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1999年11月
連載151

証券手数料自由化時代に始まる
インターネット取引

パソコンバカチョン時代の
パワーユーザーの呟き


 めっきり涼しい季節になってきました。私が幼い頃には11月といえば木枯らしが吹く季節だったように思うのですが、最近は地球温暖化の故か、本当に寒いと感じる期間が短くなってきたように思えます。もっとも私は寒いのが苦手ですから、この現象は嬉しいのですが、どこか間違っているのではという気持ちが心の片隅に浮かんでくるのです。まあ、あまり難しくは考えず、秋の夜長を楽しくパソコンライフにいそしむことにしましょう。

オンライン株式投資


 さて、今月もインターネット関係の話題から始めましょう。私がインターネットに接続するようになってからまだたったの丸4年で、5年目に突入したばかりというのに、インターネットの普及というのはとてつもないものになってしまいました。本当に驚きです。今月私が挑戦したのは、オンライン株式投資です。金融関係の規制緩和というか、金融ビックバン最大のイベントである「株式手数料の完全自由化」とネット取引が一緒になってきた日本では、この1月だけで100万近くのネット口座が開かれたという話ですが、私もそのひとつを開いたわけです。昨年の秋には先物取引という博打で大損をしてしまったわけですから、今年は少し慎重にやろうと思っています。巷の感覚ではまだまだ景気が底打ちしたと言うことは実感できないものの、株式のダウ平均は確実に底打ちしたかなという感じがするため、お調子者の私は世間の流れに乗ってみることにしました。
 インターネットでネット取引を調べてみるとたくさんの会社がでてきます。日本だけでなく海外系の証券会社もでてきています。野村証券や大和証券などは数年前からネット取引を開始していましたが、どこもインターネット取引のセキュリティを心配して特定のプロバイダを通じてしかやっていませんでしたが、ここにきて一斉に花開いたという感じです。せっかく手数料が自由化になったのですから、できれば手数料の安いところ、しかもそれなりの信頼性が望めるところということで、ソニーが始めたマネックス証券にアクセスしてみることにしました。Webでmonex.co.jpを見つけ、取引口座の申し込みをします。後ほど郵送で書類が送られてくるので、それに書き込んで送り返すとIDとパスワードが送られてきます。後はしっかり株式の動向を見定めながらマネーゲームに参加するわけですが、最近は小口の取引が可能になり、その上取引料もマネックスにおいては約10の1位になっていますから、敷居が断然低くなってきました。株だけでなく、投資信託もこれらのネット取引は扱ってくれますから、面白い存在になってくることでしょうね。低金利で銀行に預けても少しも増えない時代ですから、分散型資産運用を考えなくてはならない時代です。あまりスケベ心を起こさない程度に考えていこうと思っているところです。

デジタル基地としてのコンビニ


 ネット取引もそうなんですが、最近コンビニエンスストアのデジタル革命の勢いはめざましいものがありますね。もともとPOSシステムというデジタルが物流網として発達してきたわけですが、これだけの数の網が出来上がると「量から質」への変換が生まれてきたようです。若い人たちには身近なたまり場となっているところも多くあるそうですが、365日24時間開いているという利便性、ちょっと歩けば必ず見つけられるという利便性は素晴らしいものです。こうした物流網に目を付けた多くの企業はこぞって彼らとの提携を模索しているわけですが、ここにインターネットが結合するという時代になってきたようです。銀行がATMや各種の振り込み、ゲームソフトの通信販売などは比較的早い時期からやっていましたが、インターネット端末と物流端末を兼ね備えた「コンビニ・デジタル基地」は、ネット取引で注文したものの受け取り基地、行政の臨時窓口など限りない広がりを示し始めています。多くの人たちにとって、現在のコンビニはまだまだ弁当と小物販売の店としてしか認識されていないかも知れませんが、インターネットの普及がコンビニの可能性をますます広げてくるに違いありません。私が利用したいのは、出張先でのホテルの予約なのです。前もって泊まりになることが分かっている場合は、最近http://www.mytrip.net/(旅の窓口)を利用しているのですが、急にその夜泊まるところを探す場合困ってしまうことがあります。電話帳を見ながら色々尋ねるのですが、インターネットから予約した方がずっと簡単に、しかも安く泊まることができるのですから、コンビニに予約システムが導入されるのは嬉しいことなんですよ。

