OMATSURIKOZO's talk salon

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2002年10月号
連載186

久しぶりに自作パソコン
Athronデュアルに挑戦


マルチDVDドライブだって購入したモンね
ところがトホホの連続

 やっとクソ暑い季節から解放されそうですね。それにしても今年の夏、我が家のクーラーの電気代は高かった。9月になってからも勢いよく咲いていた朝顔もそろそろ棚じまいをしました。今月はもう秋祭りの季節になってきますが、秋の夜長、皆さん何を楽しみにしていますでしょうか。
 さて、私は9月の後半には仕事でイギリスに行かなくてはならなくなってしまいました。数年前までは「行くぞ!」と気合いも入っていたのですが、最近では若い連中が頑張ってきてくれているため、自分で直接現場仕事などしなくなっていたところ、今回は人間が足らないので私まで駆り出されることになってしまいました。一端腰を落ち着けてしまったものにとって、再びの出陣というのは腰が重たいものがあります。まあ、せいぜい頑張ってくることにしましょう。

マルチDVDドライブが発売された


 さて、今月は久しぶりに自作パソコンに挑戦した話です。実は、昨年末から2つのものに興味を覚えていたのですが、商品が出てこないとか、億劫だったりという理由で引き延ばしてきていたのですが、とうとう重い腰を上げました。そのきっかけはアイオーデータから発売されたマルチDVDドライブです。今年の始めに日立から発表されていたこのドライブ、OEMで発売されるというニュースからいつまで経っても商品化のニュースが流れてきませんでした。しびれを切らしすぎてもう忘れかけていたところ、突然アイオーデータからの発売が予告されました。インターネット上でもかなり話題になっている商品です。普通の店に予約したところでなかなか手の入らないと思い、冗談半分に<価格COM>http://www.kakaku.com/で調べたところ、PC-Trust(http://www.pc-trust.co.jp/)と言う店が32800円で受け付けていました。始めて使う店ですから「代引き」にして注文しました。代引き料は800円、振り込みでも数100円ですから差額はしれたもの。この商品の発売日はまだのはずと思いながら注文したところ、すぐにメールで「2〜3日で送ります」と返事が来ました。「おいおい、ホントかな」と思っていたところ、やっぱり「少し待ってください」という断りの電話がやってきました。まあまあ、これはしょうがないと諦めて待つことにしたところから話はずっと進みだしてしまいました。

Athronデュアルは難しいと店員に諭される


 せっかくこのドライブを注文したのだから、このドライブを取り付ける新しいパソコンを作ろうじゃないかというスケベ心が突然わき出してきました。作るパソコンは当然デュアルCPUでなくてはなりません。インターネットで色々調べては見ていたのですが、今ひとつそれぞれの部品を決めることができなくて躊躇していたところ、大阪への出張があり、日本橋のFaith(http://www.faith-go.co.jp/)を訪ねました。この店はインターネットでよく買い物をしている私のお気に入りの店です。安物のパソコンを会社や友人によく都合している店なので、ここを訪ねてみました。1階が一般売り場、2階が組み立て専門となっていて、2階に上がり「Athronのデュアルマシンを作りたいんだけれど..」と相談を持ちかけたところ、「あのね、アレは素人が手を出すものじゃないんですよ」とけんもほろろです。「確かに動き出したら速いマシンにはなりますが、立ち上がらないことが多いんですよ。メモリとの相性がとてもシビアで、BIOSさえも起動しないことがしばしばですよ。ところでお客さん、そのマシンで一体何がしたいんですか。速いマシンでキュプチャとかするつもりなら、これがまた相性が悪い。ビデオ関係に手を出すのだったらPentium4の2GB以上にした方が無難ですよ」となかなか相手にしてくれません。「おいおい、俺を誰だと思っているんだ」と心の中では思いながら、若い連中から見れば年寄りの冷や水としか見られてないのだなと反省したわけです。「あのね、動かなくては意味がない訳なんだけれど、多少の遊び心は持っているから、やってみたいんだよ」と少し腰を落ち着けて話してみることにしました。「パソコン歴も長いし、自作パソコンも何度も組み立ててきている。しかし、デュアルというのは始めてのことだし、しかも問題が多いというAthronデュアルと言うことで相談しているんだよ。パソコンは実用と言うよりも見栄だから、もう普通のパソコンを組み立てたいとは思わないんだ」と説明してくると店員の態度が少しずつ変わりはじめ、「そうですね。このシステムは今の自作の究極ですからね」と言いだし、私が「それじゃあ、それぞれの部品を選んでみよう」と言うと、パソコンを叩き始めてくれました。

