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OMATSURIKOZO's talk salon


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2000年3月号
連載155

家庭内LANの完成を目指して
プリントサーバであえなく沈没

インターネットブームが呼び起こした
楽天性と悲観性


 春を迎える前の一番寒い季節ですが、みなさんお元気でしょうか。今年の冬は暖かいと喜んでいたら、結構冷え込むことが多く、春が待ち遠しい気持ちになります。暑さ寒さも彼岸までといいますから、あと少しの辛抱でしょう。

家庭内LAN完成に向けて


 LANを家庭内で繋いでいるユーザーがどっと増えてきていますが、ほとんどの人はファイルの共有くらいで止まっていることだと思います。我が家のLAN環境ではファイルの共有と同時に、プリンタ、インターネットを共有しています。この共有作業には2つの方法があって、Windows98のOSが提供してくれているソフト的な形での接続方法と、ハード的に新しい器機を組み込んで行う方法とがあります。ファイルの共有にはイーサネットカードとハブ、ケーブル以外のハードは必要ありませんが、他のふたつはOSが提供するソフトサポートではインターネットに繋がっているパソコンやプリンタが繋がっているパソコンを常に起動しておかなければならないと弱点があります。LANに繋がっているどのパソコンからでもインターネットに直接接続することが出来るハードとしてルーターがあり、これを介したらメインパソコンの電源が入っていなくても簡単にインターネットに接続できるというお話はこのところ書きましたね。このルーターにはISDN接続用のものが一般的で、最近ではアナログ電話でもサポートするものまで出てきています。私の家はインターネット接続をISDN接続からケーブルテレビ接続に変更したため、こうした器機は使えなくなりましたが、hillsさんが書いていた器機を導入することによってルーター経由の接続が完成しました。

ハブとプリントサーバを購入


 ところがプリンタに関しては、OS経由の方法を採っているため、プリンタが繋がっているパソコンを先に起動させておいてからしか使えないのです。娘の部屋からプリンタ出力しようとするとしばしばエラーが起こり、「お父さん、印刷できない」という苦情に、またまた設定を見直すと言った不都合がよく起こっていました。最近メインのパソコンを変更したため、この不都合は致命的なものになってきました。昔DOS時代、プリンタ切り替え器と言うが出ていて、私もこれを用いていましたが、LAN環境を持つ人間がOSの設定がよく分からないとこれを用いるのは恥だと取り外していました。上記のような不都合が続き、もう一度これを引きずり出してきたのですが、もう壊れてしまっていました。そこで、昔TOSHI先生が書いていた「プリント・サーバ」という器機を購入することにしました。そこで、今まで4ポート10BASEしか持っていなかったので、この時ついでに8ポート、10/100のハブも求めることにしました。ある友人が「おまえ、まだ10BASEか、もう100にしないと遅すぎるぞ」と馬鹿にした調子で言うものですから、カード関係も少しづつ100BASEに切り替えて来始めたときでした。ブラネックスという会社からなかなかコストパァフォーマンスが高いと思われる器機を出していたので、FX-085MCというハブとFX-08SMCMini100というプリントサーバを買い込んできました。ハブについては単純に取り替えるだけです。このハブはスイッチングハブと書いてありましたが、私はこれを10と100の切り替えだとばかり思っていたら、どうもこれは間違いのようでした。ふたつの通信方法が混在可能という意味ではなく、通信方法のやり方の名称だったのです。ハブにはリピータハブとスイッチングハブがあって、リピートハブは全てのパケットが常に全てのポートに送信されるのですが、スイッチングハブでは送信の相手先を調べてそこにだけ送信するため、複数の通信が出来たり効率のよい通信が出来る方法だそうです。まあ、もっとも最近のハブではたいていスイッチングハブになっているようですからあまり関係ないか。

