OMATSURIKOZO's talk salon


ランダムアクセス 2003年8月号
連載196

IP電話は電気代が安くなるよ
設定には問題もあるよ


無線LAN11gの規格は決まったよ
DivXは次世代映像圧縮のスタンダード


お祭り小僧のランダム・アクセス

 不景気不景気といわれながらも、暑い夏がやってくると何となく力がわき上がってくるのはまだ若い証拠なのでしょうか。新しいことに挑戦しようとしてもなかなか腰が重たくなる今日この頃ですが、暑さに負けいなるものか、いや暑い季節だからこそ思いっきり汗をかいてやれと、前向きに頑張っています。

 子供達はもう夏休み、大人達も気分は夏休み、ちょっと非日常の遊びを考えてみましょう。

 さて、先月号ではパソコンネタが無くなってしまい、とうとう旅行記で誤魔化してしまいました。パソコンの話題に疎い知人の奥さん達にはこっちの方が評判が良かったようですが、やはり「お祭り小僧のランダム・アクセス」はパソコンネタが無くてはと、新しいネタを探してみました。

IP電話は電話代が安い

 数ヶ月前から私が勤める会社の大阪事務所で、ADSL回線を導入し、そのついでにOCNフォンも契約した話を書きましたが、何ヶ月か支払金額を調べてみました。やはり、OCNフォンは安いです。OCNフォン契約前の数ヶ月を平均してみると25000円をオーバーしていましたが、OCNフォン契約後の平均を見ると10000円そこそこです。前にも書きましたが、ADSL回線はFAXに入っていたアナログ電話を変更したもので、受け電話は従来のままです。そこで、受け電話はそのままにしておいて、市外にかける場合出来るだけOCNフォンを利用するように頼んだのです。当初はうまく繋がらないとか、音が悪いと言ったトラブルもありましたが、だんだん職員も慣れてきたのでOCNフォンをうまく利用するようになりました。市外通話を多く使うところにとってはIPフォンはかなりコストダウンが図れるようです。

NTTはまだまだADSLを隠している

 気をよくした私は、本社のある田舎でもこれが導入できないかと考えたのです。会社の所在地は今もってISDNしかサポートされていない地区で、インターネットで電話番号を調べても「ADSL回線のサポートはまだ予定されていません」と出てきます。ところが商工会が中心になって、100回線を集めればADSL回線がサポートされるという話を聞き、さっそく我が社も参加することになりました。実際に数ヶ月すると回線がサポートされました。そんなに簡単にサポートされるのなら、「まだ予定されていません」なんて書くより「申込回線数が一定以上あればサポートが出来ます」と言った方が親切じゃないのだろうか。もっとも、NTTにとってみればADSL回線技術というのは不倶戴天の敵だったのだから、その気持ちは分かりますが、サービスを始めた以上もっと前向きに進んでもらいたいわけです。

FAX・電話をIP回線に、まだちょっと問題

 さて、回線がサポートされることになったら、まずはモデムの選定から始まります。大阪の事務所では当時まだOCNフォンのサービスがなかったので、IP電話アダプターを考えに入れないでモデムルーターを購入しました。ところが、別の機器にしてしまうと設定が難しいことが分かったので、今回はモデムルーターとIP電話アダプターの一体型(YahooBBが提供しているのと同じタイプ)をレンタルすることにしました。この回線もやはりFAX回線に持ってくることにしたのですが、大阪の場合と同じく問題が生じてしまいました。インターネットには繋がるのですが、電話回線がIP電話としては通じないのです。仕事に差し支えるからと、FAX回線をスプリッタからダイレクトにとっても普通回線としても繋がらなくなると言う失敗までしてしまいました。こうなってくるとどこが悪いのかだんだん分からなくなってきます。原点に立ち戻って配線を確認し、それでもうまく繋がらないようだったらハードの問題としてNTTに電話をすればいいのだし、ソフトの問題でトラブっているのならOCNに電話をすればいいと考え、ひとつひとつ進めていきました。やっぱり、根本はハード上の問題だったようで、NTTの人がやってきて交換局と色々やり合ったあげく電話もFAXもOCNフォンで通じるようになりました。最後の問題に、FAXの時にはIPとして簡単に通じさせることができるものの、この回線を使って電話がうまくできないのです。つまり、電話をかけてもFAXが自動的に回線を取ってしまい、電話を通じさせてくれないわけです。これはFAXの設定の故ということは分かるものの、どこを設定したらいいのか分からないのです。家庭のように電話を受け取って場合によってはFAXに切り替えたりすることは可能ですが、会社ではそんなのんびりしたことは出来ません。うまい設定はないかと今は調べているところです。

