OMATSURIKOZO HOMEPAGE RANDOM ACCSESS 1999-09
OMATSURIKOZO's talk salon


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1999年 9月
連載149回

オランダ出張で再認識した
インターネット新時代

パソコンオタク文化は
アジア世界の特徴なのかな


 日本は暑い日が続いていますか。雑誌の特集にもパソコンの熱暴走対策の記事がありましたが、クロックアップでぎりぎりにチューンナップしたマシンを使っている方は注意しましょう。さて、ここオランダも暑い日が続いています。実は1昨年から続いていたオランダとの仕事の打ち合わせが終わり、今私はオランダのシールド工事に参加しているのです。私の会社が持っている日本の裏込技術をオランダで使えないかという話があっのたが2年前、話は続けながらも本当にオランダまで行くのかと自分でも半信半疑で話を続けていたら、とうとうこの夏来なくてはならなくなりました。仕事はとてもハードなスケジュールなので、今日の休日はホッとしています。今年のオランダの夏は相当暑いらしく、通年なら時々雨が続くのだそうですが、私がこちらについて初めての雨が今日です。降ったりやんだりの天気ですが、涼しくて過ごしやすいです。もっとも再び工事に参加しなくてはならない月曜日からは降っては貰いたくないですがね。

ヨーロッパのパソコン事情


 というわけで今月はパソコンに触る時間もあまりとれません。日本から持ち込んだパソコン雑誌も読んではいますが、どうも熱が入りません。現在私が滞在しているのは、ロッテルダムから地下鉄で30分ほど来たスパイケニッセという小さな住宅街で、ホテルの近所には小さな商店が並んでいるところがあります。そこにはスーパーマーケット以外に専門店や食堂もありますが、朝10時から夕方6時くらいの開店で、私がホテルに帰る時間には当然閉まっています。オランダばかりではなく、ヨーロッパではきっちりと休みが取られています。この商店街にはパソコンショップもありますが、たいした物は置かれていません。土曜日に散策してフロッピーディスケットを購入しました。10枚で10ギルダーでしたから約1枚が60円と言ったところでしょうか。京セラのレーザープリンターを多くおいてありました。ロッテルダムとデンハーグの間に焼き物で有名なデルフトというところがあり、そこは中世の古い建物がそのまま残っていて、学生町としても知られています。その街には何度か滞在しましたが、そこにも数件のパソコンショップがあります。しかし、どこもパソコンマニアの相手をしているというよりも、普通の文房具店、普通の玩具屋として存在していると言った感じです。15年以上前初めてヨーロッパに遊びに来たとき、ヨーロッパ旅行とは毎日毎日次から次の都市を廻ることがヨーロッパ旅行だと思っていましたが、そんなときにも街でパソコンショップなどは見かけることはありませんでした。その当時はアタリ、コモドール、MSXなどが主流で、ビジネスでPCを使うと言った人たちはほんの一握りだったわけです。このようなパソコンに対するスタンスは今も変わっていないのでしょう、ヨーロッパの都市でのパソコンはホビーに熱中すると言うよりもビジネスに用いる道具といった感じです。昨年デュッセルドルフを訪ねたとき、大きな百貨店のような店のなかにパソコン関係のコーナーがありましたが、ここもある意味でおとなしい品揃えの店でしたから、ヨーロッパでのパソコンに対するユーザー達のスタンスは、私の想像と大きな違いはないでしょうね。もっとも日本でも秋葉原や日本橋のような品揃えをしていてマニア達と生きているといったところの方が少ないのかもしれませんが。でも、香港や韓国ではかなりマニアックな店が並んでいるところがあったり、私は行ったことがないですが台湾などもそうしたショップが多いと聞きます。アメリカ以外ではどうもアジアの方がマニアチックな連中が多いのかな。

