OMATSURIKOZO's talk salon

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2001年10月号
連載174

テロ時代の防衛
どんどん攻撃的になるウィルス


Pentium4時代が始まった
「千と千尋〜」までブロードバンド。

 大変な事件が起こりましたね。最初にニュースを見た時には何らかの事故で旅客機がビルにぶつかってしまったのかと思っていたら、続けざまに激突。しかもビルが倒壊してしまうと言うところまで進んでしまいました。確信犯のテロとはいえ、あそこまで結果を読んでいたのでしょうか。被災された人達にとってはとても悲惨なことには違いありません。アメリカは「これは戦争だ」と全世界を巻き込んで臨戦態勢を強いてしまいました。多分テロを仕組んだメンバー達にとってはあまりの成果(?)に却って恐怖を覚えているかもしれません。世の中をちょっと斜めから見る癖がついている私にとって、世界の警察を自認するアメリカの怒りには少し恐ろしいものを感じてしまいます。歴史を振り返ってみれば既得権を獲得してしまった国家が、これ以上の争いを避けるため自分たちが獲得してきたものはそのままにして新しい争いを起こすものを罰しようとする流れがあります。武力による解決方法には多くの悲惨がともないます。「テロに報復を」という論理はテロと同次元の発想に他なりません。長い時代にわたって持たざる者であった者達にとってみれば、今さら何が民主主義だと言うかも知れません。京都議定書を拒んだアメリカにはそうした持たざるものの恨みを買う要素が充分にあったとも言えるわけでしょう。結局、強者の武力による解決(?)はさらなる憎しみを生み出すだけかもしれません。こうしたテロリズムは私たち富んだ国から見れば狂気そのものとしてしか見えないでしょうが、貧しい国においてはおごり高ぶっている強国の狼狽えぶりに歓喜するという光景があります。単純な武力報復を主張するのではなくて、テロリズムを生み出している土壌そのものへのアプローチが望まれているのではないでしょうか。

HP閲覧でウィルス感染


 またまた新しいウィルスがでてきました。しかもこいつが強力なのものだから、時期が時期、新しいテロ攻撃なのかと言われたりもしました。このところ非常に感染力の強いウィルスが世界中に猛威をふるっていますが、この「W32Nimda」というウィルスは感染経路に特徴があります。従来ウィルスについて言えばメールについてくると相場が決まっていましたから、知らない人からの添付ファイルは開かずに処分すれば良かったのですが、今回はサイト閲覧で感染してしまうという強力なものです。「W32Nimda」は最初にサーバに侵入し、このサーバにあるホームページなどを閲覧しているパソコンにウィルスを送り込み、このパソコンのアドレス帳にある宛先に次々とウィルス入りの添付ファイル「readme.exe」を送りつけるというものです。なかなか手の込んだ手法で感染させるものです。ウィルスに感染したサーバは見かけ上変化が見られず、アクセスしたパソコンにどんどん感染させていくと言うから始末に負えません。感染してしまったパソコンはいずれファイルが破壊されてしまうというのは従来通りですが、ホームページを閲覧している最中に勝手にウィルスを送り込んでくるなんて言うのは本当に参ります。このウィルスもそうですが、パソコンの場合もっともユーザーの多いMicrosoftのWindowsと、その上で走る閲覧ソフトである「IE」、メーラーの「Outlook」が狙われています。私はこれらのソフトが取り立ててセキュリティが低いソフトだとは思っていませんが、大きな影響を与えることができるソフトである以上その欠陥は突かれやすいと言うことがあるでしょう。友人の中にはこんなことがあるからMicrosoftのソフトは使えないなどと言っているものもいますが、それも選択肢のひとつでしょう。私も数年前までは他の閲覧ソフトを使っていましたが、会社のメンバー達との互換性を考えて「IE」「Outlook」に代えてしまった事情があります。Microsoftには「もっとセキュリティの高いソフトを」と要求することは当然でしょうが、多分どんなにセキュリティを上げていっても標的にされてしまったらウィルスは作り出せるでしょうね。ニューヨークの貿易センタービルではないですから、自己防衛を図るしかないでしょう。
 自己防衛としては、第1にインターネットにパソコンを繋ぐのならウィルス駆除ツールを導入して、定期的にバージョンアップを行う。第2には知らない人からのメール、特に添付ファイルは絶対に開かない。知っている人のメールでも何のファイルかのコメントがないものは開かない。第3にインターネットを閲覧する時にはまさかがあるという認識を忘れないと言ったところでしょうか。自分のパーソナルなパソコンデータが破壊されても仕方がないとしても、他人まで巻き添えにしないことは最低限のマナーです。

