OMATSURIKOZO's talk salon


ランダムアクセス 2006年1月号
連載225回

新年明けましておめでとう
めでたさも中くらいかな2006

昨年は少し株で儲けました,さて今年は?
新CPUは新しいソフトを生み出すか
 


お祭り小僧のランダム・アクセス

 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。それにしてもとても寒い冬になったものですね。11月の中頃までは本当に冬になるのだろうかなんて心配していたら、今までのおつりを含めて厳しい寒さがやってきました。悪性のインフルエンザの脅威もさることながら、皆さん、風邪などを召さないようくれぐれもご用心下さい。私は年末の寒さに震え上がり、とうとう厚手の下着を買い込んでしまいました。40年近く夏も冬も同じ下着を着ていたのですが、寄る年波と寒波に参ってしまいました。当然パッチなども着ないままで冬を過ごし、コートも手袋もマフラーも着けることがなかったのですが、今年はウォームビズに乗ることにしたところ、これが暖かいじゃありませんか。少々の北風などにはびくともしないのです。見栄を捨てさえすれば暖かい冬が過ごせるのかもしれないと思い始めているところです。

日経平均大幅上昇

調子に乗ると恐ろしい

 さて、年末や新年と言えば恒例の「1年を振り返って」とか「今年の展望」などが紙面を埋めるわけですが、これがなかなか困難な時代になってきました。私自身の年齢がだんだん高齢になり、1年1年の区切りがだんだんうつろになりかけてきていると言うこともあるでしょうが、パソコン世界の区切りもだんだんうつろになりかけてきているように思います。一方、経済面で言えば昨年は大きな節目を迎えたようです。新聞紙上では、日経平均が実体経済の成長に後押しされるように年頭から年末にかけて大きく上昇したとあります。長い日本経済の低迷が、ここに来て少しずつ上向いてきているようです。もっとも業種によってはまだまだ厳しいところもあったり、中小の企業は出遅れていると言った話もありますが、全体の明るい展望が期待されるようになってきています。日経の上昇は外国人投資家が大きく関与したことは自明ですが、パソコン・インターネットによる個人投資家の増加も極めて特徴的なものだとあります。昨年の初めにこのランダム・アクセスでネットトレーダーのお話を書きましたが、私の知人の中で「えっ、あなたもネットトレーダー?」って話が盛り上がったりする位ですから、その裾野は相当に広がってきているのでしょうね。年末にはみずほ証券の不祥事で24才のネットトレーダーが数億円の利益を得ただの、本屋には「あなたも株で大儲け」と言った本が山積みになるなど、バブルの懸念を表明する批評家達も多く見られます。10年ほど昔、株を買いさえすれば儲かると手を出した多くの人達が株暴落で大損をしたことをもう忘れてしまったわけではないでしょう。10年間のリストラと合理化で生き返ってきた実体経済の力強さは、現在の日経平均を下回るものではないと思います。しかし、株というのは単に実体経済と連動しているというわけではなく、独自のメカニズムで動いていると言うことを承知しておく必要があります。恐いのは外国人投資家の投資額です。彼らの金が一挙に動き出したら、株式市況はがたがたになってしまうほどの影響力を持っています。東南アジアの小さな国においては、外国人投資家がどっと資金を投入してミニバブルを起こし、その国の金を巻き上げてさっと逃げていった経緯も多くあります。小さな国の経済は、たとえて言うなら風呂桶で、投資金額は小錦と言ったところでしょうか。小錦が風呂に入った途端溢れ出すお湯がその国から持ち去られた金で、小錦が風呂から上がった途端に風呂の底に残ったお湯がその国に残された金と言うことになるでしょうか。日本の経済力は、風呂桶程度のものとは言いませんが、これだけの外国人投資家の投資額を相手にすると、ちょっと恐ろしい気がしてきます。まあ、彼らにしても現在の日本の株価格は割安と考えているのでしょうから、一挙に売り逃げするとは考えられませんが、グローバル経済というものは私達素人の想像の枠外にある可能性があるという認識も必要でしよう。