ホテルにインターネット


 さて、このホテルにはインターネット室があります。このホテルグループはホームページを持っていて、オランダ語と英語のふたつのページがあります。このホテルを予約してくれたオランダの提携会社の男はこのホームページのアドレスをE-mailで書き送ってきてくれていたので、来る前に一度覗いてはおきました。部屋に帰るときに覗くのですが、誰も利用している様子を見たことがありません。15分で1000円くらいという利用料金は高いのでしょうか、リーズナブルなのでしょうか。きっと高いと思う人たちの方が多いのが利用の少なさなのでしょうね。私は時間のとれる日曜日に少し利用をさせて貰いました。当然外国版のWindowsですから日本語フォントがありません。日本のサイトに入るとグラフィックスで書かれている文字は判別できるのですが、テキストの文章は文字化けして読めません。日本を出発するとき、どうせ外国からアクセスするチャンスなどはないと思っていてので、WEBサイトからアクセスできる自分のメールアドレスのパスワードを控えてこなかったことが悔やまれます。どうも私がやることは少し抜けているところがあるようだ。

E-mailの効用


 オランダの提携会社の担当者はSpeetsという名の男で、なかなかの切れ者であるばかりか精力的な男なので、いつも彼のペースに載せられては四苦八苦するのですが、なかなか憎めない男なのです。彼は私の会社の若いメンバーがサッカーが好きだというとサッカー見物を予約してくれたり、休日にはパリまでヨーロッパ新幹線で遊びに行こうと誘ってくれたり、こちらをうまく誘い込むため私たちはハードスケジュールを乗り切っているわけです。
 その彼は当初インターネットアドレスを持っていなくて、FAXでやりとりをしていた訳なのですが、FAXだと文字がにじんで読みにくいだけでなく、辞書を引くのがめんどくさいと、インターネットアドレスを取得するように言い続けていたら、今年の始めに取得しました。インターネットでやりとりするようになると先方の文書を読むのにパソコン辞書がそのまま使えるし、こちらの文章もワードチェックにかけると誤字が少なくなるので書きやすいしということで、FAXの時よりもずっと文書のやりとりが多くなってきました。外国とやりとりするにはインターネットというのは本当に役に立ちます。
 このインターネットをうまく利用するには、地球上どこの場所にいてもインターネットに接続できる入り口の確保と、WEBの上から読み出せるメールBOXが必要となってきます。このことは十分承知はしていて、自分のドメインさえ取得していたのに、結局現在持っているメールアドレスから引っ越せないままにきたことがせっかくのチャンスを潰してしまった要因です。インターネットカフェが現在もあるのかどうかは知りませんが、インターネットに接続できる場所はいろんなところに出来てきています。無理に自分のプロバイダから入る必要はありません。こうなれば要はインターネットに接続できる入り口を見つけることが出来ればいいのですし、そうした入り口はいろんなところに存在してきています。日本のなかでも自分のプロバイダのメールBOXに縛られないWEBのメールBOXを持っていれば、出張中にも出張先のインターネットに接続できるパソコンを使わせてもらえるのならメールの送受信が可能になるわけです。仕事の忙しさにかまけてこうしたちょっとした工夫を忘れてしまうなんて....。要は「慣れ」の問題で、インターネットに接続したものの日頃メールボックスを開けない人には普通のメールでさえ何日も開かないと言ったことが多いように、日頃から少しずつこうした通信のやり方を経験しておくことが必要なのでしょうね。

夏期休暇・欧州と日本


 と、書いていたら盆に帰国することができました。仕事が盆ギリギリまでかかり、海外旅行者の帰国ラッシュにあってしまうとその間は帰国できないとイライラしていたらギリギリの日に帰国ができることになりました。オランダの仕事先の人たちは「何でそんなに急いで帰るのだ。少しヨーロッパで遊んでいけ」と言ってくれたのですが、そこは日本人、日本での仕事が気になって仕方がありません。慌てて飛行機に乗ったわけです。彼らヨーロッパの人たちは、夏の間連続2週間位の休暇を仕事にお構いなく取ってしまうのですから凄いものです。日本でも土日が休みになりましたが、この夏期休暇の感覚だけはまだまだですね。

