OMATSURIKOZO's talk salon

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2001年5月号
連載169

無線LANの続きです
アイオーにメルコを繋ぐ

最近のパソコン情報誌の動向
あまり面白くないですね

 春うらら。我が地方のPCクラブ分会でも花見をしましたが、本当にいい季節になりました。我が家では庭に植えているチューリップやスイトピー達が次々に花開き、ツツジの蕾もすっかり膨らんできました。五月の季節といえば新緑、会社に通う田舎道の土手や山々では緑が勢いよく映えてきています。何か命の息吹が満ちあふれるといった感じの季節です。5月の連休にはベルギー・オランダに遊びに行く予定にしています。
 さて、今月の話題と言うことになるのですが、最近は欲しいものは手に入れた、これ以上何をパソコンでするのかとまたもや低迷期に入っているところです。我が家で無線LANまで構築し、一応これ以上の環境を作ることもないかとなってしまった時、この「PC通信」の原稿ネタが無くなってしまいました。大森編集長に「どうしよう?」と訊ねたら、「何かデッチ上げてください」と言う冷たいお言葉を受け、例によってのウダ話を作らなければならない羽目に陥ってしまいました。どんなウダ話を書こうかと思っていたら、またもや我が会社の若手がけっこうなネタを運んできてくれました。

パソコン「ドツボ」の男


  彼はこのところパソコンではかなり「ドツボ」に嵌っているにもかかわらず、飽くなきチャレンジ精神でますます「ドツボ」の中に嵌り込んでいます。最初はウィルスでハードディスクのデータをぶち壊され、これの修復に汗だくだく、やっとこれが修復できたと思ったら今度はケーブルテレビ局のインターネットを無線LANで接続しようとして冷や汗。でもよく頑張っています。私でもかなり手こずった設定を「ひょんな形で繋がってしまった。もう一度設定しろと言われても多分出来ないだろうけど」と言いながら、自宅の居間でインターネット接続できるようにしてしまいました。「設定できたら勝ちだよ」と笑っていたら、この男、どこまで調子づくのか、私が携帯用にと渡してやったLibretto 50にメルコの無線LANカードをまたもや購入してしまったのです。
 自宅でインターネットに接続しているものの、有線で接続していたら場所が限定される、何かいい知恵はないですかと聞かれたのが数ヶ月前。それならケーブルモデムをルータと無線LANに代替えする方法があるよと教えたところ、是非それを購入したい、ひいてはどこで購入したらいいだろうと相談がありました。私は当然kakaku.comを教えて、その中で一番コストパフォーマンスが高いだろうと思われるサイトでの購入を勧めました。初心者は素直です。直ぐにそこで購入しました。設定に手間取るだろうと考えていましたし、最終的には私が出向かざるを得ないかも知れないと思っていたところ、数日の悪戦苦闘の末繋がってしまったと言うではないですか。「こいつ、ひょっとしたらやるじゃないか」と感心してしまったところはあるのです。私が彼に購入を薦めた機種は、WLAL-L11というケーブルテレビ対応モデルのステーションとノートパソコン用にWLI-PCM-L11というカードタイプのアダプタです。友人のROMROM君もメルコのセットを購入していると聞いていたもので安心して薦めたわけです。結果は上に書いたとおり、ひょんな事で繋がってしまったというのです。

