OMATSURIKOZO's talk salon


ランダムアクセス 2006年12月号
連載235回

ロードモナークPROで3段
ひとつ大台に乗った気分

パソコンもゲーム機にも新たなトレンドが
Wireless USB規格が登場


お祭り小僧のランダム・アクセス

 なかなか冬の気配がやってこないと思っていたら、急に寒さがやってきました。このところの季節の変わり目は本当にメリハリがあるというか、一瞬にして季節が変わると言った風情です。お天気お兄さんが言う事には「今年はエルニーニョ現象で暖冬だ」と言う事ですが、本当だったら嬉しいなと思っているところです。今年の春先から職場が変わり、朝が30分以上早起きしないと遅刻する事になったため、冬の寒さが身にしみるだろうと今から恐れているところです。朝日が出ない時刻に出勤するという生活は長い間経験してなかったので、身に堪えそうです。

 さて、局長から「来年の1月号で休刊しよう」という申し出を受けました。TOSHI先生に言わせると「お祭り小僧さんが休稿したからこんな事になったのだ」と非難されましたが、「ASCU」だけでなくDOS/V関係の他の雑誌もどんどん休刊してきています。ひとつの時代が終わったようです。と言う事で今月は昔話からと事を進めようと思ったのですが、「そんな話は最終号の来月号に廻せ」という私の心の声が聞こえてきました。そこで、今月はいつも通りの馬鹿話で進めましょう。 

「ロードモナークPRO」やっと3段

1年近く前、ソースネクストから懐かしのゲームも1980円で発売されていて、「ロードモナーク」の復刻版が出ていると書きましたね。何作か購入して、「PROを征服せずして『ロードモナーク』を語るな』という文句に釣られ、PROに挑戦し続けてきました。とうとう3段にたどり着きました。再び挑戦した時には昔の戦略を殆ど忘れていたのですが、やり始めてくるとだんだん思い出してきました。昔、9801でこのゲームをやっている時、「どうしてもこの画面はクリアできない」と今は亡くなった出射さんに話した時、「ここはスピードを一番落として、ゆっくりひとつひとつのコマをじっくり動かして、こうやって、ああやって」と実習で教えられた事を思い出してしまいました。「ロードモナーク」と言うゲームは、ファルコムから10年以上前に発売されたゲームで、フリークの多いゲームですが、さすがに今さらと言った世界ではあります。しかし、インターネットを見るとまだまだ挑戦している人達もそこそこにいるようです。盤上に配置された4つのチームのうちのひとつのチームに指示を出し、全領域を確保させるゲームなのですが、「とてもじゃないがこんな不利なところから征服なんてできるものじゃない」と思いながらも、やっているうちに戦略が見つかるものだから填るんでしょうね。52面ある全てをクリアする事に全力をかけるのが最初の楽しみです。一度クリアした時点から、再び点数を稼ぐために再挑戦するという奥深い(?)ゲームなわけで、当初たどり着いた時には段に届きませんでしたが、時間を見つけては再挑戦・再挑戦を続けているうちにとうとう先日3段に到達しました。再び挑戦しているうちに新たな戦略が見つかり、大きく得点を伸ばす事もありました。しかし、時間があったら又少しずつチャレンジしてと言う気持ちはもう起きません。ここから先は大逆転の戦略はなかなか見つかりそうではなく、重箱の隅をつつくような戦いが待ち受けているような気がして、私の性分では耐えられそうではありません。一緒に挑戦している友人がいたら、又楽しいのかもしれませんね。

MSとNovellが「歴史的」提携

 先月号でWindowsVistaの価格が高いのと批判しましたが、MicrosoftもこのままではPC=Windowsの構造も変わっていくと考えたのか、MSとNovellが「歴史的」提携を行いました。つまり、WindowsとLinuxの相互運用を実現しようと言う事になったわけです。NovellはかってネットワークOSのNetWareで市場リーダーにのし上がったのですが、その後はMSの猛追にあいその座を追われ、再びの復活をかけてMSへの挑戦を続けていました。しかし、ここにきてとうとうMicrosoftとの提携に踏み切ったようです。かってはMicrosoftがNovellを買収しようとしていたのですから、この提携はNovellにとっては前進と言う事になるのでしょう。しかし、Linux陣営の一画がMicrosoftに取り込まれたという見方とMicrosoftがLinux陣営になびいたという見方のどちらが正しいのかはまだ分かりません。ただ、MicrosoftがPC=Windowsの時代は終わりかけているという認識を持った事だけは確かでしょう。

