OMATSURIKOZO's talk salon


ランダムアクセス 2004年4月号
連載204回

Inrtelの大方針転換
64ビットCPUはx86路線に

新技術が私のパソコンを旧式にしていく
私のダイエット 成功しています
 


お祭り小僧のランダム・アクセス

 暖かい春になってきましたね。例年より早く桜も花開いてきています。皆さん、お花見は済ませたでしょうか。月夜の花見はまた風情があるものです。まだ桜が残っているようでしたら、春の陽気に誘われて、缶ビールかワンカップを片手に近くの桜のある公園にでも出かけてみたらどうでしょうか。

ちょっとトレンドを

 さて、今月の話題は少し「パソコン世界の最先端」について辿ってみようかと思っています。というのは、私も仕事に忙しくパソコン雑誌の熱心な読者でなくなっていたため、最先端技術の動向にだんだん疎くなってしまっています。そこで、少しパソコン雑誌やインターネットでそのあたりのことを復習してみたいと思います。

64ビットCPUの動向が確定

Intelの路線変更

 CPUの動向は64ビットに向けて加速が始まってきているようですね。Intelは64ビット・アーキテクチャとして従来のx86とは別のアーキテクチャである64ビットCPU「Itanium」をサーバ向けに出していました。これは従来のソフトウェアをエミュレーションで走らせることは可能ではあるが、あまり速くないと言う欠点を持っていました。しかし、Intelは市場でIntelの独自性を押し出そうと、このCPUの普及に勤めてきていたわけですが、どうもこの路線はうまく働かなかったようです。AMDが発表したIA-32を拡張した64ビット・アーキテクチャ「AMD64」がじわじわと市場で幅を利かすようになってきたからです。「AMD64」は従来のx86ソフトがそのまま走るだけでなく、64ビットCPUの可能性を感じさせるものだったからです。今年中には「AMD64」用のWindowsが発売されるというニュースもあります。これに対してIntelはここで大きく方向転換をしてきたようです。現在の64ビットCPU「Itanium」とは別の64ビットCPU向け技術、既存の32ビットCPUアーキテクチャ「IA-32」を拡張するもので,「64-Bit Extension Technology」と呼んでいるものです。IntelがWebサイト上で公開したFAQによると,「64-Bit Extension Technology」を採用したCPU上ではAMD64向けプログラムは「ほとんどの場合,動作する」という。ということは、ほぼ完璧に「AMD64」互換と言うことです。64-Bit Extension Technologyは,32ビットと64ビットのOS/アプリケーションを動かすために32ビットOSが動作する「IA-32 Mode」と,64ビットOS用の「IA-32e Mode」という動作モードを持っていて、IA-32e Modeには32ビット・アプリケーションが動作する「Compatible Mode」と64ビット・アプリケーションの「64-Bit Mode」という2つのサブ・モードがあります。これらのモードの分け方は,AMD64と同じです。法的に著作権はどうかというと、どうもIntel−AMD間には技術協定が成立していて問題はないそうですが、天下のIntelが互換チップの雄であるAMDの路線に追随したという屈辱的な選択を行ったわけです。Intelのメンツはともかく、Intelの選択は私達ユーザーにとってみればとても嬉しい選択です。様々なアーキテクチャが乱立することは、選択する自由があるとはいえ、ユーザーの利益にならないことも多いことを私達は知っています。特に大企業が作り出した独自規格の失敗はIBMのPSバスでもそうでした。今回のIntelの方向転換にはMicrosoftの意向があったとも言われています。つまり、2つのWindowsの開発を拒否することで、Intelの独自規格を制限したようです。これによって、今度発表される「AMD64」用のWindowsはIntelの「IA-32e」の上でも走ることになるわけです。ますますMicrosoftの力が大きくなるではないかという危惧を抱く人もいるかもしれませんが、ユーザーの意向から大きく離れてコマが回り始めると言うほどにはならないと言うことが今回の事が証明しています。Intelにしろ、Microsoftにしろ、勝手に市場をかき回せないわけです。それぞれが互いに牽制しあう中で、どうもうまく廻っていくものかもしれないと楽観的に考えているのは私の欠点なのでしょうか。