 市外電話を多用する我が社のような会社ではIP電話というのは大きな選択肢になる時代がやってきたようですが、まだまだハード・ソフトとも消化でき切れていない、未完成の商品かなと思いました。でも、有効に使いさえすれば抜群に電話代は安くなるでしょうね、

無線LANと電波

 相変わらず休みの日にはDivx映画三昧が続いています。友人達がそこそこにソフトを集めてくれるものですから、私は自分のハード環境を揃えさえすればいいわけです。このところお話ししたように、小さなパソコンを居間に置いて、2階の私のパソコン部屋と無線LANで繋いでみているわけなのですが、どうも無線の信号が弱いことがあり、時々動きが極端に悪くなることがあるのです。当然無線LANは11gに変更しましたが、それでも無線信号は強くはなりません。これは理屈では分かっていたものの、スピードが上がれば解消するのではないかと期待したのですが、信号が弱くなるとスピードも極端に低下してきます。2階の部屋と居間は直線距離では15mもありませんし、我が家は典型的な木造建築ですから、問題となる距離ではありません。でも、信号が「弱い」と表示されることが多く、「強い」と表示されることは滅多にありません。インネットをしたり、ファイルを見たりするのにはまったく問題がないのですが、映画を見るとなると問題が少し残っています。これを解決するためには中継局が必要かなと考えたのです。

無線LANはバージョンアップで進化する

 そんなとき、「アスキーPCExplorer」の8月号に無線LAN特集を見つけました。最近はあまり雑誌にも目を通さない月が多くなっているのですが、時々購入している雑誌にこれがあります。この雑誌は早くからDivxに目をつけていて、何かとそのあたりの情報をあげてくれていたため、最近のお気に入りの雑誌のひとつとなっていました。その無線LAN特集ですが、この雑誌によれば、「11gが絶対にお買い得(11aは高い)」「ハードはメーカーでなくチップで選べ」「セキュリティを考えろ」「スピードはソフトウエアで速くもなる」というものです。明快でこんな記事は好きです。

 さて、この記事を元に私の家の環境を改善してみることにしました。記事には書かれていなかったのですが、無線回線の強さ弱さは距離だけでなく、無線の通り方にあると考え、本体のエアステーションに追加アンテナを建てることにしました。アンテナを付けただけでは無線の強さは変わらないなーと思いながらも、せっかく数千円も追加投資したのだからと無線の向きを色々変えてみたところ、どうも向きによっては「強い」の時間が長いように感じられるのです。これは水平距離だけの問題ではなく、2階と1階という垂直位置の関係かもしれないと無線の建方を90度折ってみることにしたところ、「強い」の時間がかなり安定してきました。そこで第2弾です。記事を元に子局の設定を変えてみることにしました。ところが私のパソコンの上ではこの設定が出てこないのです。うーん、どうしてなんだろうと考えていたところ、私のハードのファームウェアバージョンアップがなされてなかったのが原因のようです。そう言えば11g規格はドラフトが決まって無くて暫定で出されていたことも思い出しました。ネットを探ってみると、本局であるエアステーションの11g確定版がアップされています。これをバージョンアップすれば「フレームバースト」という転送速度を上げる機能が入るのかもしれないとやってみたところ、まだ設定画面にこれが出てきません。もう少しインターネットを調べてみると、子局のカードもバージョンアップしなくてはならないようです。バージョンアップをした後、設定画面を出してみると「フレームバースト」の設定が出てきました。さっそく0Nにします。

