OMATSURIKOZO's talk salon


ランダムアクセス 2009年2月号
連載242回

EeePCシリコンディスクの増強
ついでに128GBSSDも購入

USB3.0の仕様と発売時期が公表
パソコンの在り方も変わるかも


お祭り小僧のランダム・アクセス

  明けましておめでとうございます。「PC通信」に新年の挨拶を書くのはもう20回は越えた事でしょう。パソコンに興味を覚え、仲間達と知り合い、四半世紀を越え、とうとう今年は還暦を迎えることになってしまいました。

 数年前、TOSHI先生が還暦を迎えたと話していましたが、とうとう私も仲間になってしまいました。年頭には高校時代の同窓会があり、その時どこかに赤いものを身につけて集まろうと話していたので、私は赤いマフラーを付けて出席しました。最近の還暦メンバーは本当にまだ若い。私が幼かった頃、祖母の還暦祝いでは祖母はまったく年寄りといった感じがしたものですが、同級生達はまだまだ働き盛り、女性に至ってはまだ色香が残る人たちもいました。私が祖母の還暦を思い出す時、祖母が年寄りだったとイメージするのは単に私が幼かったからか、本当に当時の人達は老けやすかったのかという問題もあるでしょうが、やはり現在では60才という年齢はまだ年寄りの部類には入らなくなっていると思います。まあ、もっともこれも私達の年齢の人達が自分達はまだまだだと主観的に思っているからだけなのかもしれません。と言う事で、わたしもとうとうひとつの峠を迎えたと言う事です。

少しパソコン部屋を整理してみました

 さて、「PC通信」で書く事と言えばパソコンに拘わる出来事と言う事になるわけですが、最近の私のパソコン生活はメールとインターネットにパソコンを使う事以外、これといった新しい使い方を工夫するわけでもなく、模索するわけでもないと言った有様です。私の会社でパソコンをどんどん利用するようになったのはほんの10年程前です。パソコンは高価であるとか、年寄りには扱えないとか、難しすぎると言った戯れ言が通用しなくなり、ありとあらゆる書類がパソコン上で製作される時代に突入してしまったからです。インターネットが普及し始め、新しく入社してきたメンバー達にとってはパソコンを使う事は当たり前といった時代に変化していました。当初は私も彼らに指導もしていましたが、そのうちに彼らの利用方法の方が私を上回り、最近ではただ見守っていると言った状況です。

 昨年末、私の部屋を少し片づけようと思い立ち、古いパソコン雑誌や本などを片づけていくうちに、5インチのフロッピーだとか3.5インチのフロッピーが多く仕舞い込まれている事に気が付きました。もうどちらのメディアも立ち上げる事が出来なくなっているというのに、後生大事に仕舞っている自分に苦笑いしながら処分しました。大きなゴミ袋が3つも必要だったところを見ると、相当量のものでした。当時このようなメディアの単価は相当のものだったと思うと少々寂しい思いも感じましたが、どんどん片づけていくうちになんだかすっきりした思いにとらわれました。その中には88や98で作ったOPCソフトの残りもあり、あぁひとつの時代が流れてしまったのだなと、ちょっと感慨深いものも感じてしまいました。もし、私が急に亡くなってしまったら、まだまだたくさん残っているCDやDVD、HDD等も処分が大変だろうなと思いつつ、まあこれはまだ置いておこうと片づけもそこまでにしておく事にしました。みなさん、古いメディア、どうしていますか。

EeePCとシリコンディスク

 さて、前回の「PC通信」でASUSのEeePCを購入した話を書きましたが、今月もこのパソコンにまつわる話を書いてみましょう。私がこのパソコンを気に入った最大のポイントはメインの記憶装置がハードディスクではなく、シリコンディスクであったことは話しましたね。近年ハードディスクの価格は大幅に値下がりし、その容量も莫大なものとなってきました。昔、あの大金持ちのビル・ゲイツが日本のハードディスクの金額を聞いて「そりゃあ、金塊だ」とジョークを飛ばした時代があったことなど若い人など信じないでしょうね。当時、OSの占める領域はどんどん大きくなり、ハードディスクがすぐにいっぱいになるなど文句を言っていましたが、当時のハードディスクの容量はせいぜい100MB程度でしたから仕方がないといえば仕方がないといえます。しかし、現在を振り返ってみるとバイト当たりの単価が一番安いのが1TBという時代です。本当に密度の濃さに驚いてしまうわけですが、これだけの容量のフォーマットやバックアップは本当に相当な時間がかかってしまいます。私もデータ用のハードディスクとして大容量のものは望ましいと思っていますが、ブートディスクにこれだけのものが必要かどうかを疑問に思っていました。