 とはいえ、Intelはかなり苦渋の選択をしたようです。せっかく大きな開発力をかけてきた64ビットCPU「Itanium」を放棄しないとはいえ、このCPUを作る上で協力しあってきたHPとSGIとはギクシャクするだろうし、「Itanium」は多分メインの流れからは消え去っていく運命を辿ることになるだろうと思います。アナリスト達も「長期的に見て、同社がx86-64に本格的に取り組んだら、Itaniumをつぶすことになる」と見ているようです。このIntelの大転換は64ビット時代の完全な幕開けを告げたものとなるでしょう。

本格化までにはまだまだ

 ではユーザーは64ビットCPUを早々と欲しがるのかと言えば、それもないでしょう。パソコン好きな者達は購入するとしても一般ユーザーにそこまでのハイエンドなものが必要かどうかは分かりません。286から386(16ビットから32ビット)へと移行したとき、当初386は単純に高速な286として用いられていましたが、そのうち32ビット独自の用いられ方が普及して今日の32ビット時代が始まるわけです。多分、一般ユーザーがx86-64のCPUを利用し始めるのは、ソフトウェアがこのCPU独自のアプリケーションになってきてからと言うことになるでしょうね。最近、新しいものに少々疎くなってきている私ですが、このCPUは「ちょっと見栄が張れるかな」と期待しているところです。

パラレルからシリアルに

さて、メインのCPUを追っかけたのなら、続いてはバスやメモリの動向です。これらに関してもどんどん新しい技術が発表されています。今度新しいパソコンを組み立てようとしたら、こんな動向も知らずに組み立てるわけには行かないようです。もうすっかり大きくなって少しパソコンに詳しくなった末っ子でさえ、「お父さん、そんなことも知らないの?」と言い出します。そんなこんなを考え合わせると、もう新情報に疎くなってしまっている私に驚いています。少し昔においては、「ランダム・アクセス」には新情報のエッセンスが詰まっていると自負していたのですが、最近の話題の多くは身の回りの興味深いものに限られてきているだけでした。これを反省しているかと言えば、「これはこれでいい」と居直っている自分を発見して、これまた嬉しがっているわけです。つまり、昔は自分とかけ離れた技術であろうといずれ関係すると信じていたわけですが、最近は関係ない技術はいつまで経っても関係ない、これは関係するだろうと思われるものだけ注目するという使い分けが極端になってきている自分を発見するわけです。パソコン関係の技術が非常に発展することによって、技術の細分化と尖鋭化が起こってきていて、全部をカバーしようとすることはもはや「キチガイ」と言っても仕方ないと考えるようになってきたわけです。自分の興味範囲だけを遊んでいる自分に安らぎさえ感じ始めているのです。「PC通信」の投稿者達の記事を読んでいても、「ああ、私と同じだ。自分の興味範囲をそれなりに楽しんでパソコンライフをこなしていっているな」と安心してしまいます。これって、問題あるの?それとも年のせいなの?と自問しているわけです。

 さて、バスの問題に戻りましょう。どうもPCIバスも次世代への移行が始まっているようですね。ISAバスからの移行期においては、IBMがクローズドな世界を模索したあげくPCIへと展開したことを思い出してきました。今回はそんな苦い経験を元にしたのか、大きな混乱もなく、次世代バスへの移行が進められたているようです。Intel社が提唱しPCI-SIGが進めている新しいバスは、PCI Expressというものだそうですが、従来のパラレル転送方式からシリアル転送方式への転換です。最大通信速度は2.5Gbps(現在のPCIは1.06Gbps)と、相当な速度向上が見込まれそうです。複数本を束ねて使うことも可能なため、PCI Expressを2本(「2レーン」と呼ぶ)束ねて5Gbpsの通信速度を実現することなどもできるという。PCI Expressはホットプラグに対応しており、カセット型のハードウェアユニットをコンピュータに差し込んでそのまま使うといった利用形態が想定されているそうですが、まだ新しいモデルの登場がありません。ハードディスクの繋ぐインターフェースであるATAインターフェイスもパラレルからシリアルに変更が始まっていて、転送速度が大きく向上してきています。アイ・オー・データから発売されたPCIバス用のシリアルATAインターフェイスカード「SATA-PCI」は、PC内部向けに2つの7ピンコネクタを備え、シリアルATA対応HDDを各コネクタに1台ずつ、合計2台接続できる。BIOSを搭載し、接続したHDDからの起動も可能というものです。理論値での最大転送速度は150MB/sec。ケーブル幅が約8mmと、Ultra ATA/100の約50mmから大幅に狭くなったため、取り回しが容易になり、PC内の空気の流れも妨げないものとなっています。パソコンを自作しようとしていることにとっては朗報ですが、古いものを利用しようと思っている人にとっては頭が痛い選択となってきています。まったく新しいパソコンを組み立てようとしている人と、従来の資産を利用しながら新しいパソコンを組み立てようとしている人達とのギャップが生まれる時期が来たようです。何の制約もなく、新しい技術を利用できるというか、それに何らの思惑も持たないって言うことは素晴らしいですね。