100ドルPC試作機製造

 話は前後しますが、例の100ドルPC、台湾Quanta Computerの上海工場で最初の1000台製造に成功したというニュースが伝えられました。「One Laptop Per Child」創設者にして会長のニコラス・ネグロポンテ氏は最初の1年で1億台を導入すると見込んでいると言う。本当にこの数字が実現可能なものかどうかは差し置いて、その半数でも世界で販売されているノートPCの数より大きいのですから、実現したとすれば数の力が生まれてきます。このPCのOSはLinuxです。試験的に製造された1000台には、高いところから落下させる、子どもにキーボードを強く叩かせるなどを含む、厳密な環境テストが行われ、汚れやほこりに対する耐性も試され、ソフトウェアメーカーもアプリケーションのデバッグを担当する事になっているそうです。テスト終了後、Quantaは2007年初めに次の製造を行い、完成したパソコンはOLPCプロジェクトに参加する最初の国々、アルゼンチン、ブラジル、リビア、ナイジェリア、タイの学校に送られ、子どもたちによる実際の使用をテストの最終段階とし、2007年夏から量産に入る予定といいます。タラ話のように思われていたプロジェクトは少しずつ出も着実に前進しているようです。前回でも書きましたが、このPCのハードウェアはそんなに大したものではありません。500MHz CPU、128MバイトRAM、512Mバイトフラッシュメモリ。しかし、このハードウェアには秘められたポテンシャルを持っています。1つ目のパワーは消費電力だ。最新のノートPCの消費電力は通常20〜25ワットです。これに対し100ドルノートPCは消費電力が2ワットを切るよう設計されており、電源ユニットにつながれたクランクを回したり、ペダルを踏んで発電して動かすことができる。また、ノートPC同士を接続できる無線メッシュネットワーキングなど、ほかにも興味深い機能が搭載されている。しかも電源が入っていないときにもワイヤレスメッシュルータとして作動し続けられるという。ビジネス用途には適用できないと馬鹿にする人もたくさんいるでしょうが、なかなか面白いComputerだ途私は思っています。

新しいパソコントレンドが生まれるのか

 つまり、WindowsPCとMacのふたつの流れとは別に新たなトレンドが打ち立てられたと思ってもいいでしょう。この100ドルPCの上で走るソフトは、OSがLinux、アプリケーションはインターネットから取り込むという話ですが、Googleはもうこうしたサービスを始めています。広告収入から運営しているというGoogleですが、先月号でも書いたようにGoogle Earthの様な凄いサービスも始めています。こんなビジネスモデルは私には想像もつかないものでしたが、現実に彼らはそのサービスをどんどん拡張していっています。このGoogleも100ドルPCの協賛会社のひとつです。インターネットを普及させるきっかけを作ったWindows95が、その結果新たなライバル会社を生み出し、自らの生命線を危うくする可能性が出てくるなんて皮肉なものかもしれませんが、それが世の常なのかもしれません。

次世代ゲーム機もまた新しいトレンドが

 次世代ゲーム機の発売が始まります。先行するXbox、続くPS3、別路線を生み出そうとするWii。ちょっと興味深いものを感じてしまいます。PS3なんかはその値段もさることながら、そこら辺のチープなWindowsマシンなんかが太刀打ちできないほどの高性能なハードです。今トレンドのBlu Ray DVDドライブまで備えていますから、コストパァフォーマンスは抜群だとは思うのですが、高性能ハード=面白いゲームかといえば何とも言えません。コマーシャルなどで流されるゲームソフトの表現や動きはまるで実写かと思わすものですが、アクションゲームの苦手な私はただ眺めるだけです。こうした高機能を追求したXboxやPS3とは別路線を選択した任天堂は、世界中にテレビゲーム機を普及させた本家ですが、どうやら時代の流れを別の感覚で捉えたようです。「家庭でみんなが楽しめるテレビゲーム機」から「ゲームフリークに受けるゲーム機」にトレンドが移り、その戦線ではPSに敗北してしまいました。しかし、DSの成功によって、再び「家庭でみんなが楽しめるテレビゲーム機」に先祖帰りしようとしているのだろうと思います。さて、この戦略はどうなるのでしょう。ちょっと興味津々です。

「Wireless USB」の登場

 総務省は、10メートル以内の近距離で高速に通信可能なワイヤレス技術である「UWB」(Ultra Wide Band)を解禁しました。同技術をベースにしたUSBの無線規格「Wireless USB」に対応した周辺機器が順次登場してきています。この「UWB」は無線通信の方式のひとつで、データを1GHz程度の極めて広い周波数帯に拡散して送受信を行なうもので、それぞれの周波数帯に送信されるデータはノイズ程度の強さしかないため、同じ周波数帯を使う無線機器と混信することがなく、消費電力も少ないと言った特徴を持っています。また、位置測定、レーダー、無線通信の3つの機能を合わせ持っており、極めて独特な無線応用技術と言えます。位置測定機能で言えばGPSよりも正確な測定が可能で、ゴルフコースのティーからホールまでの正確な距離を知らせる機器を開発している企業があるくらいだそうです。レーダー機能を応用した製品には、消防士が建物内の人の位置を確認したり、警官が隠れている犯人を見つけだしたりするのに使用することができるとも言われています。この機能を利用してホームセキュリティ機器(侵入者検知装置)を開発するという構想もあるそうです。通信機能は約40Mbpsの速度が達成されており、これはBluetoothや無線LAN(IEEE 802.11b)などよりも高速である。この通信技術を応用してUSBの無線規格「Wireless USB」が生まれたわけです。現在のパソコンの周辺機器との接続には多くUSBが用いられていますが、この「Wireless USB」を用いれば蜘蛛の巣のように張り巡らされている我が家のパソコン部屋のケーブルは一掃されるのではないかと期待するわけです。通信速度は理論上はUSB2.0と同じ480Mbpsであるというのだから、問題はありません。私としては、従来製品にもアダプターとして通信機だけを売り出してくれれば嬉しいのですが、どんなものでしょうね。


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