 今回のEeePCですが、12GBのメモリディスクであるということで、「うん、これだけあれば起動ディスクとしては充分、データディスクはSDやUSBメモリにしよう」と思ったわけです。まあ、それ以上のことを調べずに買った私が悪かったのですが、EeePCのメモリディスクは4GBのCドライブと8GBのDドライブがあったのです。インターネットで調べてみると、このメモリディスクであるフラッシュメモリには2種類あり、応答速度が速いSLC と応答速度が遅いMLCがあり、4GBのCドライブにはSLC、8GBのDドライブにはMLCを使っていることを知りました。値段の問題と性能の問題を考慮してこのような構成にしたのでしょうが、これを知らずにアプリケーションをインストールすると当然問題が生じてきます。私の場合、結局Cドライブにインストールしたプログラムを一度削除し、再度Dドライブにインストールし直しました。まあ、はじめからドライブ容量が少ないですから手間はしれていました。このパソコンの使用感については前回の記事の通りで、私は非常に気に入っています。何より気に入っているのは、起動の早さです。家のパソコンは相当長く使っているためもあるでしょうが、とにかくプログラムを立ち上げるまでに相当な時間がかかりますが、EeePCでは電源を入れたり切ったりすることが気にならないくらい速いです。一緒に仕事をしている人と出張に出たときEeePCを見せたところ、気に入って早速購入していました。彼のパソコンはメモリが増えたEeePC901(16GB)で、これには少しムッとしましたが、まあ仲間が増えたと喜んだ次第です。

Dドライブの増強

 さて、EeePCをインターネットで調べると改造記事があふれかえっていました。4GBのCドライブを置換増設するものから、内部の空間に増設メモリをはめ込むものまであり、昔の私ならワクワクしながら改造に手を掛けようと思ったことでしょう。しかしながら、もうそこまでの情熱がおきてきません。だって、通常のアプリケーションを使う上で問題が生じていないわけです。インドの出張に始まり、昨年の後期には上海、北京などの出張が重なり、1週間単位で移動したのですが、軽い、起動が速いEeePCは本当に重宝しました。インターネット接続はもちろんのこと、16 GBのUSBメモリにはDvixの映画データを放り込み、時間があると映画を楽しむことも出来ました。もう充分とは言いつつ、やはり他人と同じ仕様のマシンでは気に入りません。購入時にメインメモリの1GBを2GBには増設していたのですが、Dドライブも増強することにしました。バッファローやアイオーから増設用のSSDが発売されていて、8000円程度の32GB(バッファロー)を購入しました。本当にフラッシュメモリは安くなってきましたね。32GBが8000円なんて本当に信じられませんが、とにかく安いことはいいことだとメモリ増強をしました。EeePCのパッテリーを外し、裏蓋を開けると8GBのメモリが見えます。これを外して取り替えるだけのことでした。忘れてならないのが、バックアップを取っておいてこれを元に戻すことです。せっかちな私はついついそうした大切なことを忘れて、後でほぞをかむ思いを味わうことになるのですが、今回は手順書の通りにひとつずつステップを踏んで行いました。BIOSを確認するときっちりと32GBが確認されています。後はフォーマット、リストアだけです。うーん、これで私のEeePCはそこら辺で売られている5万円の安物とは違うぞと満足したわけです。

起動ディスクはSSDだ

 このEeePCの経験が私にSSD指向を決定づけてしまいました。EeePCが火をつけたミニノート、あるいはモバイルノートというジャンルは全てのメーカーを巻き込んで大戦争になっています。まあ、どこも似たり寄ったりで、大きな違いはありませんが、SSDハードディスクの採用は数が少ないです。普通のユーザーなら容量の大きな記憶装置を選ぶでしょうが、このジャンルのノートは「持ち運び」を前提とした使い方をする人向けなのです。そうするとこのジャンルのパソコンには絶対にSSDハードディスクの採用は必須と私は考えます。インストールするソフトは出かけた時用いる最低限のものだけでよいのです。起動が速く、シャットダウンが速いと言うことは、外出先では本当に有効です。と、ミニノートについてSSDハードディスクを考えていたら、デスクトップパソコンだってSSDハードディスクを入れたらどうだろうと考え始め、インターネットを調べてみたら、この半年で大容量のSSDハードディスクがかなり発売されているようになっていたのですね。古い時代に遡れば、FDDしか標準で付いてないパソコン時代、漢字変換の辞書を最初にメモリに書き込んで使うRAMDISKというものが流行ったことがあります。9801の拡張スロットに拡張メモリを取付け、漢字変換が本当にスムースになった記憶があります。その後、ハードディスクが普及した後、これも廃れていきましたが、要はバイト当たりの単価がハードディスクの方が安くなってきたからで、そこそこのバイト当たりの単価であれば、やはり機械式であるハードディスクよりもメモリの方が速いに決まっています。