Pentium4時代、突入


 とうとうPentium4時代へ突入しましたね。2GHzの新パッケージが登場しました。たしか1GHzのCPUが登場したのが昨年の初めでしたから、わずか1年半で1GHz速度が向上したというわけですが、ムチャ早い向上率です。昨年末私が購入したPentium4-1,5GHzでは423ピンの5cm角ほどのものでしたが、今回新しいパッケージも登場しました。478ピンとピン数が増えたにも拘わらず大きさは3,5cm角の小さなものになってきています。おいおいおい、これで又私の頭は混乱してしまうぞ。マザーボードを選ぶ時気を付けなくてはなりません。最近のインテルの方針は同じCPUで複数のパッケージがあるので注意が必要です。よっぽどCPUについて詳しい人でなかったら全部のパッケージについて知っている人はいないでしょう。まあ混乱してしまうとはいえ、矢継ぎ早に発表されるCPUは、旧機種をどんどん低価格に落とし込んでくれます。昨年末私が10万円で購入したPentium4-1,5GHzなんて今では2,5万円を切る勢いです。

「intel845」RDRAMは捨てられた


 ただPentium4の普及を阻害していたのがチップセットでした。インテルは当初Pentium4のメモリは速度の速いRDRAMしか採用しないと言っていたのですが、とうとう路線変更をしました。任天堂の64にも採用されたランバス社のRDRAMは非常に処理速度の速い次世代のメモリと待望されていたのですが、ライセンス料を巡るやりとりから業界の足並みが揃わず、とうとう主力規格から落とされてしまいました。私が購入したマザーはチップセットが「intel 850」で、メモリはRDRAMしかサポートされていませんでした。ところがインテルはここに来て今時の主流メモリであるPC133 SDRAMに対応したチップセットである「intel 845」を発表しました。これでPentium4マシンの組み立てに余分なお金がかからなくなってきたわけです。確かにパフォーマンス的には若干のレベルダウンになるのでしょうが、特殊なメモリしか使えないと言うのではなかなか普及しません。インテルはここで少し技術的には譲歩し、市場の動きに追随することを決めたようです。ではランバス社のRDRAMにはまだ目が残っているのでしょうか。どうもこの動きもないようです。インテルは価格的に安くなるであろうと踏んでいるDDR SDRAMを次の主力メモリと考えてきているようです。来年の前半にはDDR SDRAM対応のチップセットが登場することになるでしょう。価格と性能のバランスがトータルで保証されるマザーボードが登場するのはその時でしょう。

WindowsXPは導入すべきか、否か


 さて、今年の年末商戦の目玉と噂されているWindowsXPはどんなものなのでしょう。WindowsMeについては一度インストールしたものの再びWindows98SEに戻してしまった私としてはこのWindowsXPをどうしようかと考えているところです。WindowsXPはMicrosoftが長年計画していたビジネス系列のNTシリーズとホームユースの95系をまとめたもののようです。Windowsを構成する部分にはアプリケーションの動作に直接関係する中核部とインターフェースや付加機能を司る周辺部があって、従来のシリーズではこの中核部が別々のものでした。ところが今回のWindowsXPでは、中核部はWindows2000を改良し、周辺部をWindowsMeを改良した形で持ってきたようです。WindowsXPではHomeとProfessionalのふたつのパッケージがでますが、これらの中核部はまったく同じもので、Homeバージョンは家庭内では使わないだろうと思われる機能を削っているだけと言うことです。これはどうもWindows2000を逃げていた私にも新しいチャンスのようです。友人達の何人かはWindows2000の方が安定性もいいし、互換性についてもかなりとれてきていると言っていましたので、少し様子を見て考える価値はありそうだと思い始めているところです。

