OMATSURIKOZO HOMEPAGE RANDOM ACCSESS 1999-06
OMATSURIKOZO's talk salon


ランダムアクセス
1999年 6月
連載146回

社内LANでおしゃべりしてると
首が飛んじゃう時代

インターネット時代は魑魅魍魎
私は次世代チップセットを待っている


 気持ちいい薫風が心をうきうきさせてくれる季節ですが、皆さんいかがお過ごしのことでしょう。5月の連休には夫婦で南東北、蔵王・会津あたりに旅行しましたが、快晴に恵まれて蔵王山渓、磐梯山がとても美しく眺められました。もうすぐ鬱とおしい梅雨の季節にはいるとは言え、今は新緑の初夏の香りをいっぱい味わってみましょう。

インターネットは見張られている


 さて、先日転職をした友人に同窓会の案内でE-mailを出したところ、なかなか返事がやってきません。仕方がないから電話をしたところ、「家のE-mailは滅多に開かないから、会社のメールに送ってくれるように」と言われてしまいました。その時には「分かった。分かった」と電話を切ったのですが、後で会ったときに企業のメール管理というかネットワーク管理の最先端についての話をしたものです。日本人のセキュリティという概念には甘さがあるとよく言われていますが、どうもプライバシーの問題や公私の問題も全てなあなあの世界に生きているようです。では、私の場合はどうかと言われても相当いい加減なもので、こうした問題について理解しているようで実際には何らの対策もしていないと言った有様です。
 実は大企業においては、社内LANの中で各個人の端末パソコンからどんなWebを見ているかとか、どんなE-mailをやりとりしているかと言ったことをサーバの中に全てバックアップして、必要なときには検索して労務管理の一助にしているという記事を読んだからです。その記事は首切りをしたいと思われる人の記録を取りだし、私的にE-mailのやりとりがあったとか、仕事に関係のないWebを覗いていたとかという理由で退職させたというものでした。まあ、「会社の電話を私的には使うな」とかは企業としては言うでしょうが、昔はその場さえ見つからなければ記録に残ることはなかったわけです。しかし、コンピューター社会になった現在、通信相手の電話番号は記録に残るは、E-mailに至っては内容まで記録されてしまうと言う世界になってきました。公私の混同をしているその彼は、「そんな記録をバックアップするなんてのはプライバシーの侵害ではないのか」という質問を投げかけてきたわけですが、「これは企業の営業活動の中にプライバシーを持ち込んだ方が悪いのであって、会社には建前的には正当な理由がある」と答えると黙ってしまいました。冗談半分に不倫の相談なんてE-mailでやりとりしていたら全部記録に残るぞと笑いましたが、会社がくれたE-mailアドレスを私的に利用してそれを当たり前という感覚に陥ってしまうと大変なことになるかも知れません。だから、個人のE-mailアドレスと会社のE-mailアドレスを別に持つ必要があることを話したわけです。また、相手先のアドレスについても少しは注意をしておいた方がいいのかも知れません。皆さんもご存じのように、***@***.co.jpなんてE-mailアドレスは、co.=company(会社)です。この部分がne.であった場合はnetの略で、多くの場合プロバイダなどある程度セキュリティを持っているところと考えたらいいでしょう。まあ、少しは警戒心を持った方がいいかも知れないよと忠告して別れたのです。

