OMATSURIKOZO's talk salon

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2002年6月号
連載182

悪夢の一夜
最新ウィルスに冒されました


先月号の浦島太郎の彼
ADSL接続が完了したそうです

 天候不順な日が続きますね。だいたい五月は五月晴れという言葉にあるようにカラッとした太陽が出てくるのが当たり前と思っていたら、今年はまったく梅雨のようです。土日曜日には農業を楽しんでいる(?)私にとってはこの天候不順には頭を悩ませています。エルニーニョ現象だと専門家は言いますが、私に言わせれば「能書きはいいからとにかく晴れてくれ」といったものです。まあ、天候に悪態をついても仕方がありませんから、天道様のいうとおりと素直にしたがっていきましょう。ところで皆さん、今年のゴールデンウィークはどのように過ごしましたか。私は、四月から五月にかけて、立山黒部アルペンルートと韓国・釜山に旅行してきました。かすかな雨には見舞われましたが、肝心の場所ではいい天気に恵まれ、なかなか楽しい日を過ごしました。新緑に恵まれたこの季節、旅行は快適です。通勤時に通る土手道も黄色の花の絨毯で、気持ちを爽やかにしてくれます。気分をリフレッシュして、今月も頑張っていこう。

浦島太郎からの電話


 先月私の家を訪れてインターネット接続がしたいといっていた古い友人ですが、やっとADSLでインターネットに接続できたと報告してきました。パソコンが届いた日にも電話をかけてきて、「マニュアルにはWindowsMeやXPのインストールについて書いてあるのだけど、自分はWindows98SEで頼んだのに...」と言ってきます。「電源は入れてみたの?」と訊ねたら「まだです」と答えるので、「多分そのパソコンにはWindows98SEが入っていると思うから、そのまま電源を入れてご覧なさい」と答えました。「その時、番号を問い合わせてくると思うからそれは間違えないように」と電話を切りました。久しぶりのパソコンで舞い上がってしまったらしく、とにかくマニュアルから始めようとしたのでしょう。少し心配はしたものの、何かあったら電話してくるだろうと放っていたら、少し遅い時間にまた電話です。「パソコンが立ち上がらなかったの?」と聞くと、「ちゃんとWindows98SEは立ち上がりました。ところが電源の切り方が分からないのです」と言うのです。古い時代にパソコンをかじっていた人は、ハードディスクというのは非常に精巧な装置でむやみに電源を切ったりすると機械が壊れてしまうと知っているのです。まあ昔、信号待ちでもバッテリーの消費を押さえるためにライトを切っていた人が居たことを思いだしてしまいました。彼が言っていることは原則的には非常に正しいのですが、まさかWindowsの終了方法を知らないとは思いませんでした。「スタートメニューをクリックして、Windowsの終了が出てきますからそこを押して..」と説明すると、電話の向こうですぐ実行したようです。「あっ、モニターの電源まで切れた」と感動した様子で答えてきます。「ところで、インターネットはどこにしたらいいのでしょうか?実は調べたところ、我が家はギリギリのところでADSLが届くのです。プロバイダはどこがいいでしょうか」と畳みかけるように質問してきます。「おいおい、基本的なことも勉強してないで...」と思わず口に出してしまいました。「あまり細かい金額のことは別にして、無難なところと契約しておく方が無難だよ」といろいろインターネットのプロバイダの変遷について話しておきました。本当にプロバイダの栄枯盛衰も凄かったですからね。ADSLにしたところでNTTがこんなに豹変するなんて今でも信じられないくらいですから。

