OMATSURIKOZO's talk salon


ランダムアクセス 2005年2月号
連載214回

新しいハードがなくても
まだ面白いことが生まれている

Fresh Vioce のIP 音声は素晴らしい
電力線通信の解禁は目の前だ
 


お祭り小僧のランダム・アクセス

 暖冬だと信じていた冬だったのですが、年末からの寒波にすっかり震え上がってしまいました。みなさん、元気に2005年を歩き出しているでしょうか。年明けに山陰に温泉旅行に出かけたところ、雪景色の露天風呂に堪能したものの、ノーマルタイヤしか履いていなかった私の車では山道は走れなくなってしまいました。滅多に雪など降らない地域に住んでいる私としてはスタッドレスタイヤの購入には躊躇したのですが、とうとう現地でタイヤを購入・交換して帰りました。温泉代よりもタイヤ代の方が高いものについてしまいました。まあ、雪景色の露天風呂に免じて満足することにしました。

 年末に始めたゴルフなんですが、どうも私とゴルフは相性が悪そうです。15年ほど前一度やり始めたことがありました。友人が誘いに来て仕方なく始めたわけですが、打ちっ放しやショートコースなどに何回か行った後、最初のコンペに参加したら台風で中止となってしまいました。「これは神様が私にはゴルフをするな」と言っていると屁理屈を持ち出し、ゴルフを止めてしまったことがあります。今回もコンペに参加したところ、雪が降ってくるではないですか。予報では昼には上がると言うことでコンペが始まりましたが、3ホール目、カート道で雪でおもいっきり滑ってしまい、肘から直接落ちてしまいました。「痛い、痛い」と思いながらゴルフを続けたわけですが、「寒い、痛い」の最悪な状態で終了したわけです。数日辛抱したのですが、病院に行ったところ「鎖骨にひびが入っている」と言われたのです。やっぱり私とゴルフは相性が悪いようです。

刺激的な事が少なくなっている

 最近PC通信に寄稿しているメンバーたちの文章を読んでも、新しいハードやソフトに興味が薄れていることが感じられますね。ハードの能力が貧弱であった時代、ハードの更新やソフトのバージョンアップは「時代についていくため」には不可欠といったものでしたが、現在ではその必要性がどんどん低下してきていますね。ワープロ・表計算・メールやインターネット検索と言った仕事なら、数年前の仕様のパソコンやソフトで充分と言ったところでしょうか。私のメインマシンは1999年の年末に組み立てたPemtium4 1.50GHzのままです。その後に組み立てたマシンは時々電源が入るサブマシンのままで、ほとんど日常のパソコンごっこはその古いマシンで行っていますが、さしたる不自由はありません。結局CPUとグラフィック能力が強く要求される高性能ゲームやCG関係の仕事以外は高性能マシンは必要ないという結論に達するわけです。だったら、パソコン遊びには全く「面白さ」が無くなってきたかと言えば、そうでもなさそうです。