私も少しお裾分けを頂き

 ところで私の投資実績はと言えば、昨年もまずまずでした。かといって日経平均の上昇率には及ばないものでしたから、決して誇れるほどのものではありませんが、それなりに稼がせていただきました。こうやって数年間株をいじっていると、周期のようなものを感じ始めます。私が購入した株がグンと上昇する月があれば、グンと落ち込む月もあり、一定の調子で利益を確定することはとても難しいものだと思います。出来るだけ分散投資を心がけながら、安定性を求めようとするのですが、この株にもっと投資をしておけばもっと利益が出たのにとか、もう少し辛抱しておけばもっと利益が出たのにとかの欲望は人のサガですが、あまり考えすぎるとろくな事にはならないようです。細かくこつこつというのが私が決めた投資スタイルですから、これを守って進むのが良いと言い聞かせているところです。このところの株の値動きは上昇・下降ともかなりの大きさで動いていますから、デイトレーダーのように一日で勝負をかけるものにとっては面白いでしょうが、私のようなサラリーマンにとっては家に帰ってみるポートフォリオの状態は誠に心臓に悪いものです。1日で数10万円の上下がしばしばですから、上がっている時には嬉しいけれど、下がっているのを見るのは情けないものです。巨人が勝てば翌日一日気分が良く、負けていれば不機嫌になると言ったプロ野球ファンを笑っていましたが、今の私は笑えなくなってきているようです。まあ、せいぜいシコシコと今年も稼ぐことにしましょう。

新CPUの本格的登場

 さて、今年の私のパソコンライフですが、今のところ夢や希望といったものがないのです。パソコンをめぐる世界は、もはやパソコンというジャンルでは括れなくなり、「デジタル世界」と言い換えなくてはならないほど広がりを見せてきています。そんなにも広がった世界において、どうして私が夢や希望がないというのかと自問すると、「使えこなせなくなってきた」と言うことなのかも知れません。とにかく新しいものなら何でも好きとか、人よりは先に試したいとか、パソコンに見栄を求めていた私にとって、最近のデジタル世界はその広がり故に見栄が張れなくなってきたと言うことが言えるのではないでしょうか。「あんな事もこんな事も出来る」って事は、「何にもできない」って事に通じることがあるように、不自由さの中に自由を感じていた私に、今さら「無限大の自由」なんて言われても困るわけです。これって、最近の若者達が陥っている閉塞感と似ているのかもしれません。よし、年頭にひとつ閉塞感打破を目指して。

 パソコンの進化を示すバロメーターはCPUの進化に負うところがあります。このCPUの進化はIntelのムーア会長の言うところのムーアの法則があるわけですが、先般のランダム・アクセスで書いたとおり、再び大きな曲がり角に来たようです。性能の停滞という意味ではなく、進化の方向の変換です。486からPentiumに移行する当時、CPUはRISC(縮小命令セットコンピュータ)とCISC(複雑命令セットコンピュータ)の戦いがあり、IntelのCISC(x86)はSunのRISC(PowerPC)に負けてしまうと言われたものですが、IntelはRISCのいいトコ取りをしてPentiumを発展させてしまいました。それから10年以上経過したわけですが、今までのPentium路線では消費電力の問題を含めて性能の向上が望めなくなってしまったようです。そこで登場したのが、ディアルコアとCISC(複雑命令セットコンピュータ)の復活です。RISCの最大の利点は高クロックにできるということだったのですが、高クロックの行くつく先は消費電力の増大と発熱量にあったわけで、低電力つまりクロック数を挙げないで性能を向上させる道を探らなくてはならなくなったわけです。昨年から発売されているPentium Mがこの考え方を打ち出したもので、Pentium D がデュアルコアを実現したものでした。今年発売される新CPUはこの2つの概念を融合させたもので、新時代を切り開くCPUといえるでしょう。今年の春発売となるIntelのノートパソコン用CPU「Yonahヨナ」はこれを初めて実現したものです。こうした考え方はIntelのみならずAMDも追っかけていますから、数年先のCPUは全てこうしたものに変わっていくことでしょう。うーん、そんな時代になったら我が家のパソコンは全て完全な旧型になってしまうな。あっ、そういえばこんな愚痴、久しぶりかもしれない。この5、6年、旧型のパソコンでも十分に仕事が出来る、買い換えなんて必要ないよと言い続けていた私にとって、パソコン黎明期から発展期にかけてはいつも「また新型だ」と勢いを込めていたパッションが蘇ってくるかもしれない。