SSDのミニ知識

そこで、SSDのことをもう少し勉強することにしました。Wikipediaで定義を調べてみると、SSD(Solid State Disk)とは記憶装置の種類の一つで、OSからはハードディスクドライブ(HDD)のように見えるフラッシュメモリである、とあります。また、フラッシュメモリドライブ(フラッシュメモリディスク)、フラッシュドライブ(フラッシュディスク)、シリコンドライブ(シリコンディスク)など様々な名称で呼ばれUSBメモリを指す場合もあれば、内蔵ハードディスクドライブを置き換える用途で使われるフラッシュメモリを指すこともある。今ではSSDといえば一般的に後者を指す言葉になっている。SSDを構成するフラッシュメモリには、SLC(Single Level Cell)とMLC(Multi Level Cell)の2種類がある、とも書かれています。詳しいことを抜きにして言えば、SLCは読み書き速度が速いがコストは高く、MLCは読み書き速度は劣るけれど価格が安いという特徴を持っています。EeePCにふたつのSSDがあり、CドライブにはSLC、DドライブにはMLCと言う構成にしているのは上記のような理由からです。では、SSDは単純にメモリだけを載せているものかと言えば、OSからはハードディスクドライブ(HDD)のように見えるための工夫を凝らしているわけです。一般的にSSDで用いられるフラッシュメモリチップの転送速度はHDDよりも劣っているのですがSSD内部に複数個のフラッシュメモリチップを搭載させ、それらを専用IC等を用いて多並列動作させる事によってHDDと同等あるいはそれ以上の性能を確保しています。ハードディスクはモーター駆動により記憶円盤を回転させ、それをヘッドが読み書きに行くという動作によって記憶するわけですが、SSDではそうした機械的な部分が全くないため、省エネ、対衝撃に対して強いと言った利点を持っています。ただ、大量なデータの読み書きが発生した時、Windowsの動作が一時的(プチ)に止まる、重くなる(フリーズ)という問題がネットにおいて多数報告されるようになったこともあります。これについてはまだ本当に解明されたわけではありませんが、コントローラチップにまだまだ改良点があることを証明しているのかもしれません。先日、米SanDiskからSSDの応答速度を速める技術を有したコントローラが発表もされました。問題はSSDにハードディスクに代わるだけの大容量のものが安価に発売されるかどうかということです。

128GBを25000円で購入

こうしてSSDについて一応の知識を持つと、用途によってはデスクトップパソコンにおいてもSSDは有効ではないかと私は考え始めたわけです。インターネットで調べると、128GBや256GBなどというかなり大容量のものも発売されていて、その価格が数万円というものがかなりあるではないですか。私のメインパソコンのハードディスクは120GBですが、これといって不自由はしていません。というのは、Cドライブは起動用プラスアプリケーションの格納場であり、データは全てNASドライブにおいていく使い方をしているからです。ただ問題は、このSSDドライブのコネクタはUSBかシリアルATになっていて、古いパソコンでは接続できないことです。2000年に組み立てたパソコンが今もって私のメインパソコンで、USB2.0やIDEコネクタに異常が出てきたため、そろそろ数年前に購入したVISTAマシンに移行する時がきたのかもしれない、と思い始めていたものですから、このパソコンのCドライブにしようと購入に踏み切りました。VISTAマシンへの移行作業については次の機会に譲ることにして、最後の話題に移りましょう。

USB3.0時代の到来

 とうとうUSB3.0規格が確定されましたね。1996年のUSB登場以前までは、周辺機器の接続はそれぞれの機器にあわせて、シリアルポート、パラレルポート、PS/2ポート、SCSIポートなどの規格を使い分けていました。しかし、あまりに複雑すぎるインターフェースの統一を目的として制定されたのが「Universal Sirial Bus」=USBでした。当初のUSB1.0規格ではその転送速度は最大12Mbpsと遅く、マウスやキーボードなど転送速度に問題ない小物接続に限られていましたが、最大480MbpsのUSB2.0が登場し、ハードディスクやDVDドライブなど、あらゆる周辺機器を手軽に接続できる規格として主流となりました。ノートパソコンの外部接続も本当にシンプルになり、もうこれで十分ではないかという声も聞こえてきたりするのですが、やはり簡単に接続でき、その転送速度が速ければ従来の使い方以上のものが生まれてくる可能性もあります。数年前からその規格の作成がアナウンスされていたのですが、とうとう昨年末USB3.0規格は確定し、製品化が年末から来年、普及時期としては2011位という発表がありました。その転送速度はUSB2.0の10倍、4.8Gbpsで、CD-ROM一枚分のデータ量を約1秒でコピーできる規格なのです。こうなると周辺機器であるハードディスク、SSDなどの外部記憶装置のスピードもこれに合わせて進化する可能性が出てきます。USB3.0は当然コネクタ類など下位互換を持っているため、当分の間USB2.0と混在するでしょうが、本来の能力を発揮する時代も間近でしょう。マザーボードにこの規格のチップが載る時代にはパソコンを更新する必要が出てくるでしょうね。


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