IP電話はどんどん進化している

 先般Skype(http://web.skype.com/home.ja.html)というP2P技術を利用したIP電話について書いたことがありますが、この世界はだんだん面白くなってきているようです。
 古いパソコン仲間が久しぶりに訪ねてきました。最近は例会にもなかなか顔を出さなくなっているやつですが、相変わらず元気そうです。互いの最近のパソコン遊びの内容を話しているうちに、「Fresh Voice」というソフトを使って遠隔地の友人のパソコンサポートをしてやっていると言った話を聞きました。最近のパソコンメンテナンスは、一人一人のパソコン利用が異なってきているため、出かけて状態を見ないことにはなかなか判断が難しいと私は考えていたのですが、彼は「Fresh Voice」を使えば相当のことが出来ますよと言うわけです。
「Fresh Voice」(http://community.freshvoice.net/cgi-bin/index.cgi)ではIP電話、互いのパソコン画面を共有、あるいは相手のパソコン遠隔操作等を同時に行えるので、相手先に行かなくても問題点を掴んでメンテナンスが出来るというのです。Windows Messegserと似たような機能を持つ通信ソフトですが、会議室のような使い方は出来ないけれど、IP電話の音質はなかなかいいというわけです。そこで早速彼がいるうちにダウンロードを行い、インストールを行うことにしました。インストールは簡単で、匿名のままに電話番号を与えてくれます。この「Fresh Voice」には「コミュニティサイト」という趣味などでジャンルわけをした登録者がたくさんいます。探してみたものの、ほとんどOFFLINEとなっていて、誰とも話が出来ませんでした。
せっかくの音質を確かめることが出来ないなと友人と笑った後、しばらくしたらダイアルオンが聞こえてきます。受信をOKするとスピーカーから明瞭な声が聞こえてきます。「私の声も明瞭ですか?」と訊ねると「明瞭ですよ」と答えてくれます。知らない人と話をするなんてどんな話をしたらいいのだと思っていたのですが、「どちらからですか?」なんて話している内に少しずつ話が進みだしてきました。私のプロフィールを見ながら相手は少しずつ話をしてきます。彼の方のプロフィールにはあまり詳しいことが書いてないので、彼の質問から話を少しずつ膨らませていきます。こうしたうだうだ話もまた楽しいものですね。適当なところで話は切り上げたわけですが、これは友人同士でも利用する価値はありそうだ。

「Fresh Voice」を試してみる

 そこでhills君に電話をして、これをインストールしろと頼んだのです。30分もしない内に「設定もすませたので、自分の電話番号は*****」と連絡をしてきました。互いにマニュアルもしっかり読んでいないので手探り状態で、IP電話で話しながら「キャプチャ」「チョーク」などを試しました。話しながら自分が映しだしているHPを相手のパソコンに送り込めます。
お絵かきも私のところが書くと相手のパソコンでも表示され、その書き込みの上に相手も書き込んでこれます。「チャット」では文字入力も可能です。まだ使い込んではいないものの、これはなかなか面白い。暇な時にはこのソフトを立ち上げたままメールや株取引を検索していると、「ツゥルルーツゥルルー」と電話音が鳴ってきます。「受信」を押すと相手の声と共に、画面上に相手のプロフィールが表示されます。このところ数人と人と会話を楽しみましたが、全て同年輩の男性です。まあ、話題は合うものの、スリルが足らない。彼らは私のプロフィールを参照しながら電話してきているのですね。匿名性が確保されているのなら、別の登録に違ったプロフィールを書き込んで、若い女性をたぶらかしてみようかな。相手のパソコンでこのソフトを立ち上げていない限りは繋がらないと言う制約があるものの、なかなか面白いソフトです。
ちなみに私の電話番号は7717858です。私と話したい人は電話下さい。夜も更けてくると回線が満杯で繋がらなくなるのも欠点でしょうが、それはご愛敬と笑っておきましょう。

電力線通信の解禁が間近だ

 家庭内というか屋内のLAN環境に新しい流れが生まれてきそうです。技術的にはずいぶん昔から言われていたのですが、色々な問題があって実用化が懸念されていた電力線通信がとうとう実用化されそうです。
Toshi先生が「天井裏のダイハード」といって、家庭内の部屋部屋にイーサネットケーブルを張り巡らしたことを書いたことを思い出します。私の場合も私の部屋と娘の部屋をイーサネットケーブルで繋ぐのに大変な思いをしたことがあります。いったん決意したら思い切ってやらないといつまで経っても前に行かないことが分かっているのですが、人間思い切りはなかなかつかないものです。一度目はなんとか配線したとしても2度目をする気がなかなか起こらず、中途半端な配線の上乗せは無線LANに走ってしまいました。ちょっとしたデータ量であれば無線LANはなかなか快適で、54Mbpsの高速通信に対応したというIEEE 802.11gも導入しましたが、Divx映画の転送でとうとう躓いてしまいました。有線のLANは確実にデータ転送を約束してくれますが、無線ではその時その時の通信状態が不安定で、しばしば映像が固まってしまうことがあったため、再度私も「天井裏のダイハード」を試みてしまいました。我が家の通信速度はまだ100BASEのままですが、有線LANでは転送速度に問題はありません。