運だけでは設定が出来ない


 これで満足していればいいものを、彼を外国に出張させる時に「小さいパソコンが欲しい」というのでつい私のLibretto 50をやってしまったのです。これを貰った彼はつい嬉しくなって新たにWLI-PCM-L11を購入してしまったのです。ところが私のLibretto 50はかなりのソフトを導入していたものですから、インストールソフトを導入した時マニュアルに書いてあるとおりには設定が進まなかったようです。さんざんあずった挙げ句私のところに持ってきました。購入したという話を聞いたとたん、「購入する前に何故自分のカードで試してみなかった」と聞いたところ、「それぞれにカードが必要と思いこんでしまった。言われてみればそうですね」と沈み込んでしまったので、「分かった。私がやってみよう」と持ち帰って設定をやってみることにしました。結果は彼が言ったとおりで、どうやってもうまくいきません。我が家で何度か試した方法をこれに適用しようと思ったわけですが、やっぱりダメです。無線LANカードについて言えば、あまりたくさんのソフトを入れていないマシンでは簡単に接続できますが、相当たくさんのソフトを導入しているパソコンではなかなか設定がうまくいきません。前回アイオーのUSB対応のアダプタを導入したVAIOに入れて設定するとすんなりと導入できました。本当にどこに問題があるんでしょうかね。結局無線LANをどうしても入れなくてはならないマシンではないLibretto 50については設定を諦めることにし、このWLI-PCM-L11は我が家で使うことにしました。1,3万円で購入したと言っていたWLI-PCM-L11ですが、1万円で私が下取りしてやることにしました。彼は喜びましたが、私は得をしたのでしょうか、それとも損をしたのでしょうか?、そこのところが今もってよく分からないのですが....。

アイオーの無線発信能力は


 もうひとつ、無線LANの話題。アイオーのステーションであるWN-B11/AXP はコンパクトでカッコイイので大変気に入っていたのですが、その無線能力に疑問を持ったわけです。というのは、無線LANにおいてはその通信状態をパーセントで表していて、私の無線LANでは同じ部屋で100%、2部屋も離れると60%となっています。ステーションの位置が2階の私の部屋で、1階の居間では40%を切っていました。それでもインターネットに接続するとそんなに遅いとは感じなかったので、こんなものだろうと思っていました。ところが我が家には別棟にまた部屋があって、そこからLANに接続しようとすると20%を切って時々LANが途切れてしまうのです。友人の1人がメルコのアダプタを持ってきて、それで接続してもやっぱり同じです。その部屋とすーションがある部屋とは直線距離で10m程度、窓を開けて接続しても感度が30%程度しか上がりません。「うん、無線LANなんてこんなものなんだろう」と笑っていると、その友人は家に帰ってメルコのシステムでの感度を報告してくれました。彼曰く、「我が家では直下の部屋でも60%、2部屋ぐらい離れていても80%程度の感度がありますよ。お祭り小僧さんのところは少しおかしいのでは」と言ってきました。アイオーのステーションが発信する無線能力はひょっとして低いのではないだろうかと、少し気になっているところなんです。誰か比較する方法があったら教えてください。

CD-Rの普及


 さて、CD-Rの普及は凄いですね。前にも書いたように、2年ほど前私のお薦めのCD-R/RWよりはMOの方がアクセススピードが速いとMOを購入した年輩の知り合いも、最近では「どうもCD-R/RWというのがえらい人気だそうだね。あの時CD-R/RWを買っていたら...。いやいや、自分のマシンはWindows95だからMOの方が良かったんだけれど...」と最近の風潮に、我の強い彼も少し強がりが弱くなってきています。彼に何故CD-R/RWなのかといわれた時、「CD-R/RWで作ったメディアは今のマシンであればどこでも読めますが、MOでは読めるマシンが限られていますよ」と言ったわけがようやく分かってきたようです。しかし、この数年の間のCD-R/RWの普及にはめざましいものがあります。もっともCD-RWをよく使っているという人の話は聞いていませんし、私も滅多に使うことがありません。だって、CD-Rのメディア単価が50円を切っているわけですから、ハードディスクの単価も低いし、CD-RWで何度も書き直すなんて事はめんどくさいです。