繋がらないぞ


 問題はプリントサーバでした。このプリントサーバというのは、たばこの箱程度の大きさで、プリンタの後ろのパラレルポートに直接接続し、このサーバの後ろにはイーサネットポートを持っていて、これとハブを繋ぐだけでいいのですが、ソフト上の設定が必要になります。このハードでは3つのネットワークプロトコルをサポートしていて、インターネットで用いられているTCP/IP、Microsoftネットワークで用いられているNetBEUI、NetWareで用いられているIPX/SPXがあるわけですが、これのどれかで接続すればいいわけですから今までLAN環境をしていたところの環境においては別に新しく設定は必要ではありません。プリンタの追加で「ポートの設定」を正しく設定できればいいと言うことまでは了解できたのです。NetBEUI設定を行った後、プリンタのテスト印字を行おうとしても反応がありません。何度やってもうまくいきません。そこでTCP/IP設定を行うことにしました。この設定ではまず最初にプリントサーバにIPアドレスを設定してやらなければなりません。マニュアルの通り設定を行い、pingコマンドで確認してみるとコードが帰ってきます。プリンタのプロパティを変更してテスト印字をかけてみるのですが、やっぱり同じです。「うーん、何でだろう?」と頭をひねりながら、マニュアルの後ろの方を読んでいると「双方向パラレルポート」を利用するプリンタではうまく印刷できないことがあると書いてあります。これはWindows95から採用された機能で、プリンタの情報をパソコン側に返すことが出来る機能で、「Windows Printing System」というやつです。この機能はそれなりに便利で、印刷中に「用紙がない」とか「トナーがない」とか言ってくるやつです。我が家のシャープJX-9210はまさにそれに当たります。「詳しくはインターネットでどうぞ」とあったので早速アクセスしてみたのですが、エプソンやキャノンの機種については詳しく不都合を書いてありましたが、シャープの機種はひとつもありません。そこで、他機種の設定を真似して色々試行錯誤してみたのですが、シャープやキャノンの機種でもソフト的に設定変更をかければ出来る機種とどうしても接続できない機種があるとあったので、結局諦めることにしました。お勉強、お勉強。1万円近く投資したものですから、どうしよう。新しくプリンタを買おうかな、もっともそっちの方が高くなってしまうけどと悩んでいるところです。

猫も杓子もインターネット


 インターネットブームと10万円を切るパソコンの登場によってパソコンを取り巻く状況は一変してしまいました。このことについてはこのところしばしば言及しているところですが、つい先般片田舎の小さな町にする人と知り合いになりました。彼はその町で今「パソコン何でも屋」を開業しているそうですが、「そこそこに飯が食えるのですよ」と話していました。ちょっとした都市になら古くからのパソコンユーザーがいたり、会社で使っているという人たちがいたので、そうした人たちがパソコン伝道者となってパソコンの基本的な使い方など素人に教えていたのでしょうが、田舎町になるとパソコン教室と言うほどのものも無いし、隣近所にパソコンに強いという人も居ないと言うことで商売になるそうです。こんな話を聞くと、「パソコンは難しい、家電のように使えなくては」と言った意見が多く出た頃、「パソコンを使うためにはある程度の知識は必要であって、自動車の免許が教習所に通って取るように、パソコン操作にも訓練は必要だ」と書いた記憶が思い出されてきます。当時はDOS時代からWindows時代への転換期でしたが、このところのパソコンの普及はまさに燎原に火がついたような勢いです。インターネット接続最大プロバイダはNTTのIモードだという記事が載っていましたが、若い人たちのこうしたインターネット熱気は年輩の人たちまでに波及して、家にパソコンを設置しようと思う人たちが増えてきました。私の弟は今まで決してパソコンを触るなんて言い出しませんでしたが、中国の取引先とやり取りするためにE-mailを利用する方がよっぽど得だとやっと理解して、家にプロバイダ契約のリースパソコンを導入しました。ついでにちょっとした図面を引くのにCADを使ったらどうだというと、鉛筆と消しゴムの方がマシだと言い張っていますが、多分キーボードとマウスになれてくるに従って使うようになってくるでしょうね。本当にパソコンは一家に一台、いやそれ以上に普及するようになるのでしょうが、これを利用できる人と利用できない人との間にどんな差が生まれるのでしょうか。