MicrosoftもIntelも


 これは企業が個人を管理するひとつの方法ですが、その他にも現在は大手企業の顧客名簿の流出だとか、プログラムに秘密のコードを埋め込んで個人情報があるところに秘密裏に送信されると言ったことはしばしば問題となってきています。インターネットのE-mailを利用して世界中のコンピューターに被害を蔓延させようとした「Melissa」というウィルスのニュースはご存じでしょうが、この事件は早急に解決されたとはいえ、その中に新たな問題を浮かび上がらせたことはご存じでしょうか。この「Melissa」は、MicrosoftのWordのマクロを通じて配布され、Outlookを通じて次々とそのウィルスを配布するというものでしたが、そのウィルスの解析中に、MicrosoftのWordとExcelにはその作業中に特殊な固有コードを発生させ、それをドキュメントの中に埋め込むと言うことをしていたことが明らかになったのです。Microsoftはそれをサードパーティの支援用のツールとして作成していたので、個人のプライバシーにはならないと発言していましたが、怪しい識別コードと言えばまだあったのです。Windows98にはそのインストール時に自動登録をすると、個人のパソコンの情報をMicrosoftに送信すると言うことを行っていたと言うことです。こんな話を聞くと、うかうか通信なんてやってられないぞとも思うわけで、スタンドアロンでパソコンを使っていた時代とは異なることを認識しなくてはなりません。もっとも「Melissa」があっという間に摘発されたのは、オリジナルメッセージがアメリカのパソコン通信No.1プロバイダAOLのアカウントを使っていたため、FBIとAOLが全面協力したからだと言われています。つまり、これは正義(?)のためということになったら、***@***.ne.といったネットワークプロバイダのところだってプライバシーなんて関係なくなるって事も覚えておかなければならないわけです。こうした秘密コードというか、固有識別コードについてはインテルのPentiumVでもそうです。あいつらは本当に何がしたいんでしょうね。多分個人情報を管理することの重要性を深く認識しているので、政府や大企業のお先棒を担ぎ、ついでに自社の利益に組み込もうと考えているのでしょう。

個人情報の防衛


 ある友人はアンケートやいろいろな個人調査に関して、なるべく答えまいとしているが、住所や電話番号など変更される可能性のあるものについては書き込むけれど、氏名と生年月日とは絶対一緒に書かないようにしていると語っていました。この2つが一致するものはほとんどないだろうから、これを押さえて個人情報として集積可能になると彼は話していました。
 いや、パソコン時代というのは大変便利にはなるものの、利用方法を勝手に解釈して用いられるとこれほど恐ろしいものはないと実感されます。個人ホームページを開いている皆さん、家族の写真だとか履歴などをアップしていると悪い奴の標的になってしまう可能性がありますよ。

低価格ネットワークのインフラ


 それでもやっぱりインターネットはどんどん広がってきています。パソコンの性能はどんどん上がってきていますが、インターネットと接続する場合に問題となるのはやはり接続インフラと言うことでしょう。プロバイダの数もサービスも飛躍的に向上してきましたが、接続電話料金はなかなか下がってはきません。デジタル通信として出発したISDNも、インターネットの通信環境として飛躍的に普及したものの、通話料そのものが維持されたままですから、時間を気にすることなく喜楽にネットサーフィンというわけには行きません。つまり、このあたりで何らかの次世代イメージが生まれなくてはならないわけです。確かにNTTのOCNサービスであるとか、DDIの常時接続サービスも生まれてきていますが、まだまだ個人が払えるコストではありません。まだデジタル通信があまり普及していない外国においては、既存のアナログ通信網にxDSLというアナログ高速通信技術が開発され、これで低コストなインターネット接続を測ろうという動きがありますが、日本では急激に動き出したデジタル通信網の整備が先行して、こうした技術の2重投資は出来ません。ところがここに来て、「IP over ISDN」という技術アイデアが生まれてきました。アナログ通信にしたところで、つい数年前までは2.88kbpsが限界だと言っていたら、xDSLという技術アイデアでデジタル通信を越える通信速度が確保できるとなったわけです。「IP over ISDN」という技術が確立されれば、ISDNの通信網を用いて約100kbpsの通信速度を月額3500円程度で常時接続できる可能性があると言われています。追加の投資金額は少なくて済むと言うことなので、少し期待をしているところです。もっとも、こうした技術的な根拠がなくてもNTTが安くしてくれればいいって言うことですがね。
 モバイル環境においても、10円メールだとか、iモード携帯とか、多種多様なサービスが生まれてきていて、それを利用していない私などはさっぱり全貌をつかむことが出来ません。1日に2回ほどはメールを調べている私などはまめな方だと思っていたら、hillsさんなどは入ってくるメール全てが携帯電話に繋がってくるサービスを受けています。私はそこまでの通信オタクではありませんから、そこそこの環境さえ確保されれば嬉しいわけで、月額5000円程度で接続自由というインターネット環境は欲しいものだと思っています。

