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1999年12月
連載152

久しぶりに自作パソコンで
遊んでみることにしました

インテルのPentiumIIIはややこしい
新型CPU Coppermine登場


 またもや年末になると「えっ、もう12月か!」と叫んでしまいます。そんなに多くの仕事をしたわけでもないのに、1年というのはあっという間に過ぎ去るものです。あと数週間で1999年が終わるわけです。そうなんです、今年はいつもの年末とはちょっと違います。

Y2K問題


 2000年が目の前です。2001年から21世紀が始まることは分かっていますが、単位がひとつ繰り上がるときに私達は今生きているんだというどこか違った思いを抱くわけです。こうした思いが世界共通の認識となったのは20世紀の初めにはあったのでしょうか。20世紀の初頭ではまだまだ世界共通のグローバルな精神的共通項は形成されていなかったのではと私は思います。そうすると、地球上に人類が生まれて、それぞれが世界中に散らばり、敵対したり、握手したりを繰り返しながら、この20世紀は人類が始めて兄弟として認識した世紀だったのかなと思ってしまうわけです。
 前置きは追いといて、2000問題あるいは2YK問題は今喧しいわけです。政府は数日間の食料と水を各家庭に備蓄しておくようにと呼びかけていますし、航空会社も12/31発1/1着のフライトは中止するなどと発表しています。20世紀に生み出されたコンピューターは我々の生活にしっかりと根付き、今やコンピューター無しで生活することはできなくなってきていることの証左ではあるわけです。我が社にも2000問題アンケートというのがたくさん送られてきました。中には、対策は万全だと個人署名入りの返答書を要求する会社もありました。たしかにコンピューターの誤動作が起こる可能性がないわけではないですから、万全を期すことが必要でしょうが、全てをシステムの故にしてしまうことの方が問題だと考えるのです。だって、システムというか、コンピューターなんてものは、いつも完璧を目指しつつも、どこかでトラブルを起こしているわけです。だって、システムを動かしているプログラムを作ったのは人間であって、コンピューターが生み出しているわけではありませんし、システムの誤動作をチェックしているのは人間だという認識が必要になるわけです。先日もJRの発券機において間違った日付の券がでてきたと新聞が仰々しく書き立てていましたが、それのどこが問題なんだと思わず呟いていました。人権や生命に拘わることがコンピューターの誤動作で損なわれるとしたら問題でしょうが、それ以外の事なんてそんなに騒ぐ必要があるのかと思うのは私の天の邪鬼でしょうか。日本は2000問題対策が遅れていると指摘され、今年後半にかけてキャンペーンが繰り広げられましたが、危機を煽り立てるだけでなく、人間の知恵で乗り切れると言うことをアピールする必要もあったのではないかと考えるのです。
 ところで皆さんのパソコン、2000問題をクリアしていますか?

Coppermineの登場で混乱するPentiumIII


 さて、CPU戦争がここに来てまたもや喧しくなってきました。互換チップメーカーの雄、AMDは常にインテルの後追いチップを安く供給することでインテルに対抗してきたわけですが、今年は700MHzという非常に高速なCPUをインテルより先に市場に出しました。当然インテルも負けてはいません、733MHzというCPUを送り出してきました。と書けば話は単純なのですが、この戦争のおかげで非常にたくさんの種類のCPUが生み出され、それが一体どう違うのかと言うことが非常に分かりにくくなってきました。皆さんの中でインテルのCeleronとPentiumVの種類を全ていえる人が何人いるでしょうか。Celeronはまだいいです、単純にクロックの違いを言えばいいのですから(実はこれも途中から仕様が変更になっているのですが、現在は1元化されていると思っていいでしょう)、PentiumVに至っては同じクロックのもので仕様の違うものがいくつもあるわけですから、私はどれを買えばいいのだと言いたくなってくるわけです。当然最高速のものはひとつしか有りませんから、お金と見栄がある人は何も考えずにこれを購入すればいいわけですが、ここにも落とし穴があったのです。ベースクロックが100MHzと133MHzのものが存在し、ベースクロック133MHzをサポートするチップセットであるi820が登場してないことから、話は混乱してしまうわけです。