台湾地震とパソコン


 さて、パソコンのハード、どんどん新製品が発表されてきています。この秋にはPentiumVで新しいパソコンを作ってやろうかと思っていたところ、夏頃から急にメモリの価格がどんどん上がってきて、「うーん」と考えていたところ、今度は台湾の大地震です。このところ、世界中で大地震がよく起こっていますから、またかという気持ちと大変だという気持ちが交錯してしまいました。数年前トルコ旅行に行ったことがあるので、なんとなく親近感があってトルコの地震では義捐金を送りましたが、台湾も近い国のこと、また義捐金に参加してしまいました。台湾の地震では、パソコンの主工場がある地域において停電が続いていて、これの復旧がままならないというから、パソコンメモリの価格は当分下がることはないし、その他の部品において当分供給不足から価格高騰が起こるのではないかと心配してしまいました。実際、通販をしているパソコンショップの広告にはメモリ等は時価になると書いてあったので、今年のパソコン製作は中止だなと思っていました。10万円を切るパソコンは、ショップブランドだけではなく、IBMが追いかけて発売を発表したかと思うと、とうとうNECや富士通まで乗ってきました。台湾のマザーボード、モメリが不足するとき、どうやってこんな低価格なパソコンが発表できるのかと不思議に思っていたら、アメリカではメモリ価格が下がり始めてきています。日本もそれより少し遅れてはいるものの、メモリ価格の上昇は止まり、下降気味になってきています。台湾の生産能力というかシェアというのは相当大きかったので、台湾の地震がパソコン業界において非常に大きな影響を与えるものだと信じていた私は拍子抜けしてしまいました。世界の許容量というのはもっともっと大きなものだったのですね。

新マシン製作の意欲がでない


 では、メモリ価格が落ち着いたところで新しいマシンを作るのかと聞かれても、やっぱり今年は止めにすることにしました。私が新しいマシンを作ったら現在私がメインで使っているマシンを譲り受けようと思っていた娘は、この決断を聞いて怒っています。でも、インテルはCoppermineという開発コードで開発してきた0.18μmのPentiumV733MHzのCPUを出荷開始する予定があるというし、チップセットとして次世代用として予定されていた820は延期しているしで、どこかちぐはぐなんですよね。これについては前回の記事でも書いたと思うのですが、このところのパソコンハードの進化は、その方向性については決まっているものの、出荷時期というものがコロコロと変わるために、満足できる次世代マシンは常にできないという宿命を帯びているような気がしてならないわけです。こんな事は昔からそうだったではないかという意見もあるでしょうが、昔は次世代の方向性の「かくある」というのと、「今ある」の間にはかなりの格差があったために、実際のマシンを購入してもしばらくの間は「最新鋭のマシン」と喜んでいることができました。ところが現在は「かくある」と「今ある」の垣根というのが非常に狭くなってきたため、中途半端な買い物をしてしまう可能性がとても強くなってきているのです。今最高速のAMDのAthlon700MHzのシステムを購入したとしても、インテルが明日にはもっと拡張性というか汎用性に富んだPentiumV733MHzを出してくると言っているわけですから、選択に躊躇してしまうわけです。こんな時代にはもう「見栄」を捨てて、10万円パソコンを購入するのが一番心が落ち着く選択といえるでしょうね。