ADSL接続には困ったそうです


 その彼が「やっとインターネットに接続できました」と報告してきました。2時にNTTから配線業者が派遣されてきて、インターネットにアクセスできるようになったのが6時半で、本当に大変だったといいます。「新しいことに手がけたらそんなモンだよ」と答えると「いやいや、本当に大変だったんですよ」と一生懸命説明してくれます。最初は電話が繋がらなくて色々障害を取り除いてやっと繋がったそうなのです。家を新築したとき、1階と2階に電話を配線して分岐させていたそうなのですが、それが悪いという話になってそれを直して貰ったのですが、それでも繋がらない。「もしかしてガス検知装置を付けていませんか」と言われ、「付けてますよ」と言うと「それかも知れない、ガス会社に言って取り外して貰いましょう」と言うことになり、ガス会社から来て貰ったりと色々あったのですが、何とかNTTからは認識できるようになったそうです。「ガス検知装置がADSLに悪影響を及ぼすなんて話、知っていますか」と聞いてきます。ADSLは電波障害には弱いという話は聞いていましたが、具体的なことを知らなかった私は「へぇー、そうなんですか」と言うほかありません。「ADSLには色々問題があって、NTTが当初腰が引けていたのはISDNとの干渉が怖かったこともあるんだよ」とすこし講釈を垂れたとしても、今ではADSLに関しては彼の方が先輩になってしまいました。「ところがこれではインターネットには繋がらなかったのです。OCNへの認証が取れなかったのです。NTTに言うと、これはうちの問題ではありません。あとはOCNさんと相談してくださいと言われてしまったんです。仕方がないからビジー状態のOCNに何度も電話をかけ続け、相談員に事情を説明したところ、数人の人が変わってくれて、あれこれの設定を指示してくれたんです。何度かかけ直してやっと繋がるようになりましたよ」と報告してきてくれたわけです。

しつこく質問をかける者が勝ち


 いや、彼もなかなかのものです。私なんか、なまじ自分で何とか解決を図ろうとしてドツボに嵌ることが多いのですが、適切な指導員を見つけて乗り越えたあたりなかなかのものです。それにしても彼のような人を毎日相手のしている人達って、本当に大変でしょうね。私だったら、そのうちに切れてしまい、「何も分からないやつがパソコンなんて使うな!」叫んでしまうかも知れません。ご苦労様です。したたかな彼は、私への御礼代わりに「お祭り小僧さんの今月の原稿ネタには間に合ったでしょうか」と言ってくれました。ありがとう。ネタに困っていたんです。

それは突然やってきた


 実は昨夜、今月も原稿ネタに困ってうろうろして色々雑誌やネットを見渡して話を絞ろうとしていた矢先、「今日はお家に帰って原稿書き」と会社を出ようとしていたところ、若い部下がパソコンの調子がおかしいのですと言ってきました。「おいおい、もう締切は今日一杯位なのに..」と焦りながらも事務所に舞い戻りました。  1週間ほど前、私が誤って大きなデータフォルダーを消去しかけ、慌てて取り消したものの、確かに記憶にあるファイル群が見あたらなくなったことがあったのです。「ウン、こんな時には気分を落ち着けて」と心で言い聞かせ、このパソコンのハードディスクにはアクセスするなと指示を出し、ファイル復活のソフトはと考えても「ノートンディスクワーク」はありません。そのパソコンに入っているのは「ノートンインターネットセキュリティ」だけです。他のツールはないかとフリーソフトも検索してみますが、Windows用の有効そうなものは見あたりません。仕方がないので、友人に電話をかけて「ノートンディスクワーク」を都合して貰い、会社まで届けて貰いました。データドライブはCドライブではなかったので、これをCドライブにインストールしようとするとうまく行かないのです。原因を突き止めるよりも「ノートンインターネットセキュリティ」のアンインストール、それから「ノートンディスクワーク」のインストールを優先することにしました。この時、必要なものだけをインストールして「ウィルスチェッカー」を外してしまったのです。「ノートンディスクワーク」の性能はさすが、と言いたかったところですが、サブフォルダーの下のたファイルまでは復活させてくれませんでした。これって、当たり前なんでしょうか。小さなフォルダーが数個無くなったままです。仕方がないから、CD-Rに取っておいた少し古いバックアップで我慢することにしました。この時、「ウィルスチェッカー」のプログラムを元に戻さなかったことがどうも次の悲劇を読んだようです。

何だ,この大量ジャンクメールは!


