OMATSURIKOZO's talk salon


ランダムアクセス 2003年4月号
連載192

DVDドライブ DVDレコーダー
今が買いどき?


ハイパーリンクは著作権侵害?
読売・毎日新聞は何を考えているのだろう


お祭り小僧のランダム・アクセス

 寒い日々が続きましたが、やっと待望の春です。明るい日差しに心が和んでくる今日この頃ですが、世界情勢・経済情勢を振り返れば心が重くもなってきます。馬鹿な指導者を選んでしまった国民がどんなに不幸かと言うことは歴史が証明しているにもかかわらず、現在の自分たちの状態を客観視できない馬鹿な国民というものも存在するわけで、21世紀の始まりは一体どうなるのでしょうね。

 「気分はもう戦争」と決め込んでいるブッシュさんに、あのバウエルさんまでが同調してしまう権力構造、こりゃたまらんわ、と思ってしまうのは私だけではないでしょう。8000円を割り込んでしまった株式市況、株をしない人には関係ないなんて言ってられない状況なんですよ。日本の貴重な資産があっという間に消えていってしまったわけで、私達が汗水垂らして稼いだ資産が霧散したって事なんですよ。私は株も保有しているので、「小泉の馬鹿野郎」と叫んでしまいます。まあ、愚痴事を言っても仕方がありません。小泉を選んだのも私達と言うことでしょうし、フセインを選んだのもイラク国民、ブッシュを選んだのもアメリカ国民と言うことなのでしょう。

このところDVDネタばかりですが、今回も

 先月号のパソコンネタ、揃いも揃ってDVDネタばかりでしたね。私の「ランダム・アクセス」でもこのところはDivxネタばかりでしたが、パソコンショップを廻ってみてもDVDライターがデンと山積みされていました。メディアもここに来て急激に値下がりしてきています。CD-Rの普及には何年か要しましたが、DVDライターは規格が統一されてないにも拘わらず、どうやらあっという間に普及してしまいそうですね。私の仲間内でも、DVDライターを購入していないものはいなくなってしまいました。みんなインターネットやパソコン記事を参考に「Divx製作」や「DVDコピー」に勤しんでいます。久しぶりに与えられたおもちゃといったものでしょうか。しばらくはDVDライターで遊べそうです。

次世代DVD-ROMも分裂

 こんな時期、ネタに困っていたところ、局長から「DVDライター」と「DVDレコーダー」について書いてみてくれと言う注文をもらいました。今さらと思うものの、少しおさらいをしてみましょう。

 外部記憶装置としての光メディアは、CD-ROM、DVD-ROMに続いて次世代DVDである規格もブルーレイとアドバンスト・オプティカル・ディスク(AOD)に分裂してしまいそうです。この次世代DVDの市場への登場は、現在のDVD市況の良さから少し遅らせてもいいだろうと言うグループと、先行して市場を獲得する方が先だと考えるグループが互いににらみ合いながら、来年の初めにはポツポツ出始めるのではないでしょうか。しかし、現在コストパァフォーマンスの高いのはやはり現行DVDでしょう。この現行DVDもご存じの通り数種類の規格が並行販売されています。沙門さんがしばしばVHSとベータのビデオ戦争を持ち出して規格戦争の話をしますが、どうも現行DVD関係ではどれかが100%の市場を制すると言うことはないと私は考えます。どれかが勝利する前にこの戦争は次世代DVDの世界に突入してしまうでしょう。DVD再生機で再生できない規格というものは論外でしょうが、その他のドライブでは読み込めないものも多くあります。これは、DVDの世界が単純に民生再生機だけをターゲットにしたものではなく、パソコンまで含めた形で進行した事によるものでしょう。