xDSL技術を使ったインターネット接続サービス


 帰国の飛行機で久しぶりに日本の新聞を読むと、ソフトバンクが東京地方でインターネットの常時接続の会社を設立するという記事がありました。私の地方でもケーブルテレビの会社が常時接続するサービスを始め、友人が加入しました。現在のところ通信速度は非常に速く、プロバイダーとNTTに支払う金額を考えるとそのサービスは十分ペイできると言っていました。数年前、NTTが始めたOCN常時接続サービスは月4万円位で、なかなか個人で加入しようとすると考えものの金額でしたが、NTTも1万円位の常時接続サービスを検討しているとありましたが、ここに来て常時接続がリアルな時代に入ってきたようです。
 家に帰ってインターネットに接続してパソコン情報を見ると、インターネット常時接続サービスはソフトバンク、東京電力、米Microsoftの3社で作る定額制サービスを2000年夏から関東地区で提供するというものだけでなく、長野県の限定地域での高速常時接続が月5000円程度で実験されていると言った話も出てきました。この長野県のインターネット接続も、これから話すサービスも、実は既存の電話回線を使って数Mビット/秒の通信ができるxDSL技術を使ったもので、アナログ電話の高速通信技術がベースとなっています。日本のインターネット時代はISDNというデジタル高速通信と共に始まったわけですが、海外ではデジタル通信網はあまり普及していなくて、アナログ通信網を何とか高速通信に用いれないかと思案されて生まれた結果のものなのです。5年くらい前まではアナログ通信網では2.88KBが限界だといわれていたのですが、その後その倍の5.6KBが普及してきています。これらの通信技術はxDSL技術の成果で、送信と受信の通信速度は異なっているものの、端末が受信する速度は非常に高速にすることができます。この通信技術は数年前から注目されていたのですが、デジタル通信網に走ってしまったNTTにとっては困ったことになっていたのです。
 ところがここに来て話は面白い方向に流れ始めてきました。xDSL技術を使ったサービスはすでに電力系通信会社の四国情報通信ネットワークが自社のメタル網を使って99年2月から本格提供していて、NTTも一部地域でADSLサービスの提供を予定していました。ところが、今年生まれたばかりの新会社、通信ベンチャ「東京めたりっく通信」(出資社ソネット・数理技研)が既存の電話回線を使って数Mビット/秒の通信ができるxDSL技術を使った画期的なインターネット・サービスを99年末をメドに始めるときました。これは関東エリアだけでなく、当初から全国展開するというのですから、高速通信・常時接続・低額というだけでなく、エリア無設定と非常に画期的なものです。 先にも書きました長野県の実験にソネット・数理技研は参加していて、その成果を全国展開しようと言うものだそうです。東京めたりっく通信がやろうとしているのはNTTのメタル回線を借り受ける形でxDSLのサービスを開始する点です。電話局内の交換機の手前にある主配線盤(MDF)で回線を取り出し、xDSLモデムなどの機器を介して各事業者のネットワークに接続することからMDF接続と呼ぶそうです。 NTTはこのMDF接続の提供を「通常の接続形態ではない」となかなか同意しなかったのですが、郵政省が「xDSLは高速アクセスを実現する有望な技術であり、NTTは他の事業者が利用できる形でMDF接続を実現するべき」と結論を出したことによって、実現が可能になってきました。たった5年ほど前一般的な普及が始まったばかりのインターネットの世界はあっという間に凄い広がり方になってきましたね。多分、私の家のインターネット接続も来年の今頃は確実に常時接続となっていることでしょうね。

やっぱり秋葉原はマニアック


 オランダに出発する前日、東京出張があり秋葉原を覗いてきました。若松通商でCelelon450を600Mhzで走らせているセットが12万円ほどで売っていました。これをベースにフルタワーで6つ位のベイを持ったケースを買って...と考えたのですが、半月以上日本を離れるのと、結局中途半端なものになってしまったという後悔が後で生じることを考えて思いとどまりました。全く私も理性的になってきたものだ。まあ、こうしたマニア向けの商品がいたるところの店で売られているという現象が日本的というか秋葉原的ということなのでしょうか。
 このところソニーのVAIOにやられっぱなしになっていた東芝がダイナブック10周年を記念して新製品を出してきました。初代ダイナブック、Libretto50ユーザーでもある私は、心の底で「東芝がんばれ」と叫んでいたのでしょう、今回のLibretto ffには少し心が動かされました。秋葉原まで出張中に足を延ばしたのは実はこの新製品を見てみたかったからなのですが、どの店で聞いてもまだ製品が届いてないと言います。遅れているのでしょうか。一度触ってみたいと思っているところです。



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