OMATSURIKOZO's talk salon

ランダムアクセス
2001年12月号
連載176

WindowsXP どうですか?
私の場合 置いたままです


レーザープリンタを新しくしました
何か新時代を感じさせるもの 出ないかな

 日々の日常、1日1日を目隠ししたまま歩いていたら、あっという間に1年は経ってしまいます。私が幼かった頃は、秋から冬にかけての寒さはもっと厳しかったような気がするのですが、今はやっと本格的な秋に入ったかなと思った途端、目の前に年末が来ています。世の中の動きは明るさも感じさせることがなく、何かに追い立てられている気分が蔓延していますが、せめて私たちだけでも前向きに背筋を伸ばしていきたいものですね。

WindowsXPはインストールしましたか?


 さて、WindowsXPが11月に発売されたものの、皆さんインストールしてみましたか。私の友人の多くは「98SEで当分やるよ」と言っています。あまりパソコンに詳しくない人達は、どうもOSのバージョンアップというかニューバージョンの意味が分かっていないようです。「新しければいいことだ」と言った感覚の方が強いようですが、古くからパソコンに付き合ってきた人達はどうも腰を落ち着けて対応しようと考えているようですね。私もOEM版のWindowsXPを購入しました。バージョンアップ版ではないので、新規にインストールするハードディスクが必要です。現在のハード状態のままで進めるのなら、Cドライブに別パーテションを切ってインストールすればいいのでしょうが、どうも億劫です。
 雑誌等を読んでみると、WindowsXPはなかなか面白そうなOSだとは思います。私が購入したProfessionalバージョンはWindows2000の後継と言うことになるのでしょうかね。長い間MicrosoftがWindows95シリーズとNTシリーズを統合したいと言っていたのがやっと実現したわけですが、どうも時代はインターネットの普及という大きな節目を通り越したため、OSの統合などは小さな出来事へと落とし込んだようです。まあ、「よく落ちるWindows95シリーズ」から「落ちてもひとつのアプリだけのNTシリーズ」への転換は良いことなのかもしれません。

新しいOSには新しいパソコン?
星野製キューブパソコンは


 ここはひとつ新しいパソコンでも、と思っていたところにお騒がせの友人が再び現れました。昨年末、私にPentium4の購入を薦めた彼です。数年間新しいパソコンを購入せずに辛抱していた彼は、私のPentium4マシンの改造を手伝ってくれ、その時の余り物であったPentiumVを持ち帰ったわけです。これで再び高性能パソコンへの欲望に火がついてしまった彼は、今年1年次々にマシンをグレードアップしてきました。その日我が家に持ち込んだのは、アルミケースで有名な星野金属が出していたキューブタイプの筐体で作られたパソコンでした。22cm真四角のパソコンにはCD-R/Wまで入れて、とてもかわいらしいものでした。もっと小さいベアボーンキットが発売されたので、話のタネに私も新しいのを作れよと言うわけです。http://www.soldam.co.jp/sp/index.htmlのホームページを覗くと、新しいベアボーンキットが限定発売されていました。なかなか好評のようです。少し心は動揺したものの、さてどうしよう。

エプソンLP-900を購入しました


 実は5年ほど前に購入して以来ずっと使ってきたシャープのレーザプリンタJX-9210の調子がとうとう悪くなってきました。電源を入れた途端にエラーが出たり、紙送りが悪くなったり、色々と不都合が出てきたのです。年末も近くなり、年賀状印刷もあります。最近は町内会の役員もやっていますから、色々な印刷物も頼まれます。ここは心機一転と、エプソンのLP-900を購入しました。よく考えてみるとこれが3台目のレーザプリンタです。前の2台はそれぞれ5年ほど使ったわけですから、まあいいかと言ったところです。値段は当然のことながらどんどん安く、しかも性能は上がってきています。今回のLP-900は30,000円でした。女房は年賀状印刷にカラープリンタをと言いましたが、印刷スピードが速くなったとは言え、やはりカラープリンタのスピードは遅い。やっぱり速度が速いレーザの方が使い勝手がいいとLP-900に決めました。LP-900の使い勝手はというと、もうレーザプリンタはそこそこの実績があるものですから、こんなものだと言うだけのことです。A4モノクロレーザの新製品が出ていましたが、実売価格が10,000円から高いとLP-900で充分と判断しました。発展途上の製品では次世代機の性能は大きく異なることがあり、購入判断を間違えると「しまった」と言うことも多くありますが、成熟期の製品では価格が一番だと思っています。
 そう言えば今年の年賀状、郵便局はカラープリンタ紙の賀状を多く発行したそうですね。昨年の倍以上発行したにも拘わらず、あっという間に売り切れたと言うことですから、相当パソコン−デジカメ−カラープリンタというのは普及しているのでしょうね。ちょっと昔、写真印刷の賀状をよく貰ったものです。我が家でもプリントゴッコで賀状を作ったことがありました。どうも時代は変わってきたようです。