自作パソコンの基礎


 この話は今回の後半に詳しく書くつもりですが、とうとうしびれを切らした私は新しいマシンを組み立てることにしました。i820のマザーボードがでるまでは情報収集だけにしようと思いつつ、とうとう衝動買いのように部品を集めてしまいました。このとき、マザーボード情報、CPU情報、メモリ情報というのがパソコン組み立ての基礎となるわけですが、こいつがよく分からなかったわけです。そこで、ここで復習というか、皆さんの参考になればと情報を整理してみましょう。

高速FBSの新時代と新型PentiumIII


 パソコンのベースとなるのは、マザーボードの命であるチップセットです。このチップセットによってベースクロック(FSB)が規定されてしまいます。もっとも現在では廃人御用達の掟破りのマザーボードがたくさん発売されていますから、話はますますややこしくなるのですが。長い間パソコンのFSBは66MHzが主流でしたが、現在市場に出回っているマザーボードのFSBは100MHzが主流です。インテルの440BXというチップが一番多く採用され、互換のチップもたくさんでています。CeleronのFSBは66MHzですが、100MHzのチップセットを載せたマザーボードに載せてFSBを強制的に高くすることによって高速に動かすことが流行っています。インテルのPentiumVやAMDのK6シリーズは100MHzがベースとなって作動するCPUです。ところが今回インテルが発表したPentiumVは、名前がほとんど同じでありながら、仕様が大きく異なるふたつのものが同居しているのです。しかもFSBが100MHzと133MHzがあるわけですから、4種類になる周波数のものがあります。古いタイプのPentiumVはKatmaiといって0.25μmで製造されたもので、2次キャッシュは「512KB L2 Cache」と言われるCPUコアの外にあるものでしたが、今回発売されたCoppermineは0.18μmで製造され、2次キャッシュは「256KB On-Die Cache」と呼ばれるようにキャッシュ量は減ったもののCPUコア内部に配置されたため256bitのフルスピードでアクセスできるようになったものです。このCPUコア内部に配置される2次キャッシュ構造はCeleronがそうですが、キャッシュ量は倍となっています。CopperminePentiumVが「256KB On-Die Cache」という構造になればCeleronと同じで、Slot1構造ではなくSoket構造でもかまわなくなるということで、今回のPentiumVからはSoket構造のものも登場すると言うことです。整理すると、KatmaiでFSBが100MHzと133MHz、CoppermineでFSBが100MHzと133MHzのものが同時に発売されているわけですから、普通の人にはその区別は付きません。同一周波数のCPUには、Coppermineの印としてEを、133MHzの印としてBを付けてはいるのですが、複合しないところの周波数のものには何らの印が付いていないので分かりにくいです。購入するときには、「新しいタイプのPentiumVのFSB133MHzの600MHzのもの」といった言い方しかないですよね。
 では、CoppermineFSB133MHzのCPUは速いのかと言えば、インテル440BXでFSBを上げて用いても相当速いと言うことですが、なにしろFSB133MHzをサポートする本命チップであるi820が登場しないため、まだまだ売れ行きは芳しくないとのことです。i820が登場したらグンと動き出すのかも知れません。

Athlonとクロックアップ耐性


 というわけでPentiumVについてのおさらいが出来たでしょうか。ではAMDのAthlonの方はどうかというと、これもなかなか性能がいいようです。同一周波数ではPentiumVよりは高性能であり、明らかに旧タイプのPentiumVであるKatmaiよりは性能が上のようです。しかし、私はAthlonは選ぼうと思いませんでした。確かに同一周波数のものを持ってすればAthlonの方が高性能かも知れませんが、AMDの出すCPUは全体的にクロックアップ耐性が低く、無理矢理に高クロックにしても動かないことが多いのです。インテルのCPUはロットにもよるのでしょうが、クロックアップ耐性が高いので、細工をかけたい人には最適です。

