EeePCを携えて初のインド出張
タージマハールに圧倒されました
お祭り小僧のランダム・アクセス
皆さん、お元気ですか?お祭り小僧も還暦が近くなり、パワーは少しずつ落ち込んでいっているようです。なにしろ、アメリカのサブプライム問題から世界的な景気減退、リーマンブラザーズの倒産、全くお先真っ暗ではないですか。投資信託は中国の北京オリンピック後の景気後退を予測して逃げていたのですが、日本株の方は未練たらたら持ち続けていたら、ずるずると落ち込んでいきます。この景気後退が原油価格を押し下げてきたと言われると、ガソリン代と株価を比べる私にとっては少々ガソリン代が高くったって株が上がった方がましだと叫んでしまいます。まあ愚痴を言ったところで仕方がありません。ここは死んだ振りをして再びの流れを待つことにしましょう。
突然InterLinkが御昇天
さて、私のパソコン生活ですが、これもパッとはしませんが、EeePCを買いました。これも本当に欲しくて買ったと言うより、ちょっとした事故によって買う羽目に陥ったという次第なのです。この数年海外出張に持ち運んでいたのはビクターのInterLinkでした。これはなかなか気に入って、私のミニノート歴の中で一番長く使っていたものでした。思えばウルトラマンから始まった私のミニノートは、リブレット2代、ソニーのミニVAIO、InterLinkと続いたものでしたが、このInterLinkは本当に使える持ち運びの便利なパソコンでした。最近はPowerPointを用いたプレゼンテーションを作り、軽いプロジェクターを持ち運ぶことが多かったのですが、このパソコンだったら運ぶのに苦がなかったのです。その上、USBメモリーがずいぶん安くなっていたので、8GB、16GBのものを購入しています。この位のデータ容量があればDivxデータにしても何本も放り込むことが出来るし、仕事のデータなどは軽いものです。画面のサイズは老眼が強くなってきた私には少々きついとはいえ、充分実用に耐えれるもので、本当に気に入っていたのです。今回インドへの出張の話があり、このInterLinkとプロジェクター接続の確認を部下にやらせていました。彼は「しっかり確認しました。大丈夫です」というので、「充電もやっておけよ」と指示していたところ、「電源が入りません。反応しません」と言ってくるではないですか。「さっきまで動いていたのだろう?」「そうなんです。アダプターをパソコンに接続したとき、ちょっと焦げ臭い臭いがしたような気がするんです」と言います。バッテリーを外して電源を入れても何をしても起きあがってはくれません。あーあ、どうやら御昇天のようです。まあ、ハードは壊れていくものとはいえ、気に入っていたパソコンだったから少し気落ちしてしまいました。その上、新しいパソコンを買ってもまた設定する必要もあるし….。このInterLinkにはXPでもProfessionalが入っていたし、ウィルスソフトも入っていたし、これらは一体どうなるのかいな。
そこでEeePCの購入
とはいえ、御昇天してしまったパソコンは戻ってはきません。そこでその日早めに会社を退社し、我が町にもやってきたケーズデンキに向かうことにしました。パソコンショップのポイントカードはいくつか持っていますが、一度はケーズデンキにも行ってみたいと思っていたので、ここで購入することにしました。EeePCは初代の頃からHDDの替わりにメモリードライブを採用したと言うことで興味は持っていたのですが、初代はあまりにもチープで食指が動きませんでした。店内にはEeePC以外にも工人社や富士通などのミニノートが陳列されていました。店員がやってきて、「実際に動かして確かめてください」と優しく言ってくれますが、今まで一度として実際に動かして購入したことなどありません。問題はパソコン仕様です。最近のCPUはそんなに遅くはないし、そのパソコンに何を求めるのかに尽きます。私の場合、インターネットとMicrosoftのofficeが使えればいいと言うだけですから、本当にありきたりの仕様で充分です。InterLinkの唯一の欠点は、ビデオ出力がオプションだった事で、このオプションまで購入していたから痛かったのです。