 「総務省は家庭の電源コンセントにパソコンや家電のプラグをつなぐだけで高速インターネットに接続できる「電力線通信」を2006年にも解禁する検討に入る。通信用の大掛かりな配線工事が不要なため、ネットを通じてエアコンや冷蔵庫などを遠隔操作するネット家電が利用しやすくなり普及に弾みがつく。当面は屋内の配線にとどまるが、将来は全国の電線網にまで利用を認める公算があり、光ファイバーと並ぶ通信手段として通信業界の競争を促し、料金引き下げなどの効果も見込まれる。

 学識経験者や家電メーカー、電力会社などで構成する研究会を年明けに発足、解禁に向けた具体的な検討を始める。早ければ来年末までに最終報告をまとめ、電波法に基づき電力線通信を禁止している総務省令による規制の緩和を電波監理審議会(総務相の諮問機関)に諮問、実現をめざす。」

 と言う記事にもあるように、もはや家庭内LANはパソコンだけを繋ぐのではなくて、家電との融合を目指しているのですね。今までもネット家電とインターネットとの結合は色々言われていましたが、新しい配線を行うと言うことは非常に難しいけれど、従来家庭内に張り巡らしていたところの配線を利用してLANが結べると言うことになれば、その敷居は非常に低いものとなってきます。問題はアダプターの価格でしょうが、こんなものはあっという間に安くなるでしょうから、問題は法規制とネット家電のソフトにあるといえるでしょう。

 それにしてもこの20年間の通信インフラ技術の転換は凄いものですね。音声通話に限られていた電話通信に、データ通信が可能となり、パソコン通信からFAX、あれこれいっている間にISDNでインターネット、ポケベルから携帯電話、ケーブルテレビからのインターネット、ADSL、挙げ句の果てはIP電話。従来技術に安住していたらいつの間にか「飯のタネ」がなくなってしまうと言う、通信世界に生きてきた人達にとっては本当に恐ろしい時代になったものです。篭屋がタクシー屋、飛脚が宅急便、駕籠が新幹線、いやはや技術革新が生活基盤までをひっくり返してしまう。その革新スピードは、パソコン世界にこそ一番大きく現れているわけですから、私は単なるユーザーで良かったと胸をなで下ろしてしまいます。

最近の私の「玄箱」

 さて、昨年新しく購入した「玄箱」ですが、これにリムーバルセットを接続する予定だったのですが、ずぼらな私はとうとう裸のハードディスクを直に接続してしまいました。最初に購入した「玄箱」は、当初計画のままリムーバルケースとセットで使っていたのですが、リムーバルケースの音がうるさいのか、「玄箱」そのものの音がうるさいのか、音が気になって仕方がありませんでした。うまく使えない時、これは音ばかりうるさい外付けハードディスクかと文句を言ったものでしたが、うまく利用できるようになってもやはり音が気になって仕方がありませんでした。
ところが横着をして、「玄箱」から取り出した結線をハードディスクに直に繋いだところ、音は静かになってしまいました。「玄箱」のファンの音は気にならないし、ハードディスクもファンがないので静かです。問題はハードディスクの発熱ですが、これが案外大丈夫なんです。一日中電源を入れっぱなしにしていても、ハードディスクに触って「暖かい」とは感じるものの、「熱い」と言った状態にはなりません。ちなみに現在数ヶ月電源を入れっぱなしにしていますが、「熱い」事もなければ問題も生じていません。ちょっと美的には美しくないかもしれませんが、これの方がよっぽど実用的であると思っています。
心ある友人は、「ハードディスクのコネクターピンを折らないように注意しなさいよ」と言ってくれますが、そんなにとっかえひっかえするわけではないので、これで行こうと思っています。ファンの音というのは本当にうるさいものだと実感した次第です。




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