買い時のDVDドライブ

 記録型DVD規格には現在,DVD-R/RW/RAMとDVD+R/RWがあります。Recordable DVD Councilは,日立,Pioneer,松下など,DVD-R/RW/RAMフォーマット採用のDVDディスク/ドライブメーカーで構成される団体で,DVD Forumの承認を受けた製品を推進している。ライバルのDVD+RW Allianceは,Hewlett-Packard(HP),Dell Computer,ソニーなどが参加しており,DVD+RWフォーマットを支持している。両者の規格のうち、DVD-RAMは少々異端児ということになりますが、DVD-R/RWとDVD+R/RWが対抗となります。DVD-Rと+Rはいずれも色素変化を用いた記録メディアで,技術的に大きな隔たりがあるわけではありません。もし,DVD+RW陣営が互換性を重視するならば,DVD+RWに-Rを付加する努力をすべきだったのかもしれませんが、DVD+RW陣営のベンダーは-Rに対応するつもりが全くなさそうです。DVD-Rの仕様では追記ができないけれど、DVD+Rは追記可能な仕様となっており,ギャップなしでデータ追記を行うことが可能なため、従来のDVDとの互換性を取りながら,マルチセッションの書き込みが行えるといいます。しかし、民生再生機ではDVD+Rは100%再生保証ができません。記録型DVDの問題は、パソコンの外部記憶装置としての役割と同時に、民生再生機での再生が可能という点にあります。よりよい技術を詰め込もうとする努力と企業戦略は分かるものの、素人にはちっとも分からない世界が生まれています。

 私のお薦めは、高速DVD-R/RWです。DVD-Rは記録専門。DVD-RWで追記書き直し。と割り切ればいいのです。CD-R/RWの時代、私はほとんどCD-RWは使いませんでした。あっという間にCD-Rメディアの価格が下がってきて、何度も書き直したり追記したりするよりも、持ち出すデータはHDDから直接CD-Rに書き込んだ方が手っ取り早かったからです。多分このやり方はDVDでも同じになってくると考えています。現在DVD-Rメディアは価格が急激に下がってきています。4倍速で書き込めるメディアは400円/枚位はするものの、2倍速メディアは200円/枚を切り、等倍速メディアは100円/枚を切ってきています。うまく行けば、今年中には現在のCD-Rメディア位になってくれないかなと期待しているのですが。私が購入したDVDドライブはDVD-Rが2倍速までしか書き込めません。4倍速のものを購入したいとは思いつつ、メディアの価格を考えたらちょっと「待ち」です。これから購入しようとする人には先行投資とはなるでしょうが、4倍速ドライブをお薦めしましょう。もっとも8倍速が今年中にはでないだろうと思いつつ。

DVDレコーダーの復習

 では、流行りのDVDレコーダーはどうなのでしょうか。こちらの世界ではDVD+R/RWを載せたものはまだ登場していません。DVD-R/RW/RAMの陣営が2つに割れて、DVD-RWレコーダーとDVD-RAMレコーダーが競っています。両者ともDVD-Rの書き込みもできるものの、それぞれのレコーダーの特徴は追記型のDVD-RWとDVD-RAMにあります。私が1年半ほど前に購入したパナソニックのレコーダーはDVD-RAM仕様です。当時10万円以上したこのレコーダーは、現在在庫処分品といってもいいでしょう。5万円を切っています。これは、DVDレコーダーの主力がHDD内蔵型に移行してしまったからです。実は、この仕様のものこそが私が求めていたものでしたが、当時はそのような仕様のものがなく、「データをパソコンに持ちこんで編集したらいいさ」と考えたからです。

 私がお薦めするDVDレコーダーは、HDD内蔵型のものなら安ければいいと言うものです。テレビあるいはビデオをDVDメディアに記録させてもせいぜい2時間です。圧縮形式を変えるともっと長時間の録画もできますが、DVD-Rメディアにはできません。ここできちんと抑えておかなくてはならないのは、「共通メディアはDVD-R形式である」と言うことです。追っかけ再生だの長時間録画だのというやり方をメディアでやろうとするとその機種特有のものでしかできないということです。つまり、「録画はテンポラリであり、記録はメディア」という考え方に基づけば、とりあえずHDDに記録させておき、必要なものだけをメディアに移行させたらいいのです。記録したデータをパソコン上で編集したいという人は、この時追記方式のメディアでパソコンに渡し、出来上がったものをパソコンかレコーダーでDVD-Rにしてしまえばいいのです。そんなめんどくさいことは嫌だという人は、HDDとDVD-Rの組み合わせでもいいのかもしれませんが、そんなレコーダーは登場していません。こんなシンプルな構成なら安いものもできるでしょうが、出来上がったDVDビデオ形式(この形式は再生専用ディスクを作ることを目的としている)のデータを編集できるソフトウェアがないため、拡張性には乏しいでしょうね。現在DVDレコーダーを求める人の多くは、取り込んだデータを編集したい