 パソコンの「Outlook Express」にどんどんジャンクメールが入ってきています。消しても消しても添付ファイルを付けたジャンクメールが溜まります。なにせ、我が社では今もってISDN接続ですから、添付ファイルがつくと受信に時間がかかって仕方がありません。これは確かに何かおかしい。主なファイルは「リターン通知メール」と言うことになっていますが、こんなメールは出した覚えがありません。新しいウィルスは、侵入したパソコンの中でメールアドレスなどを見つけだし、@発信元を勝手に選び出し、A発信先を勝手に選び、Bたいそうなことに中のファイルを取り出して勝手な内容に改造して添付メールにしてくれるという話は聞いたことがありました。この大量のメールはウィルスに冒された自分のパソコンから発信され、それが行き先不明になって返ってきているのか、それとも発信先にうちのアドレスが選ばれたのかが分からなくなってきました。こりゃ困った、原稿どころの話ではないぞ、どう対処しようと考え込んでしまいました。もし自分の会社のパソコンが発生原因で他社のパソコンにまで被害を与えたらと思うと、ぞっとしてしまいます。

建前通りにはいかないな


 半年ほど前、「自己防衛としては、第1にインターネットにパソコンを繋ぐのならウィルス駆除ツールを導入して、定期的にバージョンアップを行う。第2には知らない人からのメール、特に添付ファイルは絶対に開かない。知っている人のメールでも何のファイルかのコメントがないものは開かない。第3にインターネットを閲覧する時にはまさかがあるという認識を忘れないと言ったところでしょうか。自分のパーソナルなパソコンデータが破壊されても仕方がないとしても、他人まで巻き添えにしないことは最低限のマナーです」と書いた私に「まさか」がやってきたのです。とりあえず、インターネットの接続を止めようと「Outlook Express」を閉じたのですが、ルータのアクセスランプが消えたと思ったらまた点灯しているではないですか。手動でOFFしてもまた点滅し始めます。再度「Outlook Express」を立ち上げてみるとメールの数はまた増えています。もうこれは初心に返らなくてはと思うものの、どこから手を付けたらいいのか、あっちこっちうろうろしてしまいます。

ドツボに嵌るとはこういうこと


 当然ウィルスの可能性は高いのですから、インターネットを切断して「ノートンインターネットセキュリティ」のインストールをしたのですが、何度やっても途中でWindowsが止まってしまいます。一度「ノートンディスクワーク」をアンインストールして試してみてもダメです。CD起動でDOSからチェックをかけたところ、これも途中で止まってしまいます。そこで、他のパソコンに「ノートンインターネットセキュリティ」をインストールを試みると素直にインストールが出来ます。これでLANを通じてメインマシンのチェックをかけてみることにしました。チェックが始まりました。その間にルータのマニュアルを取り出し、「自動的に接続されるトラブルの項」を読むのですが、どうも分かりません。ルータの設定も調べてみるものの、今までと違っているようではないのです。ルータのアクセスランプを見るとまだちょくちょく点滅を繰り返します。そこで、ルータの設定の「自動」を止めて「手動」に切り替えると点滅は止まってしまいました。よし、とりあえずルータは勝手に動かなくはなった。

やっと解決はしたものの


 ウィルスチェックは本当に時間がかかります。LAN経由ですから余計にそうかもしれませんが、1時間から掛かってやっと終了しました。ウィルスは見あたらないと言います。再度「Outlook Express」を立ち上げてメールを調べるとその数はまだ増えています。再度「ノートン」をインストールしようと試してもやっぱりダメです。若い部下が、「このウィルスチェック、アップデートがまだ出来ていなかったですよ」と言います。そうだ、まだやっていない。インターネットに接続してアップデートさせることにしたところ、そのダウンロード量にビックリ。このソフト、バージョンアップ版にしてからまだ数ヶ月ですよ。それだけ多くのウィルスが出てきているって事なのでしょう。また時間が掛かってしまいます。我が家のCATVならあっという間なのに...。その間に「Outlook Express」で発信制限をかけて受信を繰り返しメールを削除していきます。当然このパソコンでは送受信はHTMLではなくテキストにはしていましたが、「表示」−「レイアウト」のところでテキストビューがそのままになっていました。新しいソフトではテキストビューの中にも仕込まれていることがあるので、表示ビューは閉じる設定にしておく方がよいといわれていたにもかかわらず便利さに表示を許していたことが問題なのかも知れないと反省しながら、この設定を閉じました。やっとアップデートしたウィルスチェックでスキャンしてみると、やはり出てきました。「あーあ」、取り戻しは効きません。全部のパソコンを調べ直し、徹夜になってしまいました。ウィルスを除去したら、メインのパソコンにも「ノートン」はインストールできるようになりましたが、途中で暴走したりハングしたりするにはやっぱり何かがあるんですよね。本当に勉強になりましたが、こんな勉強はもうしたくない。


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