コンピュータ2000年問題


 今年になってから2000年問題はかまびすしくなっています。コミックにおいても2000年にロシアの古いコンピューターが誤動作して世界戦争が引き起こされると言ったものが出たり、海外旅行は2000年の始めには行かない方がいいという警告が出たりで、それらを理解できない人たちが困惑しています。私の勤めている会社にも、大手の取引先の会社から「貴社の2000年問題対策アンケート」というものが何通も送られてきます。我が社のパソコンはスタンドアロンで使っているから別にナンの対策も考えていないと書き送っていますが、これって各会社の姿勢が調べられているようで、なんだか不安になったりもします。アメリカではこの問題は広く宣伝されているようで(アメリカでのパソコンの使われ方の大きな要素に税金ソフトがあるから、これは2000年問題が絡むだろうな。日本のパソコンはワープロが主流だからホームパソコンにまではあまり影響はないな)、家電会社にも「うちの冷蔵庫や電子レンジは2000年問題に対応しているのか」という質問が来るそうです。そこである会社は広告に「自社の電気製品は全て2000年問題に対応している」と載せたところ、その会社の製品が飛躍的に売れたそうです。これって詐欺?それとも頭がいいの?

新しいパソコンってなーに?


 久しぶりに新しいマシンを買おうと思いつつ、日が経っていきます。今年の始め、引き出しスタイルのデスクトップのコマーシャルが流れたので、これを注文しようと待ちかまえていました。ホームページで注文を受け付けると言うことなので、時々覗いていましたが、宣伝が出ているにもかかわらず注文欄はありません。しびれを切らしてメールを何度が書き送ったところ、試作機は作ったものの、放熱対策だとかいろいろ問題が出てきて、アイデア倒れになったような返事を貰いました。うーん、残念。あのタイプのケースさえ手に入れば後は自作でもするのですが、あのケースが手に入らないとすればなんだか気が乗らなくなってしまいました。
 このところ新しいパソコンは次から次へと発表されていますし、マザーボード、CPU、チップセット、メモリ、グラフィックカードそれぞれがぐんぐんと進化してきています。でも、それら全体がひとつのレベルになって次の段階に行くというのではなく、現在はひとつの部品の進化だけを取り上げて新製品を次々に発表するので、どれもこれもマイナーアップグレードの連続と言った感じです。2年前に私が購入したDELLのDimensionXPSH266にしても、CPUは最初のPentiumUでしたが、次のチップセットが間に合わないままの発売で、数ヶ月先にはAGP対応の新製品が出ることが分かっていて、しかも手を出したものでした。現在の製品も全てそうです。ハードディスクはUltra ATA/66対応バージョンが出そろってきているのですが、インテルのチップセットはまだUltra ATA/33しか対応していません。今最新のハードディスクを購入し、それの性能を引き出そうとすると新しいチップセットをセットしたマザーボードを購入して、再度組立直す必要が出てきます。メモリにしてもそうです。SIMMでSDRAMで66MHzが主流だった時代から、PC100からPC133へとぐんぐん移行はしているものの、実際133MHzはクロックアップする人にしか必要がないわけです。しかも、次世代の主流メモリーモジュールはRIMMのPRDRAMと言われたりしているのですから、浮かれて先行投資だとPC133メモリを購入しても仕方がないかも知れないわけです。グラフィックの規格でも、現在のチップセットではAGPX2規格しか対応していませんが、話はもはやAGPX4規格に流れて行ってしまっています。
 そう、常にどこかアンバランスな構成のままに新製品と言われて発売されているのです。CPUのクロックだって30〜50MHz単位に数ヶ月で上がり続けているわけですから、全ての環境を含めて「これぞ最強のパソコン」と言えるのはもはやほんの1ヶ月くらいしかないのではないでしょうか。いや、それよりももっと短いかも知れません。いくら見栄はりの私でも、こうした動きには付いていく気さえ起こらなくなっているというわけです。どこかで割り切る必要があるでしょうが、一番の問題はチップセットにあると考えています。現在のパソコンのCPUと他のパーツとの関係を司っているのはチップセットであり、このチップセットはマザーボードに直付けされているため、チップセットを見定めたところで新しいパソコンを購入するというのが今のトレンディかな。



returnreturn

ご覧いただき誠にありがとうございました

All Rights Reserved (C) Copyright 1995, ClubOH, PC-CLUB.