それでもAthronデュアル


 「まずはマザーボードだね。TYANのTiger MPX(S2466N)は私の友人がもう作っているからこれは止めて、ASUSTeKかGIGABYTEにしたいんだけど」というと、「それじゃGIGABYTEにしましょう。RAIDが付いているのとないのとがありますが、ここまで来たらRAID仕様にしましょうよ」と、GIGABYTEのGA-7DPXDWを選んでくれました。「それじゃあ、CPUだ。DuronとかAthronXPという手もあるんだけど..」と言うと、「格下のCPUで組み立てるというのも面白いかもしれませんが、そんなに高価なものじゃないですからここはAthronMPにしときましょう。ところでクロックは?」ときたもので、少しスケベ心を持っていた私の気持ちを見透かされたような気がしたものの、「うん、それじゃ、お手頃の1800位で頼むよ」とAthronMP1800+ということにしました。「次はメモリだな。よし、512を2枚にしてくれ」というと、「ノーブランドでもいいのですが、DDRもRegisterd対応のものでなくてはいけませんから、これくらいがいいでしょう」と合わせて1GBのメモリにしました。「次はハードディスクだけど、せっかくのRAID仕様だ、2つ同じものを買おう。ひとつが60GB位でいいよ」と言うと、「これに合うハードディスクね」とIBMの7200rpmU-ATA/100対応のIC35L060AVVA07を選んでくれました。「最後はケースだね。電源は350W以上は必要だと聞いているんだけれど、400Wが必要ならそれでもいいのだけれど...」と話していると「フェイスマークが付いているんですけど、Seasonic製の350Wの電源が付いているOWLTECH OWL-103-Silentというのがいいでしょう」と言うことで選択は完了しました。CD-ROMは当然マルチDVDをつける予定ですから必要ありません。FDDも古いものがあったはず、後は使い回しか後回しでもいいと、金額を合計して貰いました。合計金額は16万円を少し切っていました。これだけのシステムを注文してもこの位の金額、とても信じられない気分です。

さぁーて,組み立て開始だ


 数日後、フェイスで注文した部品と、思いがけず早々にマルチDVDドライブが届きました。幸いにして日曜日を組み立てに当てられます。早朝は畑仕事に出かけ、昼前から久しぶりのパソコン組み立てです。大きなパッケージを開け、まずはケースの確認です。うんうん。次はマザーボードを取り出します。マザーボードを裸にしたまま組み立てるという方法もあるということは承知していましたが、今までケースに収めたマザーで立ち上がらなかったことはありません。そこでケースとマザーの組み合わせを確かめながら、マザーボードをセットします。電源コード、ATXコード、諸々のコードをマニュアルを参照しながら接続していきますが、どうしても分からないコードもあります。こんな事は昔にもあった、こんなものは無視すればいいと言い聞かせながら組み立てを進めます。マザーボードに512MBのメモリカードを差し込むとその高さが少し高過ぎるため、3.5ベイの空間と干渉してしまいます。こりゃ困ったと思い、組み立てる順を色々やり変えてみると何とか収まりそうです。「良し、これで何とか全ての機器は入れ込んだ、後は電源を入れてみるだけだ」と心の中で言い聞かせながら、電源を入れたものの、ディスプレィは何の表示も表さず、本体からはビープ音が聞こえるだけです。「こりゃイカン、友人にヘルプを求めなくては」と電話をかけまくります。そこはそれ、気のいい友人は話の内容を聞いて早速駆けつけてくれました。事情を説明し、ハードの状態を点検して「やっぱり、マザーとメモリの相性の違いない」と言い出します。フェイスの店員にも「このマザーはメモリとの相性が色々と..」とさんざん聞かされていましたし、先にAthronデュアルを組み立てたことがある友人からも「アレはなかなかじゃじゃ馬だよ」と聞いていたものですから、その言葉を素直に信じてしまいました。