倍密度CD-RWドライブ


 ところが1.3GB容量の倍密度CD-RWドライブがソニーから発売されるのですね。ATAPI接続で12倍速CD-R/8倍速CD-RW/32倍速CD-ROMの性能ということなので、20倍速時代に入ったCD-Rとしては少し遅いものですが、容量が倍です。この倍密度規格とは、DDCD規格というものでソニーとPhilipsが開発した倍密度CDメディア用のフォーマットで、従来規格のトラックピッチとピット長を縮小することで実現されているという。従来650MBの容量だったCD-ROM/R/RWのメディアがこれによって倍の1.3GBに高められ、いわゆるシングルCDと言われる小型の8cmメディアを使った場合でも400MBという大容量記録が可能になると言うことだ。従来のフォーマットも当然サポートされているが、この規格で書き込んだものはこの規格を満たしたCD-ROMでなくては読めないと言うのも当然である。つまり、倍密度について言えばMOと同じともいえるわけです。うーん、書き込み容量が大きいからこれは面白いと単純に考えてしまうわけには行かない。
 では価格はどの程度のものかと言えば、ドライブの「CRX200E」が28,800円〜29,800円、DDCD対応CD-Rメディアの「CDQ13G1」が298円、DDCD対応CD-RWメディアの「CDRW13G1」が598円とまあそこそこのものです。新規格の商品としてはリキが入ったものだとは思うのですが、私はまだ買う気がでてきません。だって、DVD-ROMをコピーできる容量ではないし、自分のデータで640MB以上の大きさになるものなんて今は考えられないからです。まあ速度競争が激化してきているCD-Rの世界では、この倍密度規格が普及する頃には24倍速CD-Rといったものが当たり前になっている可能性が強いと思います。

最近のパソコン情報誌


 最近はパソコン情報誌をあまり読まなくなりました。時間が限られている中で、コミック(メジャーな雑誌はたいてい目を通しています)、小説(月に数冊は読んでいます。宮部みゆきの「模倣犯」はなかなか面白かったですよ)、仕事関係の本、それにパソコン情報誌だったわけですが、最近英語の小説にも嵌りこれが時間がかかるのです。その上、パソコン情報誌を本屋でざっと目を通すのですが、その内容が「自作」「デジカメ」「スキャナ」「インターネット」といった典型的なものでしか無いという有様で、昔のような「先取り情報」というのが消えてきています。情報誌までがハウツウ本になってきていると感じてしまうのは私だけなのでしょうか。実際のインターネットの情報が「先取り情報」になってしまったため、雑誌は使い込みのための情報、つまりハウツウ本になってきたのでしょうかね。どの雑誌を見てもだんだん個性が無くなり、通り一遍のことしか特集していないと思い、購入するものの読まないままに日が過ぎてしまうと言うことが多くなってきました。付録のCD-ROMは、袋も切らないまま積み上げられ、もはや処分に困っているという状態です。

閉塞感がパソコン状況にも


 そうした雑誌の中で、伝統の「ASCU」は少し読ませてくれます。「今月のコラム」群に載っているいろんなコメントには現在のパソコン情況に対する斜に構えたコメントがお目にかかれます。みんなが同じ方向性へと流れてきている現在のパソコン情況というのは、これだけパソコンやインターネットが普及してくるとパソコン素人の方が多くなり、彼らが対象となることは当然なのでしょうが、どこか気味が悪いと思いませんか。最近のパソコン雑誌やインターネットのパソコン関係の情報に少し違和感を私が感じてしまっていたのはそんなところだったのかも知れません。昔、「MAC教」「MZ狂信者」「98リアリスト」なんて色分けが付いていた頃、尖った面白いこと、自分の所有するマシンを斜めに見ることなど、パソコン能力が狭い範囲であったにもかかわらず、その想像力がパソコン世界を広げていたことを思えば、現在のパソコン情況というのは極めて閉塞してきていると感じてしまいます。これだけパソコンが普及し、たくさんのユーザーが増えたにもかかわらず、マイナーというか先鋭的な論法で作り上げる雑誌が生まれない、あるいは生きられない(「PC WAVE」が潰れたのはいつだったかな)と言うのはどこか現在の日本の中途半端な閉塞感と似たところがあるのかも知れません。不況だ、不況だということで自分たちの情況を妙に納得させているわけですが、実は不況そのものが原因ではなくて、この目に見えない閉塞感が不況を呼び寄せているのかも知れないと感じています。
 もっともこうした閉塞感を破ることが出来るのはやっぱり政治状況でしょう。自民党の中での動きは始まっているようですが、これがコップの中の動きなのか、それ以上になるのか。それ以上になることを期待しているのは私だけでしょうか。


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