私が購入したパーツ


 といったパソコン今日事情を了解した上で、衝動買いをしてしまった私の話の方に進みましょう。このところずっとパソコンには醒めていた私ですが、FSB133MHz時代とか、新CPU発表とか、高速3Dグラフィックカードとか、雑誌に新情報が次々に載り、しかも改造記事が当たり前のように載っている今日、久しぶりにパソコンを組み立てて見たくなってきたわけです。インターネットなどで情報を調べ、最高速なマシンを組み立ててやろうと考えてはいたのです。たとえ数週間でも自分のマシンは最高速なのだという見栄を実現しようと思ったりしていたのですが、部品を集めて組み立てようとしたとき、ついコストパァフォーマンスの方に傾いてしまいました。  パソコンケースについては、絶対にベイの数が多いフルタワーと決めていました。私の古いパソコンにはフルタワーが2台ありますが、ふたつともATケースであるため現在主流のATXのマザーボードが入りません。そこで、ATXのフルタワーを探します。フルタワーというのはなかなか無いのですね。ミドルタワーやミニタワーについてはデザインや色は豊富ですが、フルタワーについては無骨な収めるだけと言ったものしかありません。

見栄から実用の選択


 秋葉原を歩いているとき、「128MBのDIMMがマザーあるいはCPUと一緒なら16800円」という看板を見つけ、「おっ、安いかな」と足を止めたところ、店頭に「450MHzPentiumV、600MHz作動確認ロットあり」と書いてありました。600MHzPentiumVを購入すると、うまくいけば700MHz近くで動作させることが出来るかも知れないが、うまくいかなければそれまで、600MHzが5万円と450MHzが2万円の差をどう考えるかと思案したあげく、このチップを購入してやれと店に入りました。店に入るとフルタワーのケースもあります。「ここで購入したものを宅急便で送れますか」と訊ねたところ、「送料は別に頂かなくてはいけませんが..」といかにもめんどくさそうな顔で言うので、ここの店で買う客というのはとことん安いものを求めに来ている人たちばかりなのだなと感じてしまいました。カウンターのところには、「カードを利用されるお客様はカード利用料5%を表示価格に上乗せしていただきます」とも書かれています。おいおい、キャッシュがどれ位あったかなと思い調べてみると、1セット購入するほどの支出をすると汽車賃までが無くなってしまうかも知れないと銀行で下ろすことにしました。
 結論を出すと早いものです。あまり種類のないフルタワーケースは「これ」の一言で済むし、マザーボードとCPUは「看板に書いてあった組み合わせを」と言えばいいわけです。こうして商品を集めているとだんだんうち解けてきた店員は、「実際に動かしたCPUで、箱が破られているのがあるのですが」というので、その方が確実と思い、店で試したマザーAopenのAX6BC typeRと450MHzPentiumVKatmaiCPUを買うことにしました。すると店員は「実はこれを600MHzで動かしたとき、メモリはP130のDIMMを使ったのです」と言います。店の前の看板のP100のDIMMは使えません。仕方がないので「P130のDIMMをくれ」というと、値段が下がってはきたものの性能がいいメモリがないのだと言うではありませんか。「いつまで待ったらいいの?」と訊ねると「性能と価格が安定しないP130のDIMMの仕入れは当分見合わせるのだ」という話。これじゃあパソコンは動かないじゃないか。他の店で都合をつけることにして、メモリの専門店を教えて貰う。続いての選択はビデオカードだ。最近のビデオカード事情に疎かった私も「Geforce」や「G400」といった名前は知っているし、主な価格帯が35000円程度ということ位は知っていた。その店の片隅には「G400」の2モニタータイプのバルクが18000円であったので、友人から「日本語版の方が安心」とは言われていたのだが、コストパァフォーマンスを考えてこれを購入。HDDは7200回転のIBMの13GB。DVDも当然。Windows98SE、100BASEのカードなど、必要なものを集めて金額を合計すると送料、消費税を含めて125000円程。当然これにDIMMの値段も入れなくてはならないが、かなりこだわって購入したとしてもこの位の金額で買えるのだなと思ったら少し拍子抜けしてしまいました。メモリを探しに行くと、その店の店員が言っていたように、メモリ専門店でも品薄でした。専門店の店員の言うことには、「いい製品ならP100のものでも133MHzで余裕というものがあったが、今のP100はそんなものがないし、P130の割高さを考えるとあまりお奨めできないな」ということ。しかし、どうしても133MHzで動かしたい私は22000円で128KBのものを求めました。  家に到着した部品を集め、組み立てたわけですが、晩酌を飲んでからの作業、しかも数年ぶりの組み立てと言うことで少々戸惑ってしまいましたが、何とか完成。無事にWindows98SEがインストールできました。



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