WindowsXPのライセンス認証


 問題はというか、問題はないはずなのですが、私たちのようにマシンを次々といじり回し、いつの間にか違ったパソコンになってしまっていたという人達に、今回のWindowsXPで採用されたライセンス認証はどのようなことになるのだろうと一抹の不安がでてきます。前回までのOS認証はインストール段階だけであったのに、今回からはハードウェアを追加や交換した時ライセンス認証が必要となるそうです。つまり、インストしーションIDは、インストールする時点での「プロダクトID」とパソコンのハードウェア情報を取り込んだ「ハードウェアID」というのを参照して生成されると言うことです。うーん、どんなものになるのでしょうね。

デジタルシネマ時代


 「千と千尋の神隠し」、見に行きました? 今年の夏にはたくさんの話題作が劇場で公開されましたが、「千と千尋の神隠し」は大ヒットだったそうです。邦画最大売り上げの「もののけ姫」をあっという間に抜き去り、洋画の巨頭「タイタニック」を抜くかもしれないと言うことです。私も見に行きましたが、とても気に入ってしまいました。私は女房と出かけたのですが、子供達もそれぞれに見てきたようで、女房を除いて評判が良かったです。彼女はあんな化け物みたいなのが一杯出てきて気持ち悪かったというのです。彼女にとって許せるお化けは「ととろ」くらいなのかもしれません。
 さて、この「千と千尋の神隠し」ですが、ごくわずかの上映館ではデジタル上映されたそうです。デジタルシネマというのは、「いわゆるフィルムを使わない上映スタイル」と言うことになるのでしょうか、ルーカスなどもスターウォーズで試しているやつで、記録物はフィルムではなくハードディスクといったらいいかな。スタジオジブリでは、原画・動画・背景画などの素材までは手書きで、それ以降の処理を全てスキャンしたデータの上でコンピュータ処理をさせてきています。こうしてできた画像は、人の温かみを残しながら、しかも製作工程を縮めるばかりでなく、その後の上映過程においても大幅なコスト削減が図れるわけです。現在では上映館の多くがフィルムしか扱えない構造になっていますが、データをそのままスクリーンに映し出すことができる上映館では、フィルムのプリント・配送・回収・破棄といった手間が要らなくなってきます。デジタル上映された上映館のうち1件大阪では光ファイバ網を利用したデータ配信での上映も試みられたそうです。各家庭のインターネットにしてもブロードバンド通信の時代ともてはやされて、画像コンテンツの家庭配信といったテーマが大きく取り上げられていますが、商業的にもかなりの実験が行われているようですね。
 ブロードバンドといえば、今話題の中心はADSLですね。私の友人達も続々と「フレッツISDN」から「フレッツADSL」に乗り換えてきています。価格の問題もそうでしょうが、何よりも速度の速さに魅力があります。ISDNとADSLを単純比較しても、64Kと1Mですから16倍のスピードです。今ADSLは価格戦争の時代に入っていますから、乗り換えるチャンスではあります。友人に冷やかしで「YahooBBはどうなんだ」と訊ねたところ、「価格は安く言っているがどうなることなら分からん。ここはやっぱりNTTだ」とさんざんNTTの悪口を言っていた友人もいざとなるとNTTなんですよね。

ADSLに乗り換えよう


 このNTTとADSLですが、当初NTTは「ADSLはISDN回線と干渉して不都合が多いからやらない」と言っていたのです。実際干渉している地域もあるらしく、ある地区の人が申し込むと「その地域ではサービスができません」とあっさり断られたりするそうです。また中継局との距離の関係で速度がなかなか出ないことがあったり、光ケーブルが敷設してしまっていて鉄線がなくなっているからサービスできないと言った話も聞こえてきます。NTTにしても手間が掛かることはやりたくないわけですから、マニュアルには「できない地域です」と言うようになっているそうです。しかし、どうもねじ込んだやつが勝ちという話が聞こえてきます。ISDNと干渉することは確かですが色々と手法はあるようで、雑誌などにも奮戦記が紹介されています。友人の場合、速度が思ったほどでないのはモデムの故ではないのか、回線も調べてくれと色々注文を出していましたが、まあ嫌な顔はしたのでしょうが、NTTの人は辛抱強く付き合ってくれたそうです。窓口であっさり断られても他の方法を求めて申し込んでみてください。高速通信は魅力ですよ。


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