デジタルカメラの高性能化にただ唖然


 デジタルカメラの高性能化へのスピードアップはパソコン普及と対になっているのか、インターネットのホームページ作りと対になっているのか、プリクラの人気と関係しているのかは分かりませんが、まったくもって激しいものです。つい数年前までは100万画素数時代なんてまだまだ先だと思っていたら、100万、200万、とうとう300万画素数というか、数百万画素数時代に突入したようです。未だに40万画素数のデジカメしか持っていない私は、買い時を失ったまま指をくわえて見ているだけの状況ですが、その性能の高さには参ってしまいます。友人の一人に新聞社のカメラマンをしているのがいます。その彼が「若い奴らはデジタルカメラをばんばん使っているが、俺らはやっぱりアナログカメラでないとな」と言っていたのですが、今ではPhotShopを使ってトリミングや修正をしなくてはならなくなり、デジカメも使わざるを得なくなっているようです。プロのカメラマンしか使えなかった高性能機種が10万円程度で購入できる時代に入り、いままでデジタルカメラを馬鹿にしていたアマチュアカメラマン達までが果然興味を抱いてきているようです。年輩の知り合いに写真好きな人がいて、数年前デジカメのプリントアウトを見て馬鹿にしていたのですが、同窓会を開いたとき仲間が200万画素数のデジカメを持ってきてみんなを撮ってくれたそうです。それをプリントアウトしたものをすぐに送ってきてくれたのですが、その出来映えを見て感心してしまい、早速カタログを集め始めました。普通の撮る分には旧型になった200万画素数のデジカメがコストパァフォーマンスが高いと言えますが、凝り性の彼は発売が始まったばかりの数百万画素数デジカメを狙っているようです。

クラッカー騒ぎに胸騒ぎ


 さてこのところクラッカーによるHP攻撃がしばしば起こっています。アメリカのインターネット検索最大手の「ヤフー」などが狙われたシステムの機能停止攻撃(短時間にホストコンピューターの処理能力を超えるような大量の情報をインターネットなどを通じて送り付け、機能をまひさせる)や日本の中央省庁のコンピューターに侵入、ホームページを書き換えたりファイルを破壊するなど、クラッカーによる破壊活動が目立ってきています。日本の官庁のホームページ改竄では、中国語で南京大虐殺に触れ日本政府を批判するなど、サイバー(電脳)テロのような政治性もにおわせているが、これも本当にそうであるかどうかは分からないわけです。識者達は、「ハッカーは技術者としてのプライドの高さから、甘いセキュリティーを軽べつしているところがあり、その甘さを警告する目的で侵入することもある」などと述べているわけですが、ここまで事を大きくし始めると本人達の意志を越えて、新たな意味を付加する人たちも登場、最後には国際関係の悪化にも結びつく可能性まで出てきそうで、何か背筋に冷たいものを感じてしまいます。インターネットによって世界は非常に狭いものになり、情報の早さと客観性が世界の平和に貢献するのではないかと楽観的に思っていた私は、今回の事件を見て、逆に戦争の引き金の役目をするかも知れないと「諸刃の刃」の裏を見てしまったような気がします。インターネットが生み出してしまった世界は、もはや後戻りはできないものでしょうが、泥沼への入り口にだけはなって欲しくはないと思ってしまいます。
 民間のインターネット関連調査機関「サイバーセキュリティ・コンソーシアム」は、コンピューターへの不正アクセスを試してもらう「公開アタック実験」を1カ月間行うと発表しました。インターネット上に仮設店舗を設けて公開し、一般の人の不正侵入攻撃を受け付け、店舗には不正侵入を監視するソフトや防御能力に優れている基本ソフト(OS)などが組み込まれており、これらの有効性を確かめるということですが、悪質な攻撃を仕掛ける人は決してこのようなところには不正アクセスなんかしないだろうし、これが本当に稼動したときにそうしたメンバー達に有効かどうかというと疑問が残るでしょうね。サイバーテロやサイバー泥棒なんてのは映画や小説の中だけにして欲しいものですね。
 今までどちらかといえばハッカー擁護に回っていた私も、このところのクラッカーのやり方にはどこか釈然としない思いに捕らわれてしまい、少々愚痴めいたことを書いてしまいました。



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