256Mbit DRAMへシフトするメモリ

 メモリの動向にしてもしかりです。知らない間にタイプが変わってきていて、古いマザーボード(チップセット)では認識できないと言ったこともよく起こっています。現在メモリの主流はSDRAMからDDRに移行し、DRAMの生産も従来の128Mbit DRAMからより大容量の256Mbit DRAMへシフトしています。ところが、現在広く普及しているPC100/133(クロック周波数100/133MHz)のパソコンの多くは、チップセットなどの仕様上、256Mbit DRAMが動作しないことが起こります。つまり、増設メモリは128Mbit DRAM搭載メモリモジュールに限られてしまいます。ところが128Mbit DRAMは、供給が減る一方で需要は当分堅調であるだけでなく、大容量256MbitDRAMの価格が落ちてくるのを指をくわえてみているしかないわけです。こんな事情に対して、バッファローから「Virtual Bank Memory Technology 」というメモリが登場しました。1個の256Mbit DRAMを2個の128Mbit DRAMとして擬似動作させることで、従来128Mbit DRAMまでの対応だったパソコン上でも256Mbit DRAMを安定動作させることが可能になるというものだそうです。メモリモジュールがパソコン側の対応DRAMを自動判別し、256Mbit動作モード/128Mbit動作モードを自動で切り替えるため、特別な設定は不要で、安心して装着できるそうです。古いパソコンに新しいメモリを装着するとき便利ですね。

 パソコンのハードが知らないうちに進化していて、新しい増設用のものを購入してきても自分の古いマザーボード(チップセット)には接続できないと言った事情はしばしば起こります。つい数ヶ月前160GBのハードディスクを購入してきたにもかかわらず、ビックドライブの制限によって128GBととしてしか認識させることができなかった私のハードディスクもそうです。新しい技術動向については時々インターネットなどで調べておく必要が出てきます。うん、お勉強、お勉強。

体重計でダイエット

 さて、NHKの「試してガッテン」で見たダイエット方法である「体重計で測るだけで痩せる」というダイエット方法を試していると書いたことがありましたが、私の場合確実に1月当たり1kg近く落ちてきています。4ヶ月で4kg下がり、お腹の肉が確実に少なくなってきたことが分かります。部下のひとりが「どうして諮るだけで痩せるのか」と質問してくるので「体重計にのって念力をかけるのだ」と笑って答えてたところ、一緒に昼食をとったとき私が少し残しているのを見て「やっぱり念力だけで痩せるわけがないんだ」と冷やかしてくれました。まあ、体重計にのるだけで痩せると言うことはないのですが、100g単位で計れる体重計に毎日朝晩同じ条件で計り、グラフを付けていくと「どんなときに太り、どんなときに痩せるのか」と言うことが見えてくることは確かです。豪華な昼食を食べただけで1.5kgも体重がアップしたときには驚きましたし、忙しくて昼食を抜いたときには朝より晩の方が体重が減っていたことも分かります。ゲーム感覚と無理のない節制が確実に余分な贅肉をそぎ落としてくれます。急激なダイエットより有効です。気になる人はぜひ試してみてください。お薦めします。


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