DVD新製品にガックリ


 発展途上の製品といえば、DVDビデオレコーダーもそうです。先月号に書きましたが、私はパナソニックのDMR-E20というDVDビデオレコーダを買ったわけですが、もう新製品が出てきました。http://www.mei.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn010926-1/jn010926-1.htmlに上がっていたPanasonic DMR-HS1という製品です。値段は私が購入したものよりも確かに高いのですが、DVD-RAM,DVD-RをサポートするDMR-E20に40GBのハードディスクを付けたものです。私が「うーん」と唸ってしまったのは、現在のDMR-E20では編集ができるDVD-RAMで作ったデータをDVD-Rに持っていくことができないという致命的な欠点があったからです。DVD-RAMで作ったデータをどこかに待避してそれをDVD-Rにコピーするには、もう一台のDMR-E20を購入するか、パソコン用のDVD-RAMドライブを購入してパソコンのハードディスクを利用するしかないわけです。私の計画としては、パソコン用のDVD-RAMドライブを購入する予定でしたが、民生用のDMR-E20のフォーマットとパソコン用とが同じかどうかの疑問に悩まされていたわけです。つまり、DMR-E20で作った映像データをパソコンに持ち込み、そのドライブのデータが読み込めるかどうか、続いてハードディスクに待避できるか、またハードディスクからパソコン用のDVD-Rに転送したものが一般のDVDプレーヤで読み込めるかどうかなど分からない点が多いわけです。その点、DMR-HS1は単純明快なものです。自前のハードディスクにいったん待避しておいたら、DVD-RAM,DVD-Rのどちらにでも自由にコピーできるわけですから、ちょっと残念と思ってしまったわけです。少し以前の私だったら、安易な道よりもちょっと困難でも可能性の方に賭けていたのですが、今は確実さの方に流れてきているようです。

半導体は私たちの生活をどこに?


 「ランダム・アクセス」を書き始めてからもう15年になろうとしているのですね。昔でさえ10年一昔と言ったものですが、今や3年一昔といった感じです。インターネットの普及、携帯電話の普及といったものは、単純にそのものの普及と言うよりは社会インフラそのものまでに影響してきます。マイカーが普及する前には交通手段として、公的交通機関であるJR、電車やバスといった乗り物が主流であったわけですが、マイカー時代を迎えてから交通手段は大きく変わっただけでなく、駅前商店街、街中商店街の在り方さえも変わってきてしまいました。先日、ある見本市で駐車していたところ鍵を付けたままロックしたことに気付きました。JAFに電話をしようと公衆電話を探しましたが、どこにも公衆電話がありません。結局携帯電話を持っている人に貸して貰って連絡をしたのですが、全国どうもこんな状況になっています。公衆電話の7割が赤字なので、これからもどんどん縮小していくと言った傾向があるそうですが、これって公的交通機関が縮小されていった流れによく似てませんか。半導体が生み出した生活は、私たちの生活を大きく変化させていくのでしょうね。