無料パソコン時代


 その10万円パソコンにしても、インターネットいう怪物と手を組んだものだから、無料パソコンやキャシュバック方式、あるいはリースだとか、とんでもなく安いものが市場に流れ始めています。アメリカで始まった無料パソコンは、インターネット接続とネットバイキングを条件にしたものでしたが、個人のプライバシーにうるさいアメリカでこんなにも無条件に個人情報を明らかにするやり方が通用するのかと思っていたら、それがそれがそこそこの売り上げを上げたそうです。日本でも早速この方式をまねた売り方をしたら、募集数を超えた応募者がでたそうですが、少しパソコン情報に詳しい人なら高い買い物はしないのにと思ったものです。だって、月々インターネット上で1万円以上の買い物を1年以上しなくてはならないなんていう条件だったと思うから、こんな縛られた条件を呑むくらいなら購入した方がマシではないかなんて私は考えたのです。ところがアメリカと同様に日本でもこうした販売方式はかなり受けたということに衝撃を受けていたら、今度はNTTとIBMのタッグチームが始めましたね。OCNに加入するという条件で月々4000円程度のパソコンリースを行うというニュースです。とうとうパソコンというハードには価値が無くなってきて、インターネット上のネットバイキングに人々をかり出すツールと考えるようになってきたということを実感したわけです。つい5年ほど前のこうしたリースパソコンというのは、安いものなら型遅れのパソコン、最新のものだったら高額というものでしたが、最近では全く市販の最新型と同様のものが提供されているわけですから驚きです。インターネット世界においては、もはやパソコンで接続するするという時代から、端末の機械は何でも良いという時代に突入したようで、今までゲーム機やインターネットTVでインターネットに接続することを少し馬鹿にしていたメンバー達の方が少数派に陥ってしまうのでしょうね。

USB2.0


 Windows98の普及にともなって爆発的に普及したUSBですが、USB2.0の仕様が発表されました。今までパソコンに周辺機器を接続するためには、パソコンのハードウェアについてのある程度の知識、IRQだとか割り込みの知識と少しばかりの経験が必要だったのですが、Windows時代に入ってPlugandPlayが確実に進み出しました。USBはその産物で、単純に繋ぐだけで機器を認識してくれ、素人もプロも関係ないものにしてくれました。このUSB、そこそこの転送スピードを持っていたのですが、機器をたくさん繋いだりすると遅くなる、もう少し転送スピードの速い機種にも適応して欲しいと言った要望のもとに、高速な次世代規格が求められていました。USBと同時にPlugandPlayとして期待されていたところの規格にIEEE-1394というものがあります。つい数年前には、転送速度の遅い機器にはUSB、早いものはIEEE-1394という構図でパソコン世界は進んでいたのですが、IEEE-1394規格はなかなか普及しませんでした。というのは、IEEE-1394規格はApple社が開発したもので、その特許料を巡って各社の駆け引きが続いていたので、普及が進まなかったいきさつがあります。この規格は、AppleがFireWireとして推進しているものですが、Windowsマシンではソニーがi.LINKとしてVAIOシリーズに早くから搭載いるだけでした。日本ではDV端子を装備したデジタルカメラ(DV)の普及が進んではいましたが、なかなかパソコンでは普及していません。そこで、インテルを中心としたWindowsマシンの推進メンバー達が、既存のUSBを拡張してIEEE-1394に対抗しようと考えているわけです。
 今回発表されたUSB 2.0の最大転送速度は、480Mビット/秒、これは現行USB1.1の12Mビット/秒の40倍であり,IEEE1394の400Mビット/秒も超えることになります。そして、この2.0規格は現行のUSBと完全な上位/下位互換性を実現するということで、その時にはUSB 1.1の10〜20倍の帯域を実現するとしています。USB 2.0の仕様書の完成は2000年第1四半期、また対応製品は2000年後半の予定ということですが、確立されれば確実に普及するでしょう。でも、どんな周辺機器を繋ぐんだろうな。面白い周辺機器の登場が期待されます。

パソコンバカチョン時代の憂鬱


 まあ、USB規格というのは「パソコンバカチョン規格」ということになるのでしょうが、「素晴らしい」という思いと「マニアが存在できない寂しさ」の思いが交錯します。先般、会社の若いメンバーがパソコンを使っているというので、何に使っているのだと聞くと、ワープロだけですと答えます。その彼をシーケンサーという工業用のコンピューター講習会に行かせたところ、ROMとRAMの違いが分かったといって帰ってきました。その彼にしても、パソコンを購入するときにはハードウェアの仕様を見て、あれがいいとかこれがいいとかは言っていたのですが、本当は何も分かっていなかったんですね。10年前にはパソコンユーザー10人を集めてROMとRAMの質問をしたとすれば、そのうち8人くらいまでは答えたでしょうが、現在のユーザー10人を集めたら答えられるのはきっと2人位なのではないでしょうか。裾野が広がったのですね。昔からのユーザーとしては、嬉しいのでしょうか、哀しいのでしょうか、私にも分かりません。



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