フレームバースト通信

 さてさて、どうでしょう。なんだか通信速度が速くなったような気もします。この「フレームバースト」という機能は、無線パケットを送信する時、受信確認を待つことなく、隙間無く連続して信号を送る送信方法だそうです。映画を走らせてみましょう。マウスでバーをどんどん変えてみることにしたところ、設定前までは次のポイントに変更したとたん暫く画面がフリーズしていたのですが、簡単に画面転換がされるではないですか。これだったら、1.5倍速でも耐えられるかなとやってみたところ、さすがにそこまではスムースに動きません。「アスキーPCExplorer」では「ストリーミング」こそがこれからの無線LANの醍醐味だなんて書いてありますが、やはりこれはまだ黎明期かな。有線と無線を比べると(比べる方が悪いという声も聞こえてきますが)、11g程度では勝てないようです。でも、いいんだ。無線LANでストリーミングという最先端を試しているんだから。

Divxは映像圧縮の標準となるか

 話は無線LANの方に飛んでしまいましたが、Divxの方にもう一度戻しましょう。映像エンコーダが数々登場してきていますが、音楽分野でMP3が位置を確保したように、映像分野ではDivxがその位置を獲得してきたようですね。hillsさんは長瀬産業のDVDレコーダーを買われたと聞きました。彼のことですからえらく安い買い物をしたのだろうと推察するのですが、新しい機種が登場する前触れのバーゲンセールの可能性があるといっていました。普通のCDプレーヤーでMP3までが聞ける時代になった今、Divxも普通のDVDプレーヤーで当たり前に見えることが出来るといいですね。そんなこんなを言っているうちに、パソコンAV機器のNo1であるカノープスから新しいエンコーダハードと共にソフトが登場しました。MTVシリーズにDivxソフトエンコードがついたシリーズが発売になりました。今までキャプチャーカードに付属するエンコードソフトはMPEG2やMPEG1が当たり前でしたが、カノープスが付属ソフトにDivxソフトエンコードを付けたことで新しい風を感じました。なかなかの性能のようで、MPEG2録画と同時、あるいは後でDivxエンコードするそうですが、ハードの力があるのでエンコード時間は速いとありました。過去のシリーズにも対応しているそうで、このソフト、なかなか面白そうです。出来たら、ハードを離れてソフトだけで売り出して欲しいものです。

Play@TV

 SOTECとメルコから発売された「Play@TV」という製品も、こうした時代を反映した製品です。パソコンとTVを繋ぐ機器で、パソコンとこの「Play@TV」は無線でも有線でもLANで接続します。そして、TVとはいろいろな形式で繋ぐことができ、パソコンに集めた画像や映像データをTVで見せてくれるのです。そのファイル形式にはDivxまでサポートされています。これって、私が昨年の暮れからやろうとしていたホームシアターそのものではないですか。もっともこの無線LANはまだ11bですから、私の方が進んでいますね。どうも、パソコンの進化形は明らかにTVとの合体に向かっているようですね。

64ビット時代は?

 インテル、AMD共に64ビット時代を宣言したようです。新しもの好きの私は当然こうした64ビットCPUのチェックを入れます。しかし、まだ魅力が感じられません。「パソコンは速くなくては意味がない」「ソフトがなければただの箱」と言ったパソコンが持つジレンマの中で、64ビット時代の幕が開いたようです。しかし64ビットでなくてはパソコンではないという時代はまだもう少し先のようです。じっくり情報を読みながら、ワクワクするようなパソコンの登場を待ちましょう。


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