パソコンに「夢」が消えてきた


 10年ほど昔には「パソコンには夢がある」などといっていた私ですが、最近ではあまりパソコンに夢を感じられなくなってきました。あまりにも普及してしまったパソコン情況は、あまりにも無秩序であまりにも野放図のような気がして、少しずつ私の感覚とズレが生じてきています。確かに高性能、低価格にはなってきました。社会的認知としても高いものになりました。仕事の生産性においてはパソコンはもはや欠かせないものになってきています。それなのに、私には「夢」が無くなってきたと感じるのはどうしてなのでしょうか。それは懐古趣味なのでしょうか。このところの私の冒険心の減退はどうもそこにあるようです。「あんなこともやってみたい、こんなこともやってみたい。しかし、それを実現するためには少しの努力と少しのお金が必要だ」「方向性は見えているのだけれど、その実現には多少の困難と犠牲もあるだろう」と言った感覚を持っている時に「夢」という概念は生きているのであって、そこに何の工夫もなく当たり前のように実現できるものはもはや「夢」のかけらが残されていないのかもしれません。例えばWindowsXPを上げてみるならば、新しいOSを導入する手間とそれによって得られる可能性を較べた時、Windows95の時とは大きく違っているのです。Windows95当時には、OSが初めてコンベンションメモリを解放してくれたため、今までDOSベースで様々な工夫をして使っていたところのLAN環境やインターネット環境を簡単に手に入れることができました。DOS時代にはパソコンを能力一杯に使おうとすればそこには自ずと工夫が必要でしたが、Windows95はそれを開放してくれたわけです。やっとひとつのステップを超えたぞ、次は?といった「夢」がまだ残っていましたが、WindowsXPにはそこまでの可能性が見えてこないのです。

発展途上技術と成熟期技術


 発展途上の技術というのには私はかなり興味を覚えるのですが、成熟期に入った技術にはあまり興味が感じられないと言ったことなのでしょうか。外部記憶装置として今では当たり前の存在となっているハードディスクも、私にとっては3番目の外部記憶装置でした。1番目はカセットテープレコーダ、2番目がフロッピーディスクです。このハードディスクにしても、当初は大きなフロッピーディスクといった概念でしたが、DOS時代からWindows時代に変わる過程で大きく意味が変わってきました。つまり、OSがハードディスクの中に入り込み、あたかもハードディスクがOSそのものに見えるような形に変化してしまったからです。DOS時代にはいくら100MBの大容量というハードディスクでも、DOSの占める位置は起動を司る以外は大きな意味を持っていなかったので、個々人のパソコン環境というのはせいぜいconfig.sysとautoexec.batが異なっているくらいでした。しかし、Windows時代に入るとOSはハードディスクの中に棲み込み、100MBは決して大容量とは言えなくなり、個々人のパソコンは全てのおいて異なったものに変わってきました。現在、ハードディスクの容量は10GB以上、大きなものとしては100GBという時代になってきましたが、用途としては1GB時代と変わってはいません。この点が私の不満なのです。
 初期のレーザプリンタにしてもそうです。ドットプリンタ時代には内蔵フォントがいかに綺麗かというのがテーマでしたが、ページ概念で印刷するレーザプリンタは革命的なものでした。ドットプリンタで印刷した文字はなかなか綺麗なものでしたが、いかんせん文字の大きさが自由になりませんでした。当時のプリンタはプリンタ内蔵の文字を打ち出すものであって、画面をそのままに印刷するものではなかったのですが、Windows時代に入り、画面そのものを印刷する概念が始まりました。当時のドットプリンタの解像度では画面そのものの印刷は難しかったのです。そこで登場したのがレーザプリンタであり、インクジェットプリンタです。たしかに現在のプリンタの解像度は素晴らしいものになっています。ドットプリンタ時代の解像度は180DPIから240DPIでしたが、今では10倍の解像度になってきています。ここにおいても技術と用途が重なっています。デジタルカメラもそうです。カシオがデジカメを出した当時にはおもちゃかと言われたものですが、Windowsとカラーインクジェットプリンタの性能向上のおかげであっという間に普及してしまいました。デジカメもカラーインクジェットプリンタも現在もなお機能向上が図られていますが、個人で手に入る印刷までの写真技術というコンセプトの域以上の概念を示したものは出てきていません。
 つまり、この間のパソコン情況で賑やかなものは全て数年前に完成したところの技術概念というか、用途概念から脱皮できていないのです。このあたりで突拍子もない新しい概念が出てこないものかと期待するわけです。


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