 では、編集できるデータ形式とはといえばDVD-VRというものがあります。DVD-RWレコーダーもDVD-RAMレコーダーも、DVD-VRという記録形式で記録されています。この記録方式で記録されたメディアをパソコンに持ち込めば編集が可能であり、この編集成果をDVD-RにDVDビデオ形式として記録することができます。ハードウェア的に拡張性が高いのはDVD-RWレコーダーです。このレコーダーではDVD-RWモードでもDVDビデオ形式が、しかも追記で書き込めるという特徴を有しています。DVD-RAMレコーダーでは、追記書き込みはDVD-RAM、DVDビデオ形式はDVD-Rとはっきりと別れています。では、ハード的に優れているからDVD-RWレコーダーがお買い得かというと、これも現在は問題があるのです。DVD-RAMレコーダーにはと「DVD-MovieAlbum」というパソコンとの親和性に優れているソフトがあるからなのです。取り込んだデータを加工編集したいと思うのなら、現在のところ松下・東芝のHDD内蔵型DVD-RAMレコーダーがお薦めでしょう。

 私のDVDレコーダーは先ほども話したようにHDDがありません。つまり、DVD-RとDVD-RAMに橋渡しするHDDがないため、不自由で仕方がありません。そこで、昨年末マルチDVDドライブを購入したのです。このドライブと付属のソフトを展開すると編集も記録もできるということは分かりました。しかし横着者の私には結局高価なおもちゃだったようです。パソコンショップに並ぶHDDレコーダー(アイオーデータのRec-Onなど)は、私のDVDレコーダーと接続すれば現行のHDD内蔵DVD-Rレコーダーと同様、あるいはそれ以上になると、かなり興味を引く商品でしたが、結局使わないだろうなと考え直し購入を留まっています。

 初代のRec-Onはパソコンとの接続がUSB1.1でしたが、2代目Rec-On S(http://www.iodata.co.jp/products/video_rec/index.htm)ではUSB2.0がサポートされてきたため、高速に記録したHDDのデータを直接パソコンに取り込むこともできます。このデータ形式はMPEG2形式であり、編集用の付属ソフトも付いていますから、このハードはHDD付きMPEG2キャプチャー装置と思えばいいでしょうか。しかも、HDDは外付け構造となっているため、取り外しはもちろんのこと、内蔵のドライブまで交換ができます。用途を明確にするのなら、ヘタにDVDレコーダーを購入するよりももっとマニアックな楽しみ方ができるかもしれませんよ。

ハイパーリンクは著作権侵害か?

 ちょっと話題は変わって「今時の新聞社」と言ったお話を。実は、このところインターネット上でのリンクについていろいろと騒動が起こっています。というのは、デンマークの裁判所は2002/7/5日、オンラインニュースの検索エンジンNewsbooster.comに対し、デンマークのニュースサイト28社が提供するニュースソースへ直接リンクすることを禁止する仮命令を下したことに始まります。この判決は、ハイパーリンクでつながったWWWと、検索エンジンにとって、非常に大きな影響を及ぼす可能性があります。この裁判は今も続いていますが、こうした事例を見た読売新聞社や産経新聞社は独自の見解を発表し、日本のニュース検索サイトに対して早速抗議・恫喝を行ったわけです。

 つまり、基本的にはリンクはするな、許諾を受けてリンクする場合もディープリンクというトップページ以下の章に直リンクする形のものは認めない、そもそもこうした行為は著作権侵害であり場合によっては告訴するぞと言った内容でした。産経新聞社では個人ニュースの最大手の1つである「連邦」に対して無許諾リンクを著作権侵害であると言い切り、この警告は「ポケットニュース」など複数のサイトに対しても行ったようです。

 そもそもインターネットのwebページというものは何でしょう。「リンク」があるからこそのインターネットであり、いわばインターネットの根幹をなす技術であり思想です。リンクとはホームページをほかのホームページに結び付ける機能をいい、ホームページに飛び先を書き込んで、それをクリックするだけで目指すホームページにジャンプできるようにすることを「リンクを張る」という言い方をします。リンクを張ることは、単に別のホームページに行けること、そしてそのホームページの中にある情報にたどり着けることを指示するに止まり、その情報をみずから複製したり送信したりするわけではないので、著作権侵害とはならないと考えるべきでしょう。「リンクを張るには当方の許諾が必要です」などの文言が付されている場合がありますが、このような文言は法律的には意味がないと考えます。ホームページに情報を載せるということは、その情報がネットワークによって世界中に伝達されることを意味しており、そのことはホームページの作成者自身覚悟しているとみるべきだからです。リンクを張られて困るような情報はロック装置を施せばいいのです。

 一体日本の新聞社は何を考えているのでしょう。


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