メモリは問題なし,だとすると


 そこで次の大阪出張にそのメモリを持参し、フェイスに寄ることにしました。当初に対応した店員はたまたま休みだったのですが、他の店員が親切に対応してくれました。「メモリが悪いとは思えないんですがね」と彼は言います。私も「多分、他のマザーに差したら動くとは思うんですが..」と答えると、店内から同じマザーを取り寄せようとしてくれました。不幸にしてRAID仕様のものはありませんでしたが、同機種のマザーとAthronを取り付け、その上に私が持ち込んだメモリを差し込んでみました。見事に初期画面が立ち上がります。「おいおい、それはたまたまじゃないのか」という呟きは差し置いて、「2枚差しもやってくれ、別の方のメモリも差してくれ」と色々注文をつけますが、全て問題なく起動します。「1CPUしか差していないではないか、2CPUを差してくれ」と言おうとはしたものの、それは心の奥にしまいながら「ちょっとマザーの状態を見せてくれ」と身体を乗り出してみました。マザーの上には、CPU、メモリ、電源コネクタ以外は接続していません。「これで確認できるの?」と聞くと、「これでいつも確認していますよ」と言う返事を貰いました。頭の中に何かピンと来るものを感じたので、「ありがとう」と言って、メモリを持ち帰ることにしました。 家に帰って、早速挑戦です。ケースに収めていたマザーを取り出します。色々苦労して取り付けたんだぞと言う思いはあるものの、起動を確認するためにはスッピンの方がいいと割り切ることにしました。1メモリを差し込んでもダメ、違うメモリを差し込んでもダメ。よし、こうなったらひとつCPUを外してやれと、1CPUで立ち上げてみることにしました。こんな事、簡単に書いていますが、CPUファンの取り外しと取り付けはなかなかテクニックがいるので億劫なのですが仕方ありません。ひとつのCPUにして電源を入れたところ、ディスプレィに起動画面が出てきたではありませんか。おいおい、おい。万歳。とにかく、起動画面が見えた。2CPUにしたら立ち上がらないのか、たまたまこのCPUが立ち上がっただけなのか、色々試してみる必要が出てきました。何度もCPUを入れ替えて試してみたところ、2つのCPUのうちひとつが認識されてないという結論に達してしまいました。私が壊したのか、あるいは元々だったのか。これは疑問ですが、私が壊すようなことをした覚えはありません。しかし、「私は無罪だ」と店に行ったところで分かって貰えるものかどうかは分かりません。新しくCPUを買う覚悟でフェイスに事情を説明したFAXを送ることにしました。

フェイスの対応に満足


 その内容は、購入から組み立て、メモリの交換、CPUの差し替えと全て書いたもので、私の携帯番号も添えて出しました。すると、10分も経たないうちに携帯が鳴り、「事情は分かりました。CPUだけを送ってくださってもけっこうですが、マザー、CPU、メモリの全てを送ってくだされば確認して送り返しましょう」と非常に親切に対応してくれました。その日、CPUだけはすぐに送れるように準備していたのですが、マザーまでということになればまた日にちが送れてしまいます。色々試して、正常なCPUであるのならマザー、メモリも問題なく起動するという事実を考え、CPUだけを送ることにしました。異常なCPUだけでなく、正常なCPUも送ったのは、私が色々試して確認したと言うことを見て貰いたかったと言うことからかも知れませんが、ひとつでも情報を先方に送りたかったのです。私がフェイスに宅配便でCPUを送り、次の日確認返送、3日目には我が家に偏そうが届くという最短の日はどんなものだろうと思っていたら、3日目にはきっちりと返送宅配便が返っていました。宅配便を確認すると、「起動確認をしたCPUをお送りします」というメッセージが入っていて、早速マザーに差し込んでみました。私が「正常」と書いていたCPUをまず最初に取り付け、起動をさせてみるとOK。続いて箱は破られていたものの、そこそこ綺麗にパッケージがされていたCPUを取り出し、これを第2スロットに差し込みます。祈るような気分で電源を入れるとディスプレイに起動画面が、1GBのメモリもちゃんと確認して起動するではありませんか。やった!!。

さて,Windowsのインストールは


 今月のお話はここまで。マルチDVDとか、RAIDのお話は来月にしましょう。それにしても、フェイス(「信頼」)には感心してしまいました。部品の不都合を申し立てても何も言いません。メモリにしてもCPUにしても「貴方の取り扱いは?」とかは一度も言われませんでしたし、返品の送料もフェイス持ちでした。自作パソコンをするのなら地元に店がなくてはいろいろのトラブルに対処できないのではと言う気持ちを払拭させてくれました。


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