、「数年前に中学校の同窓会を開いたとき、自分も同じことを考えたのだが、多分その時は時期尚早だったろうな。今回の企画は時期を得ていた」と誉めてくれました。私たちの年代のことですから、海外に出かけている友人たちも幾人かいます。そうした彼らもインターネット上ではリアルタイムに交信できます。この同窓会は非常に盛会で、参加してきてくれた友人たちも非常に楽しんでくれましたが、同窓会にホームページというのはこれから面白いのかもしれません。数人があのホームページを残してメーリングクラブのようにしようではないかといってくれましたが、横着者の私にはそこまで...と一応は断った次第です。

悪趣味といわれても「builder4500」


 新しいパソコンにはほとんど興味を失っていた私ですが、久しぶりに面白いなと思わせるパソコンに出会いました。どうしてパソコンから興味が薄れていったかというと、DOS/V創世記の頃にはパソコンのカバーなんて閉めている暇がないほどいろいろ内部を触り回っていたものでしたが、最近は内部に触ることが億劫になってきたからです。それは、ヘタに拡張したり、アレンジを加えるとパソコンがまともに動かなくなる可能性が高いと言ったことも理由のひとつでしょうが、パソコンを収まっている場所から引きずり出して、カバーを明け、うまく設定してしまうまで大きな場所をとってしまうというのが理由でもあります。確かにパソコンの前にケーブル類がたくさん垂れ下がっていたら美的とは言えませんが、収まっているパソコンの裏側にはいることは至難のワザです。パラレルのコネクターひとつとっても、プリンターと他の機器を繋ぎ直すことが億劫なのはその設置場所の性でもあります。富士通やNECなどのデスクトップではキーボード・マウス・USBなどが前面に持ってきているものがありますが、一般のDOS/V機では全て後ろに付いています。ある雑誌に、5インチベイのパネルに各種のコネクターを設けてマザーボード上の各コネクターを移動させようと言う特集がありました。問題は5インチベイは必ずパソコンの上部に位置するため、3.5インチFDDはケーブルをかき分けて出し入れする必要があるという点です。あまり美的とは言えない写真でしたが、「面白い」と思ったものでした。
 でも、これらは全てコネクターが前面に配置されているか、後ろに配置されているかと言うだけで、パソコンの拡張のためにカバーを明けて内部をいじるにはやはり後ろに回らなければならないと言う点では同じでした。そこで、コロンブスの卵のようなパソコンが発売されたのです。エーオーケーというショップブランドですが、「Buider4500」という機種です。内部仕様はAsusteckのマザー、グラフィックチップSDRAM16MB、PentiumU450、125MBメモリと最近の最高グレードのもので、性能もトップクラスですが、問題はそのケースなのです。マザーボードが前面からスライドさせて取り出せる構造になっているのです。つまり、普通のパソコンの背面が前面になっているわけですから、コネクター類は当然前面に配置されるわけです。では、5インチと3.5インチのベイはどうなっているかと言えば、これも前面に付いています。普通のケースの電源部とファン部を移動させて、ベイとマザーの引き出し部を同じ方向に持ってきた製品です。これで、拡張するときには引き出しを引き抜くようにマザーが取り出せるので、ユーザーの億劫さを少しでも減らしてくれそうです。ケーブル類は束ねてカバーが掛けられる仕様になっているのですが、多分ケーブルにカバーまでかける人は少ないでしょうね。この製品の極め付きは、その悪趣味なカラーです。青と黄、赤と黒などの奇抜と言うより変態に近い色使いの楽しさです。最近「見栄」が張れなくなってきた私にとって、久々に「見栄」というか、「変態」と言われることが望めそうなマシンに出会えました。このマシンは2月からホームページで販売されるそうです。http://www.aok.co.jp/で扱っています。このマシンがそこそこ売れたとしたら、ケースメーカーは新しいものを出してくるでしょうね。今、大衆向けにはVAIOやiMacといったちょっとスマートという言われる製品が幅を利かしていますが、無骨で実用一点張りという製品だって捨てたものではないと思います。

私たちの選択


 「実用」と「見栄え」というのはある種の反語ではあるのですが、これが反語であるという事実が現代の問題なのかもしれません。甥っ子の語ったことですが、「何が本当に必要か」と言うことと「何を持てば人並みか」という命題の中で、どうしても「人並み」とか「恥ずかしくない」と言ったテーゼの方が好まれてしまう現代病こそが問題なのかもしれません。商品を開発する人たちにとってもそれは非常な問題で、「必要最低限」という機能と「未来を垣間見せる夢」の機能の葛藤の中に新製品が生まれてきていることでしょう。その時、私たちがその選択を間違えてしまうと彼らもまた「本当のあるべき」と考えているスタイルとは別のところに「ユーザーが望む」というスタイルに姿勢を変えてしまいかねません。私たちがひとつの商品を購入するという行為は、選挙で1票を投じる行為に似て、直接的には大きなうねりにはならないかもしれないけれど、勇気ある提案をしたメーカーや政党に応援を与えることになります。しっかりとしたポリシーを持ったパソコンユーザーであり続けたいものだと思っているところです。


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