今回購入したEeePCは901シリーズで、EeePCシリーズとしては第2弾のものだ。筐体は黒のものを購入した。デザイン的にはInterLinkにそっくり、モニターにしてもよく似ている。よく考えれば、InterLinkは発売元がビクターでも製造元は確か同じASUSではなかったろうか。メインメモリの1GBを2GBに変更し、6万5000円だった。確かInterLinkは13万円程したと思う。このクラスのミニノートの値段が急激に落ちてきているのは驚きだ。メモリを換装すると暫くチェックが必要だと言う事で2時間程待たされた。
小さいアダプターが嬉しい
その間に仕様を暫く眺めていた。インターフェース類は左右に配置されていて、USBポートが3つ(本体右2、左1)、イーサネット(100Base-TX/10Base-T)、SDカードスロット、ディスプレイのコネクターなどがある。このサイズでUSBポートが3つあるのは、嬉しい。液晶は、8.9インチで、解像度は1025×600ドットと少し変則的だ。付属のACアダプターは、小さく、持ち運びにも便利そうだ。小さい光学マウスも嬉しい。CPUは、インテルのAtomプロセッサー「N270(1.6GHz)」である。Atomプロセッサには、ZシリーズとNシリーズの2つがあり、Zシリーズは低消費電力で、パッケージも小さく、MIDやUMPC向け。これに対してNシリーズは、同じコアでありながら、消費電力や発熱量が多少大きく、また、パッケージも特に小さいものにはなっていない。Nシリーズは、低価格なシステムを構成するためのプロセッサーで、Zシリーズとは、チップセットも違っている。
ドライブとして4Gbと8Gbのフラッシュメモリを利用したSSDを搭載している。この時、この2つが合体して12Gbとなっているものと思っていたら、それぞれ別でC、Dドライブとなっており、4GbのCドライブにWindows XPや標準のソフトウェアの大半が格納されている事を後で知ったわけです。というのは、Microsoftのofficeを標準的にインストールした後、動きが急に悪くなってしまい、ドライブの中を確認したのです。そうすると、Cドライブにアプリケーションなどインストールするものではなく、DドライブのProgram Filesフォルダーに入れるものだと分かったわけです。最初からトラブルとなったわけで、仕方がないのでアンインストールしてDドライブのProgram Filesに再インストールです。データは、SDカードスロットがあるので、SDカードを使って行えばいいわけですが、私はUSBメモリを持っているのでそれにする事にしました。
液晶の上部には、130万画素のカメラがある。こんなものを付けなくてもと思うのは私だけか、本体にはマイクも内蔵されていて、ソフトにSkypeが付いている。うん、これはSkype通信用のものだと言う事らしい。多分私は使う事はないだろうな。無線LANは、IEEE802.11 b/gとDraft 2.0のIEEE802.11nに対応している。イーサネットは100Base-TXまでだが、これで十分である。
InterLinkを壊した部下には「君が壊してくれたおかげで、EeePCを買う決心が付いたよ」と少々嫌味気味に声を出しても、みんなくすくす笑うだけで、当人も「そうでしょう」という顔である。どうも私の嫌味は通用しなかったようだ。それでも殊勝な当人は私のEeePCに必要なソフトをインストールしてくれたのだが、先に書いたように単純にCドライブに入れたものだから、再インストールしなくてはならない羽目になったわけです。ストレージがHDDではなくSSDであると分かっていても、一般的に陥る最初のミスだろう。
早速インドへの出張のお供となる。InterLinkと同じ大きさ、同じ重さなのでまったく違和感はない。ACアダプターが小さいのがとても嬉しい。プロジェクターとの接続もうまくいき、早速の購入は間違っていなかった。
インドは中東とアジアの混血児?