新しいソフトが待ち望まれている

 もっともパソコンがパソコンとして機能するのはハードだけでなく、ソフトを走らせてからのことと言うのは自明のことで、新しいハードの上でなければ走らない新しいソフトが登場することによって新時代が幕を開けるわけです。この数年、ソフトの進化より、ハードが先行するという時代になっていました。ハードの値段が圧倒的に下がりパソコンがますます大衆化した時代だったわけです。新しいソフト環境と言えばインターネットだけと言っても良かったでしょう。ところが、今年は新しいWindowsも登場します。このソフト世界の方向性はまさしくAVです。この数年売り出された数々のメーカーパソコンはテレビ・DVD機能を融合させたもので、大型液晶モニターでテレビ・インターネット・録画・再生が可能といったものでした。今後はこうした方向がますます鮮明になり、もっと操作性に富んだものになってくることは自明です。パソコンをパソコンごっこの道具としてしか考えてこなかった私などにとっては、そうした世界は趣味の領域だと考えていたのですが、最近のユーザーにとっては当たり前の世界って事でしょうね。私の居間パソコンもそろそろ更新の時期かもしれません。

「PowerPoint」でプレゼン

 昨年末から「PowerPoint」にはまっています。私が開発した新工法を相手先に説明する時手作りのパンフレットで行っていたのですが、PowerPointによるプレゼンテーションくらいは考えろよと言うアドバイスをもらいました。そこでソフトとマニュアル本を買い込み、構想もなく思いつくままに作り始めたのですが、作っていく過程でだんだん骨格が出来てくるのです。面白くなって色々アニメーションを加えたり、イラストに凝ったりしている内になかなかの大作(?)になってしまいました。あるコンサルト会社に持ち込んだところ、面白そうだから社内でプレゼンをやらせてあげると言われ、15名くらいを相手にしてプレゼンを行いました。結構好評だったので、気分を良くして新作にチャレンジしています。古いPowerPoint使いに言わせれば、私の作品は素人がよく陥るゴテゴテの作品だと酷評されるわけですが、派手派手しいのが好きな私と視聴する対象には好評なんだと嘯いているこの頃です。

StarSuiteを試して

 その「PowerPoint」ですが、Microsoft社は1年間の特価セールを始めています。面白そうだから購入しようと思ったのですが、サンマイクロからオープンソフトで流されている「Impress」を購入しました。これはMicrosoftのオフィスシリーズの互換ソフトで、その互換性はなかなかだと雑誌などで紹介されているものです。私のお得意であるソースネクストからは「StarSuite」と言う名前で発売されていたのでこれを個人用に購入しました。「Impress」を走らせたところ、この互換性は古いバージョンの「PowerPoint」と変わらないものでしたが、いかんせん重い。UNIXで走らせるともっと軽快なのかもしれませんが、私のモバイルパソコンであるビクターのInterLinkのWindowsでは、レスポンスが悪すぎてしばしば暴走してしまったのかとキーを叩きすぎて、かえって暴走を誘ったりします。速いハードに安いソフト、これがトレンドだと言っていた私ですが、ちょっとここまでは難しいかなと思っているところです。

 さて、月末が近づくたびに原稿ネタ探しにうつろき周りながら、この数年ランダム・アクセスを書き続けていますが、今年もよろしくお願いします。


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