さて、そのインドですが、私もインドは始めての訪問でした。近年の発展途上国、高成長国という話ですが、到着したデリーの街は全くのアジア的風景でした。ちがうのは、顔と服装です。今年の4月ベトナムを訪問したのですが、その時は中国系というか、東南アジア系の顔が多く、よく旅に出る中国とイメージが似通ったものでしたが、さすがにインドは違う。顔の造りが濃い。単に黒いと言うより、目鼻立ちがくっきりしているのだ。そのような人達が行き交う道が又、東南アジア以上に悪いのだ。道路は舗装をしているにもかかわらず、至るところデコボコとなっていて、それがほったらかし。大きな水たまりが街の至るところに出来ている。その道路に人、自転車、車、トラック、バスがひしめきながら往来する。その道に悠然とというか、当たり前のように牛が佇んでいる。車がクラクションが至るところで人のざわめきの上に襲いかかる。街並みの商店街は、東南アジア特有の2メートル位の狭い間口の中に、商品が雑然と並べられていて、隣近所同じものを扱っている。テントのような市場近くでは、仕事をしているのだか遊んでいるのだか分からない人達がたむろしている。まったく、猥雑な街である。
タージマハールに圧倒される
私が向かったのは、デリーから200キロほど南に下ったアグラという街である。ここは、あのタージマハール(白い大理石で作られた廟)のある街だ。デリーからアグラまでは鉄道か車と言う事であったが、鉄道の時刻表が分からないので車で向かった。上記のように街を抜けて走り、しかも高速道路もないのだから5時間近くの行程となってしまった。到着までにすっかり疲れてしまったが、出張中時間を作って是非タージマハールには出向こうと思っていたが、次の日訪問する機会が出来た。地理も環境も分からないまま出歩いても肝心なところを見ないまま帰ってしまう可能性が高いので、同僚とホテルに相談すると、英語のガイドを付けた半日タクシーツアーを組んでくれました。タージマハールとアグラ城を廻るツアーと言う事で、最初にタージマハールに向かいました。タージマハールの近くまでタクシーで廻った後、馬車に乗って門まで向かいます。携帯品は殆ど持っていけません。門に入ったところでは妙に警備が厳重だななんて笑っていましたが、本門を抜けた後姿を現した白亜の塔は声が無くなる程素晴らしい姿を見せます。本当に美しい。写真を撮りながら、長い庭園を進み、塔に辿り着くと圧倒されてきます。ガイドが歴史とか建築材料とか様式とか説明してくれるのですが、元々インドの歴史を十分に理解していない上、私の英語力の不足で半分も理解できません。しかし、具体的に大理石の中に施されている石細工を見せられると意味が分かってくるから不思議です。「自分達だけで訪ねていたらここまで分からなかった」と彼に御礼を言うと、「自分の仕事だ」と自慢そうに返してきました。周りの喧噪と乱雑な雰囲気はここの中にはありません。2500円を超える入場料にもかかわらず、多くのインド人が訪れています。その後アグラ城も見学し、ホテルに帰ったわけですが、ガイドにはしっかりチップを渡しました。前回のベトナム旅行もそうでしたが、ガイドって金が要るかもしれないが、やっぱり観光ポイントを教えてくれるから必要だと実感しました。
女房がタージマハールに行けるなら一緒に行きたいなんて言っていましたが、ツアー旅行以外で個人的にインド旅行なんて考えない方がいいと電話してしまいました。本当に、タージマハールって処は「泥の中の蓮」って感じで、そこだけを見れば素晴らしいのですが、その周辺はもう少し整備しろよと言いたくなる程の環境です。その全体を合わせて「それがインドだ」なんて言う人もいるでしょうが、まあ凄いところです。帰国する朝、激しい下痢のおみやげを貰ってしまいました。アグラからデリーまでの5時間のタクシー旅行に困らないようにと何度もトイレに通い、何とか空港までたどり着きました。前日同僚が下痢をしたと聞いた時、「柔な腹をしているな。俺なんか快調だぞ」と豪語していたのですが、インド恐るべきです。
またインドに出張という話になったら、ドバイに続いて行きたくないところと言う事にして、他の人に廻す事にしましょう。